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あの頃に戻れたなら  作者: 達也
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文化祭に向けて

 新垣から借りた教科書を返すときに、たまたま廊下に出ていたと思われる智子に声をかけられた。

「西岡君ー久しぶり、あ、そういえばさ文化祭なんだけど掛け持ちしている部活両方とも参加することになったんだ!」

学校での呼び方は苗字だったなと思いながら、智子から文化祭のことを聞いて存在を思い出した。まだ4月半ばで、文化祭は6月終わり。まだまだ先の長い話なのでクラスの出し物すら話し合いになっていない。5月の終わりには中間試験があるので、実質1ヶ月の準備期間だ。高校生と言ってもまだまだ子ども。学業や部活の合間にやれることは限られている。だから学校全体として文化祭に出し物をするクラスは少ないので、俺のクラスも例に漏れずこの先も話すら出ないだろう。1年生の頃は高校の文化祭に対して強い憧れを持っていたが、食品衛生の面で露店は全面禁止の文化祭に何も興味を見出せない。適当に文化部の出し物を見て回って時間を潰した記憶がある。学校側も生徒会側も力を入れる気はないようだ。

 智子が掛け持ちしている部活は、文芸部と茶道部だ。両方とも文化系の部活なので、おのずと両方参加になる。

「両方ともって大変じゃん! 大丈夫なの?」

「うん、文芸のほうは事前に準備したしおりや詩を出す感じで、当日は茶道の出し物なの。浴衣を着てお茶と茶菓子をだす感じだから時間被らないし平気よ」

浴衣と言う言葉に内心焦りながら悟られまいと平静を保つ。

「なるほど。抹茶苦手だけどお茶菓子だけでも食べに行っていい?」

浴衣が楽しみだとは言わないのはやはり照れるから。

「食い意地ばっかり! まぁ大丈夫だよ。ウチ副部長だし何でもできるもん」

智子に了承を得たので、あとはどうやって茶道部の出展場所に行くかをじっくり考えることにする。もっと長い時間話したかったが、次が体育の授業だったので時間がない。智子にまた夜連絡すると言い、新垣に教科書を返すことにする。新垣は少し離れたところにいたので、教科書を机に置くことを少し大きな声で伝えてその場を去った。新垣に智子との会話を見られなかったのに少し安心した。


 夜、智子からメールが来た。久しぶりのメールに少し高揚した。

「昼間は引き止めてごめんね。文化祭の話だけど、浴衣をまだ決めてなくてさ。どんな色がいいと思う?」

メールの内容を見てさらに頭の中が真っ白になる。文化祭は文化部の一番の大舞台じゃないか。その衣装の相談を俺が受けていいのだろうか。そんな質問をされたら真剣に考えるしかない。

 かなりの時間悩んだが、結局自分の一番好きな紫色と答えた。智子の好きな色は知らないし、智子に似合う色を答えろと言われてもセンスのない俺がなにか思い浮かぶわけもない。別に今までも特別俺の好きな色を言った覚えもないし、好きな色はあまり沢山使いたくないという天邪鬼な性格の俺なので、智子も暗に”俺が好きな色”を言ったとは思っていないだろう。

「ありがとう、週末親と見に行くから参考にするよ。文化祭楽しみにしててね!」

一緒に選びたいと思ったが、そこまでの贅沢は求めない。しかし、智子のおかげで文化祭がものすごく楽しみになった。


 予想通り文化祭の話すら出ずにゴールデンウィークが過ぎた。俺はゴールデンウィーク中だけで2回も西中の家に泊まりに行く仲良くなっていた。クラス内では1年の頃の男子グループは以前ほど固まらなくなった。クラスを大まかに分けるとお祭り騒ぎ、オタク系、無口(1人)系だろうか。中学でも大体こんな感じで分かれていたと思うし、どこも大体同じだろう。石松、奈川はそれぞれ騒ぎ好きのところ。俺は騒ぎ好きとオタク系をふらふらと回る。もちろん1人好きの人を除いて各々に独自の交流があり、クラス全体としてまとまっている。

 オタク系グループの中心は西中である。そこに基本八谷と信田がいて、そこに追加で俺が入る。最近では西中・八谷と一緒のクラスだった坂本というかなりめんどくさいやつと、信田と一緒のクラスだっただった秋口という口少ない男も加わることが増えた。俺は自分から積極的に話すのを苦手としていたため口少ない秋口は苦手だ。坂本は面倒だが自分からかなり話しかけてくるので、秋口に比べると俺の中ではかなり接しやすい人という印象を受けている。この話しかけてくる頻度がすさまじいので、男子から”うざキャラ”として認識されているようだ。よく喋るだけではなく、余計なお世話といわれるようなことが好きで、しかも自分はすごいんだぞという雰囲気をかもし出してくる。石中と奈川が若干西中グループから離れたのも坂本が影響していただろう。

 坂本と秋口は2人とも背が高く、170cm後半といったところ。八谷は平均的なのだが、俺と西中も170cmほどなので、信田は小学生のような感じに周りの目から映ったと思う。

 女子は詳しくわからないが、あべまを中心にオタク系の人が集まっていたと思う。西中とあべまは仲がいいので、そのついでに西中グループ全般があべまの友達たちと話すようになっていた。坂本は女子全般に嫌われていたので、あべまも例に漏れずなるべく避けるような感じで西中グループと話していた。しかしそこは空気が読めない坂本、積極的に割り込んでくる。


 ローカル線での帰り道、俺、西中、あべまの3人になった。坂本も同じ路線で帰りは4人になることが多いが、この日の坂本は用事があるといって一緒には帰らなかった。

「あのさ、坂本ってかなり積極的にあべまと俺らが話しているときに来るけど……」

俺は坂本がいないことをいい事に、語尾を濁すようにあべまに聞いた。

「坂本はあべまが好きなんだよ」

西中がため息をはきながら言った。西中も坂本のことが苦手らしい。

「ウチ彼氏おるし、まず坂本は無理! なんか察しはつくけどねー」

普段なら笑いながら答えるあべまは坂本の話題という事で少し真剣な表情だった。あべまには年上の彼氏が居るらしい。西中の家であべまと付き合っているか聞いたこともあったが、彼女いない暦=年齢とやんわりと返されたし、彼氏についても西中から少し聞いていた。そのとき西中は少し寂しそうな表情をしていたので、「あべまのことを好きなんだ」と言いたかったが、と心の中でとどめた。もしも言っていたとしても二次元は俺の嫁というやつだ、必ず否定しただろう。

「坂本かわいそうだな」

「ま、あいつポジティブだし、いいんじゃね」

人間裏で何を言っているかわからない。いいやつなんだけどそれ以上にめんどくさい。そんな日頃のストレスを発散していた。坂本のことを口に出したように少しかわいそうだと思ったが、それ以上に本人が居ないので電車を降りる間際まで3人で好き放題に坂本の話題をしていた。

またまた登場人物が増えてしまいました

覚えることが多くなりがちですいません

ファンタジーを昔書いていたときは登場人物をかなり絞るプロットを立てていたので、序盤にこんなに人がぐちゃぐちゃになることはなかったのですが・・・


実話を元にしているので、うまく登場人物を遅らせることができないです・・・

これでもまだ数人出したい人を残している(あべまの友達関係などが主に)のですが、新しい人のエピソードはなるべくカットしながらゴールデンウィーク明けまで進めました


投稿したあとすぐに気がついたのですが、中韓試験は5月の終わりです 6月頭と書いていましたすいません。


これからも温かい目で読んでいただけたら幸いです。

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