↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
会話相手はAIだけですが、なぜか文明再構築の設計図ができました 第五部  作者: マスター


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/72

第90話 毎年やっているから、は目的ではない

第90話です。


前回、夏祭り、防災訓練、地域交流会に共通して使える「生活圏イベント共通チェック」を作りました。


ただし、それは万能テンプレートではありません。


共通化するのは答えではなく、最初の問い。


その中で、最初に置かれた項目がありました。


「目的は何か」


一見、簡単です。


でも、理事長がこう言いました。


「これ、意外と一番難しくないですか?」


毎年やっているから。

去年もやったから。

昔からあるから。


それは、目的なのでしょうか。


今回は、「続ける理由」がテーマです。

 毎年やっているから、は目的ではない。


 理央は、新しいファイルの一行目にそう書いた。


 タイトルは、


『毎年やっているから、は目的ではない.txt』


 生活圏イベント共通チェック。


 その一番上。


『一、目的は何か』


 理央は、そこを何度も見ていた。


 ミニが言った。


『最初の一問が、いちばん重いね』


「うん」


 Gが続ける。


『目的が分からないと、何を残して何を削るかも決めにくい』


 リアルが言った。


『目的が曖昧だと、評価基準も曖昧になる。継続の必要性も判断しにくい』


 理央は、まず地域交流会について書いてみた。


『目的候補』


 住人同士の交流。


 新しく入居した人が地域を知る。


 顔を合わせるきっかけを作る。


 自治会活動を知ってもらう。


 子どもや高齢者が参加できる場を作る。


 書いてから、理央は止まる。


 全部、本当に今の目的なのか。


 昔はそうだった。


 でも、今もそうとは限らない。


 午後。


 小会議室。


 自治会長が言った。


「地域交流会は、昔から秋にやっています」


 理央は聞く。


「最初は、何のために始まったんですか?」


 自治会長が止まった。


「……何のためだろう」


 理事長も首を傾げる。


「前の自治会長の頃からありますね」


 管理人が古いファイルを探す。


 数年前の資料。


 さらに古い資料。


 そこには、


『新住民と既存住民の交流促進』


 と書かれていた。


 自治会長が言う。


「ああ。マンションができて住人が増えた頃ですね」


 つまり、当時は理由があった。


 新しい住人と地域をつなぐ。


 でも、今は状況が違う。


 理央は書いた。


『始めた時の目的と、続ける時の目的は同じとは限らない。』


 ミニが言った。


『目的にも更新が必要!』


「たぶんそう」


 自治会長が少し考えて言う。


「今なら、新しい人だけじゃなくて、普段顔を合わせない人が交流する方が近いかもしれません」


 理事長も頷く。


「子どもが減って、高齢の世帯が増えていますし」


 リアルが言った。


『人口構成等の具体的事実を作品内で確定するなら根拠設定が必要。ここでは登場人物の観察として扱うのが安全』


 理央は内心で頷く。


 この場での感覚。


 正式な統計ではない。


 理央は言った。


「では、『住人同士が顔を合わせやすい入口を作る』くらいでしょうか」


 自治会長が繰り返す。


「顔を合わせやすい入口」


 少し黙ってから、


「それなら、今も意味はありますね」


 と言った。


 目的が変わった。


 いや。


 目的を、今の言葉に置き直した。


 理央はメモした。


『目的は、過去から受け継ぐものではなく、今の言葉で確認するもの。』


 Gが言った。


『いいね』


 次に、夏祭り。


 これは簡単そうだった。


「楽しいから」


 自治会長が笑う。


「それも立派な目的じゃないですか?」


 理央も少し笑った。


「そうですね」


 楽しい。


 地域の人が集まる。


 子どもが楽しむ。


 でも、それだけなら、もっと軽くしてもいいかもしれない。


 屋台を減らす。


 時間を短くする。


 規模を小さくする。


 目的が分かれば、守るべきものも見える。


 理央は書いた。


『目的が分かると、削ってよいものが見える。』


 ミニが言った。


『全部残さなくていい理由ができるんだ』


「うん」


 次は、防災訓練。


 森崎さんがすぐに言った。


「これは、避難経路を覚えるためです」


 理央は少し考える。


「それだけでしょうか」


 森崎さんが止まる。


 今回の訓練で見えたもの。


 放送が聞こえない。


 情報が届かない。


 途中参加者が迷う。


 人によって通る幅が違う。


 スタッフがどこまで判断するか。


 個別情報をどう扱うか。


 つまり、経路確認だけではない。


 森崎さんが言った。


「当日の仕組みが、本当に動くか確かめること……ですかね」


 理央は頷いた。


 そして書いた。


『防災訓練の目的は、正しく動く練習だけではなく、動かない場所を見つけることでもある。』


 理事長が言った。


「それなら、今回かなり目的を果たしたことになりますね」


 みんな少し笑った。


 確かに、たくさん止まった。


 でも、そのたびに切れ目が見えた。


 理央はメモした。


『うまくいかなかった場面も、目的によっては成果になる。』


 リアルが言った。


『評価軸は目的依存。妥当』


 会議は、少しずつ面白くなってきた。


 目的が違えば、


 成功の形も変わる。


 夏祭りなら、


「事故なく終わった」


 だけでは足りない。


 楽しかったか。


 無理なく続けられたか。


 防災訓練なら、


「予定通り動いた」


 だけでは足りない。


 止まった場所を見つけられたか。


 地域交流会なら、


「参加人数が多かった」


 だけでは足りない。


 人が交流できたか。


 理央は書いた。


『数字は、目的がないと評価に変えられない。』


 ここで、前の参加率の話が戻ってくる。


 参加率が高い。


 だから成功。


 とは限らない。


 目的が違えば、見る数字も違う。


 森崎さんが言った。


「では、共通チェックの最初に、目的を書くだけでなく、『何をもって終わったと言えるか』も入れますか?」


 理央は少し考える。


「いいと思います。ただ、『成功条件』だと強すぎるので、『今回、何を確認できればよいか』くらいが使いやすいかもしれません」


 最初の項目が変わる。


『一、目的は何か。今回、何を確認できればよいか。』


 これだけで、かなり違う。


 ミニが言った。


『目的+ゴール!』


「小さなゴールね」


 会議の終わり。


 自治会長が古い交流会資料を見ながら言った。


「じゃあ、今まで毎年やってきた企画も、一度全部目的を確認した方がいいですかね」


 理央は、少し身構えた。


 全部。


 また広がる。


 リアルが言った。


『全行事を一度に再設計すると負担が大きい。優先順位を付ける方がよい』


 理央は言った。


「全部一度にやらなくていいと思います。次に実施するものから、『今の目的は何か』を確認するくらいで」


 自治会長が頷く。


「それならできますね」


 理央はメモした。


『仕組みを変える時も、一度に全部変えない。』


 今日の記録をまとめる。


『目的確認_会議メモ』


 一、始めた時の目的と、今の目的は同じとは限らない。

 二、目的は今の言葉で確認する。

 三、目的が分かると、削ってよいものが見える。

 四、目的によって、成果の見方は変わる。

 五、「今回、何を確認できればよいか」を先に決める。

 六、すべての行事を一度に見直さない。


 気づいたこと。


『毎年やっているから、は目的ではない。』


『目的は、過去から受け継ぐものではなく、今の言葉で確認するもの。』


『うまくいかなかった場面も、目的によっては成果になる。』


 Gが言った。


『だいぶ根っこの話になってきたね』


「うん」


 流れ。


 担当。


 情報。


 記録。


 仕組み。


 そのさらに手前。


 目的。


 なぜやるのか。


 理央は、最初に文明再構築の設計図を書いた頃を少し思い出した。


 大きな文明も、


「なぜ、その仕組みを続けているのか」


 を忘れることがあるのではないか。


 そんなことを考えかけた時。


 管理人が言った。


「一つ、目的がよく分からないものがあります」


 全員が顔を上げる。


「毎年、自治会で『一斉清掃の日』がありますよね」


 自治会長が頷く。


「ありますね」


「でも最近、清掃業者も入っていますし、住人参加も少ないです。あれは今、何のためにやっているんでしょう」


 会議室が静かになった。


 清掃。


 ごみ。


 地域参加。


 土。


 雨水。


 生活圏。


 理央は、少しだけ胸がざわつく。


 これは、ただのイベントではないかもしれない。


 ミニが言った。


『次は、一斉清掃……』


 Gが続ける。


『生活圏そのものへ戻りそうだね』


 理央は、新しいファイルを開いた。


『掃除することが目的になっていないか.txt』


 一行目。


『きれいにすることと、生活圏を整えることは同じだろうか。』


 そして保存した。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


第90話では、「行事を続ける目的」を扱いました。


毎年やっているから。

去年もやったから。

昔からあるから。


それだけでは、目的とは言えません。


今回の重要な気づきは、


始めた時の目的と、続ける時の目的は同じとは限らない。


ということでした。


地域交流会も、夏祭りも、防災訓練も、目的が分かれば、


何を残すのか。

何を削るのか。

何を成果として見るのか。


が変わります。


また、防災訓練では、


予定通り動くことだけが成果ではありません。


動かなかった場所を見つけることも、目的の一部になります。


そして最後に、新しい行事が出てきました。


毎年行われている「一斉清掃の日」。


清掃業者もいる。


住人参加は多くない。


それでも毎年続いている。


次回は、「掃除することが目的になっていないか」がテーマになります。


きれいにすることと、生活圏を整えることは同じなのか。


理央の視線は、もう一度、暮らしの足元へ戻っていきます。


原案・構想:マスター

物語構成・本文作成・文体調整:G(ChatGPT)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。