プロローグ
斜め読みですっ飛ばして下さっても構わないプロローグです。
鳥と巡ろう、ひととせを。
鳥と歌おう、ひととせを。
一年通して私達、鳥と共に暮らしてる。
さあさ巡ろう、ひととせを。
さあさ歌おう、ひととせを。
春夏秋、三つの季節を覚えてね。
春 一つ目の月が来た。この月に生まれた子供は忍耐強く、しっかり者だ。春告鳥が鳴いて報せる、木枯らし吹く寒い季節はここに終り。
春 二つ目の月に生まれた子供は、花のように可愛い子。きっと皆のアイドルだ。百音鳥が鳴いて報せる、世界は花で満たされました。
春 三つ目の月に生まれた子供は、明るく元気で健康だ。玄旅鳥が鳴いて報せる、若葉青々美しい。
春 最後の月が来た。この月に生まれた子供は、泣き虫で大人しいけど芯は強い。大瑠璃鳥が鳴いて報せる、春の最後は雨で終わり。
さあさ季節が変わったよ。
夏 一つ目の月が来た。この月に生まれた子供は、繊細で物静か。見えない世界を感じ取る。天川鳥が鳴いて報せる、空はきらきらお星様。
夏 二つ目の月に生まれた子供は、我儘で大変やんちゃ。獅子のように暴れん坊。朝庭鳥が鳴いて報せる、ざあざあ雨には気を付けろ。
夏 最後の月が来た。この月に生まれた子供は、几帳面で大変真面目。だけども少し夢見がち。九々鳴鳥が鳴いて報せる、むしむしの夏は終わったよ。
さあさ季節が変わったよ。
秋 一つ目の月が来た。この月に生まれた子供は、正義感が強く努力家だ。飯豊鳥が鳴いて報せる、月の綺麗な夜になった。
秋 二つ目の月に生まれた子供は、優しく広い心を持つ。小夜泣鳥が鳴いて報せる、少し肌寒くなってきた。
秋 三つ目の月に生まれた子供は、人見知りが激しい子。けれどもとっても純真だ。恋教鳥が鳴いて報せる、二人でそっと寄り添えば寒い風もしのげるよ。
秋 四つ目の月に生まれた子供は、慎重深く分析上手。雷鳴鳥が鳴いて報せる、天気の変化には注意をしてね。
秋 最後の月が来た。この月に生まれた子供は、周りの皆を明るくさせる力がある。嘘吹鳥が鳴いて報せる、長い一年これにて終わり。嫌な事があったなら、私が嘘に変えてあげる。
鳥と巡ろう、ひととせを。
鳥と歌おう、ひととせを。
一年通して私達、鳥と共に暮らしてる。
春夏秋、三つの季節を覚えてね。
〈シアリーズ王国に伝わる数え歌〉