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あの頃に戻れたなら  作者: 達也
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試験勉強

 文化祭が終わると、学内の雰囲気は期末試験に向けての勉強を再開する少し殺伐とした環境となる。文化祭前の中間試験の結果からおのずとクラス内の学力がなんとなくだが分かる。俺は生物と化学でクラス1の成績だったため、特に化学の面でよく今まで話さなかった男子とも話す機会が増えた。西中は数学1位。信岡は総合1位。秋口は生物が俺と数点差で2位。坂本と奈川は総合5位6位といった感じ。西中グループにちょっといい感じで集まっている。八谷と石松は真ん中あたりだったので皆得意科目を持ち寄って二人を重点的にサポート。俺も英語は落第する点数(以降:赤点)にわずか上回るぐらいのクラス最下位だったので、全力でサポートしてもらう。

「ノブーここの訳どうすればいい?」

俺は信岡のことを”ノブ”とあだ名で呼ぶようになった。男子は基本”ノブ”女子は”ノブくん”と呼んでいる。その他にも秋口に”アッキー”というあだ名があるのだが、俺自身あまり話せていなかったので呼ぶのには抵抗があった。

「えっとそれはね……ちょっとまって奈川君はどう思う?」

「んー」

中学レベルからいまいち理解の追いついていない俺の頭にどのように教え込むか。という段階からかなり悩むらしい。ノブの説明を最初聞いたときは”もう少し砕いて説明してくれ”と、何度も懇願したので、奈川と相談しながら俺に教えることにしたようだ。

 あべまの友達とは、あべま居るときだけに今まで軽く話すような感じだったが、勉強を教えてと頼まれるようになった。”現金なやつだ”とも思ったが、いままでも軽く話していた女子に話しかけられるのは悪くない。話しかけられたことのない女子の中でも”私女子力磨き頑張ってますオーラ”を振りまく人たちにはまったく相手にされない。成績だけではまったく接点が増えなかったあたり、西中グループはイケメンと呼べるような人がいないことは察していただきたい。

 あべまの友達の中でよく話すようになった女子は3人居た。

 1人目は松原由梨絵。担任と同じ松原性だが、特に関係はないらしい。よくある苗字なので、何人も見たことはある。俺は”松原さん”とさん付けで呼んでいた。あべま以外の女子は全て苗字と”さん”で呼んでいる。松原さんはノブと1年生のとき同じクラスで、西中とあべまの2人と同じ中学だった。ノブが西中と仲良くなったきっかけもこの松原さんのおかげだ。松原さんは少し、というよりかなりぽっちゃりで背は140cm台とノブより少し低めの身長だ。メガネをかけたその姿から用意に想像ができる重度のオタクで、西中いわく漫画の数なら負けるかもしれない唯一の好敵手らしい。女子で唯一の物理専攻者であり成績も優秀だ。

 2人目は小野亜沙子。小野さんは若干ぽっちゃり要素があるが普通の体系といって刺し違えない。背は八谷と同じ位で、女子としては160半ばは高いほうだ。1年のときはあべまたちと同じクラスだったのがきっかけで仲良くなったらしい。少し高飛車な性格と雑な言葉遣いだが、フランクな感じからか男子受けは良く基本誰とでも会話に溶け込める。成績はこれまた優秀でありノブ、松原さん、小野さんの3人でクラスの総合トップ3を占めている。

 3人目は元吉樹里。元吉さんは松原さんと同じ位の身長で体系は松原さんより少し細めくらい。女子のいじられ担当ということで八谷と同じようなポジションである。目が少し離れた容姿をしており決して美人とは言いがたいのだが、本人から”私魚に似てるでしょ”と最初ネタにされたときは焦った。成績はクラスの最下位である。特に理系科目全般と語学が苦手なようで、理系科目は俺と西中の二人が中心となって教えることになった。


 集まった中で成績上位者が総合でノブ、松原さん、小野さん、奈川、坂本といったところ。それに理科特化の俺、秋口。数学特化の西中。所詮はAクラスなので非常に頭がいいというわけではないが、クラスの中でもインテリ集団といった感じで周りに見られていたのかもしれない。この集団が常時一帯となっているわけではないが、何人かで集まって雑談しているとクラスの中で勉強の事を聞かれることがしばしば増えた。女子力磨いています集団はノブたちトップ3にしか聞かないようで、もしもその3人がわからない場面が出たときは俺や西中が得意科目をノブたちに教えて、それをノブたちが教えるという二度手間をとっていた。このめんどくささからあまり好きになれなかった。特に生物では小野だけでなく、成績がそこまで良くないあべまを使ってまで俺の意見を聞こうとしていた。どれだけめんどうなんだと言いたかったが、あべま自身も聞きたいようだったので我慢した。

 期末試験前は校門がしまる時間まで予定のない人が数人集まって毎日勉強をしていた。勉強といっても雑談が多く、和気藹々としたものだ。家に帰ると勉強できないし、黒板と言う便利ツールもある。壁に向かって書きなれているわけではないので、皆字が斜めに偏ったり、小さかったりと読みにくい面は多々あったが、紙を無駄に用意しなくていいし、場所をとらない、そして複数に教えるときに便利なので多用していた。食料や水分の問題も近くのコンビニで調達すればいいので、わざわざファミレスへ行くほうが制約もあって面倒というのもある。西中と俺はほぼ全日参加をし、帰りには西中の家によってレンタルDVDや西中の部屋にある漫画を読み漁ったりして遊んだ。勉強はもちろんしない。西中の親には勉強をしているような雰囲気を二人で出していたがそれはあくまで形式上である。

「あ、もうそろそろ終電だ。めんどくさいな……」

「泊まって行けよ、下着貸すから。どうせ勉強道具学校だろ?」

急なお泊りとなったが、西中の家には大変よくしてもらった。お風呂も貸してもらったのである。脱衣所にあるタンスの中にタオルがあるらしく引きだしを説明された。風呂から上がったときに引き出しを開けると派手な紫色と赤色のものが見えた。間違って西中姉の下着コーナーを開いてしまったようだ。俺はあわてて勢い良く閉めたあと、不自然になっていないか確認した。バレたら殺される。幸い脱衣所の近くに人がいなかったようでタンスを不自然に音を立てて閉めたことには気づかれなかったようだ。手に取るようにじっくりと見てはいないので、もしかしたら西中母のものかもしれない可能性はある。しかし年頃の男に見ず知らずの下着はあまりに刺激的で、色だけを強烈に脳裏に刻んでしまった。この日から俺は学校がある日であっても頻繁に西中の家へ泊まることになった。

 主人公が勉強できそうな雰囲気を出していますが、大切なことなので何度でも言います。”得意科目以外はまったくできません。”

 登場人物が一気に3人増えたこともあり、説明が長くなりましたが、おそらくこれである程度の主要メンバーが揃った感じです。あとはところどころ名前が出てきたりしますが、そこまで絡みが深い人は少なかったかと。特に女子は……ね。

 ゲームや漫画の世界みたいにクラスメイトとは少数だけ話すと言うのはありえないので、どうしても人が増えるのはご愛嬌です。


西中の下着を借りたり、西中姉の下着のを見たりと、描写について問題があればR15に入れようかなと思いますが、特にエロはありません。悲しいほどにありません。ホモもありません。ホモも。大事なことなどで2回言いました。


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