表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/31

第7話 谷の向こうへ

霧の谷を越えて、物語は少しずつ次の段階へ進みます。

赤い焔。残された痕跡。そして再び現れた紅の騎士団──

静かな夜と仲間たちとの会話の中に、確かな“熱”が灯り始める回です。

ゆっくりと、でも確実に進みはじめた彼らの歩みを、どうぞ見届けてください。

霧の谷を越えた先、空がふたたび広がっていた。


長く、重く、薄明のように続いた白の世界が嘘のように消え、木々の隙間から差し込む陽光が、緩やかに地面を照らしている。


乾いた風が吹いた。肌を撫でるその風に、アオイはようやく現実に戻ってきた気がした。


 


「……ここまで、来たな」


レオンが、ひとつ息を吐きながら呟いた。


その声に誰もすぐ返事をしなかったが、全員の足取りにはわずかな緩みがあった。緊張が解けたというよりも、張り詰めすぎたものが、ようやく静かに緩んだような、そんな空気だった。


 


アオイもまた、深く呼吸をした。


霧の中にいたあいだ、身体の奥でずっと何かがざわめいていた。あの“記憶の魔物”と対峙したときも──その後に見た、記憶のような光景も。


あれが何だったのか、自分にはまだわからない。


けれど、たしかに感じた。


霧の中で試されたのは、身体じゃなく“心”だったということを。


 


「アオイくん、大丈夫?」


 


ユナが、少し後ろから声をかけてきた。


振り返ると、金色の髪が風に揺れている。心配そうに見上げてくる瞳は、谷での疲れを感じさせながらも、どこか凛としていた。


 


「うん。……ちょっと疲れたけど、大丈夫」


アオイは微笑み、そう返した。


その笑みがどこかぎこちなくなってしまうのは、きっと自分の中にまだ消えない“ざらつき”があるからだ。


 


──誰かの記憶。


──名前も知らない誰かの想い。


あの谷に、たしかに存在していた“何か”が、心に小さな棘のように残っている。


 


前を歩いていたガルドが、足を止めた。


「……ここで休もう。周囲も見える。今のうちに体を落ち着けておけ」


レオンがうなずき、全員が思い思いに腰を下ろす。


ミレイは小さな岩に座るなり、頭を後ろに倒して空を見上げた。


「んー……やっと空が見える。空の青さって、こんなにほっとするんだね」


「確かに。霧の中は、何も見えなかったからな……」


レオンが苦笑しながら地図を広げる。


 


「今いるのは、たぶん《霧の谷》の東側、外縁部ってところだな。街道に戻るには、あと半日ってとこか」


 


「今日中に、ギルド支部まで行けそうですか?」


ユナが尋ねると、レオンは軽くうなずいた。


「時間的には問題ない。ただ、道中でまた何か起きなきゃな」


 


アオイは、仲間たちの顔をそっと見渡した。


一晩を共に過ごし、命のやりとりの中で肩を並べた──まだ短い旅路の中で、彼らとの“距離”は確実に変わりつつある。


 


(あのとき、俺はたしかに怖かった。でも──)


 


──誰かのために動くこと。


──誰かの背中を見て、心を震わせること。


そして、自分もその輪の中にいるのだということ。


 


「……ねえ、アオイくん」


ユナが隣に腰を下ろすと、ふいに小声で呟いた。


「さっき、谷の中で……何か、見た?」


 


「……え?」


 


「なんとなく、そんな顔してたから」


アオイは、少しだけ黙って考える。


 


──あの映像のような記憶。


──あの白い花、誰かの祈り、そして石碑。


 


「……うん、見たよ。……でも、なんだったのかは、よくわからない」


「そっか」


ユナはそれ以上は何も言わず、ただ空を見上げた。


その瞳には、遠い何かを思い出すような、やさしい光が宿っていた。


 


風が吹き抜け、草の香りがふわりと漂った。


アオイはそっと、自分の拳を握った。


その中に、微かな温かさが残っている気がして──思わず、心の中で呟いた。


 


(ユナちゃん……マジ天使)


 


そして同時に、もうひとつ。


あの谷の最後に、ほんの一瞬、拳が光った“あの感覚”も──忘れられずにいた。


 


(……まだ、はっきりとは分からない。でも……)


 


──何かが、自分の中で動き始めている。


 


その予感だけが、確かにアオイを突き動かしていた。


昼を過ぎた頃、街道沿いの小さな分かれ道で、アオイたちは一人の行商人とすれ違った。


荷馬車を引きながら、険しい顔をした男が歩いていた。道の端で軽く挨拶を交わすと、男はぽつりとこう言った。


 


「この先の村……気をつけな。なんか、妙なことが起きてるらしい」


「妙なこと……?」


レオンが眉をひそめた。


「焔だよ。山のふもとで赤い火が何度も上がったって。誰かが合図でも送ってるんじゃないかって、村じゃ不安が広がってる」


「焔……それって、何かの魔法か?」


「いや、それがな。普通の火でも、魔法でもないらしい。色が違うって。見た人は“血のような赤”だって言ってた」


「“赤い焔”……」


アオイが思わず口に出すと、ミレイも頷いた。


「ここ最近、ギルドの情報板にもちょこちょこ載ってる。未確認だけど、目撃報告がじわじわ増えてるらしいよ。……まさか、ここまで広がってるとはね」


「じゃあ……もしかして、今回の任務と関係ある?」


ユナが問うと、レオンは短くうなずいた。


「このあたりの調査依頼ってのも、たぶんその焔の噂が元になってるはずだ。タイミング的に合ってる」


「でも、“ただの火”じゃないってことは……」


ガルドが低く呟いた。


「それなりの力を持つ存在が関わってる可能性もあるな」


「厄介なことにならなきゃいいけど……」


ミレイの言葉に、誰も返せなかった。


 


それからしばらく歩き、ようやく一軒の古びた休憩所にたどり着いた。街道脇にぽつんと佇む、木造の小屋だった。看板にはかろうじて「旅人の庵」と読める文字が残っている。


 


「ここ、使えるかもな。地図にも載ってないが、雨風はしのげそうだ」


レオンが扉を開けると、ギイ、と乾いた音がした。


中は埃っぽいが、荒らされた様子はない。どうやら、しばらく誰も使っていなかっただけらしい。


「今夜は、ここで野営にしよう」


 


各々が中に荷を降ろし、簡単な火を起こして休憩に入る。


アオイはその隅で、少しだけぼーっとしていた。


あの“赤い焔”という言葉が、ずっと頭から離れなかった。


それはどこか──自分の中にある“熱”と、繋がっている気がしたのだ。


 


──赤い力。


今、アオイがかろうじて使える“身体強化魔法”は、かつて王都で教わった基礎術のひとつ。体に力を集中させ、瞬間的に筋力や動きを強化する。


それは、色にすれば「赤」──


熱、力、闘志。


けれど、それだけじゃない。


まだ言葉にできない何かが、自分の中に眠っている気がしてならなかった。


 


「アオイくん、ちょっといい?」


 


火のそばにいたユナが、そっと声をかけた。


「うん、どうしたの?」


 


「これ……見てほしいものがあって」


ユナは自分の荷から、小さな紙片を取り出した。それは、ギルドで配られている簡易報告書の写しだった。


 


「最近、“赤い焔”と一緒に見られるって報告が多いのが──この痕跡」


 


そこには、地面に焼き付けられたような円形の焦げ跡が描かれていた。


 


「紋……?」


「魔法陣……のように見えるけど、どこか違う。魔術士のノエルさんが言ってた。“これは魔法陣じゃない。何かを呼ぶ“印”だって」


 


「……呼ぶ?」


アオイは思わず息を呑んだ。


 


ユナは小さく頷いた。


「まだ確証はないけど……この“赤い焔”の裏に、何か大きな“意志”があるかもしれない。偶然じゃなく、誰かが“何か”を始めようとしている。そんな気がするの」


 


火の光が揺れ、アオイの瞳に小さな赤を映す。


その色は、まるで心の奥を照らすように、じっと灯っていた──。


火がはぜる音だけが、夜の静けさに溶けていた。

焚き火の炎は小さくなり、仲間たちの声も、今はもう届かない。


アオイは、一人離れた岩に腰を下ろしていた。

手の中には、ユナが淹れてくれた温かい薬草茶がある。だけど、そのぬくもりすら、心には届かない気がした。


(オレ……本当に、このままでやっていけるのかなって。みんなみたいに“ちゃんとした魔法”も使えないし……)


ギルドに加わってからの数日。

自分は何か、役に立てたのだろうか。魔物との戦いも、霧の谷も、皆が支えてくれたから乗り越えられただけで、自分の力では──


「……また、一人で悩んでる」


声がして、顔を上げるとそこにはミレイがいた。

彼女はいつの間にか近くに座っていて、火を見つめながら言った。


「気づいてるよ、アオイくん。自分だけが“普通”だって思い込んで、苦しくなってるってこと」


「ミレイさん……」


「でもね、そういうふうに悩める人って、けっこう強いんだよ。弱さを見ないふりしないで、ちゃんと見てるから」


アオイは黙って火を見つめる。


「私もね、最初の頃は焦ってばかりだった。“風の魔法”なんて軽くて、戦力にならないって思ってた。火とか雷の魔法が羨ましかったし、何度も投げ出したくなったよ」


「……そんなふうに、見えないけど」


「ふふっ、今はちょっとだけ自信あるからね。でも、それは“誰かのために動こう”って決めた日からだった」


彼女の言葉に、アオイはゆっくりと顔を向けた。


「アオイくんも、そうなんじゃない?」


「……うん。オレ、ユナちゃんの言葉に背中を押された。……守りたいって、思った」


「その気持ちがある限り、ちゃんと前に進めるよ。自信がなくてもいい。不安だらけでもいい。大事なのは、止まらないこと」


アオイは、手の中の茶を見つめてから、一口すすった。

少し冷めてしまっていたけど、不思議と心があたたかくなる。


「ありがとう、ミレイさん」


「いいって。私、こう見えて世話焼きなんだから」


ミレイはふわっと笑って立ち上がった。


「そろそろ寝なきゃね。明日は任務、本番なんでしょ?」


「……ああ。ちゃんとやらなきゃな」


「肩の力、抜いてね。アオイくんの良さは、“素直なとこ”なんだから」


そう言い残して、彼女は仲間たちの元へと戻っていった。


アオイはしばらく、その背中を見つめていた。

風が静かに吹き抜ける。


(自分にできること。……それを、見つけてみせる)


小さく、火がはぜた。


宿場町の空に、星が静かに瞬いていた。

風は涼しく、街の喧騒も夜更けとともに遠のいていく。


アオイはひとり、宿の裏手にある小さな空き地で剣を振っていた。

体を動かすことで、ざわつく心を落ち着かせようとしていたのだ。


「──少し、腕が固いな」


低く、くぐもった声がした。


驚いて振り返ると、ガルドが木の陰に立っていた。

彼はいつの間にかそこにいたらしく、腕を組んでじっとアオイを見つめていた。


「……見てたのか」


「気配で分かっただけだ。……剣の重さを、受け止めきれてない」


「……そうかも。力が入りすぎてるのかもな」


アオイは苦笑しながら、剣を鞘に収めた。


ガルドはゆっくりと歩み寄ると、隣に腰を下ろした。

夜風が、ふたりの間を静かに通り抜ける。


「……お前、無理してないか?」


唐突な問いに、アオイは少しだけ目を見開いた。


「え?」


「任務のことだ。……焦ってるように見える」


「……あぁ、焦ってるよ。自分でも分かってる。強くなりたいって思えば思うほど、空回りしてる気がする」


アオイは地面に目を落とし、小さく吐き出すように言った。


「仲間になれたって思っても、戦闘じゃ足を引っ張る。あの霧の谷でも、ユナちゃんやみんなが冷静に動いてるのに、俺だけ……」


「……焦りすぎると、足元をすくわれる。……昔、そういう奴がいた」


ガルドの声が、ふと低くなった。


「……?」


「その男は、家族を守ろうとしてた。けど、独りでなんでもやろうとして──結局、誰も救えなかった」


アオイは静かに、ガルドの横顔を見た。


その表情は、夜の陰に溶けてよく見えなかったが……ほんの一瞬、深い痛みがにじんだような気がした。


「……それは、ガルド……?」


「昔の話だ」


そう言って彼は立ち上がり、背を向ける。


「……お前は独りじゃない。焦るな。仲間を信じろ。……それが、最短の道だ」


「……ああ」


アオイはその背中を見つめながら、静かに頷いた。


そのときだった。


「ここにいたんだね、ふたりとも」


静かな声とともに、ユナが現れた。


彼女は夜の静寂に溶け込むように立ち、そっと笑みを浮かべていた。


「明日、出発だよ。早めに休まないと……」


「……うん、わかった」


「ガルドも、ありがとね」


「……ああ」


そう答えると、ガルドはゆっくりとその場を離れていった。


残されたふたりの間に、しばしの静寂が流れる。


「ねえ、アオイくん」


「うん?」


「焦らなくていいよ。私たちは、もう一緒にいるんだ。……それが、ちゃんと“始まり”だから」


その言葉に、アオイは目を伏せ、ふっと息を吐いた。


「ありがとう。……俺、もっと強くなりたいよ。みんなを守れるくらいに」


「大丈夫。そう思えるなら、きっとなれるよ」


ユナはそう言って、先に宿へ戻っていった。


その背中を見送りながら、アオイは夜空を見上げる。


星は変わらず、静かに瞬いていた。


──そして夜が明ければ、任務が始まる。


彼の心には、少しだけ“灯り”がともっていた。



朝日が町を淡く染め始めたころ、〈暁星の灯〉の一行はギルド前に集まっていた。

風は冷たく、空気にはどこか緊張が漂っている。


「準備は万端だな?」


レオンの問いかけに、全員が無言でうなずいた。

昨夜の静けさのあと、空気はぴりりと引き締まっていた。


「任務内容は、“赤い焔”の調査と、それに関する痕跡の確認──だったな」


「うん。発生地点は、この街から東に数キロの廃村跡地だって」


ミレイが地図を広げて確認する。


「焔の痕跡って、何かの魔法?」


アオイの問いに、ユナが小さく首を振る。


「正確には、“魔力に似た反応”って報告されてるだけ。でも、その色が“赤”だったっていうのが、ちょっと気になるの」


「赤……か」


アオイは自分の中で燃える“力”を、少しだけ意識した。

まだうまく制御できない、自分の“赤の力”。


「──気を抜くなよ。こういう任務ほど、何かある」


ガルドの一言に、全員が頷いた。


街の外れ、朝靄に包まれた道を進み始める。

野道には誰の気配もなく、鳥のさえずりすら遠ざかっていた。


やがて、廃村の跡が見えてきた。


瓦礫と崩れた屋根、風化した井戸。

かつて誰かが暮らしていたはずの場所には、今はもう生命の気配はない。


「……ここが、“赤い焔”が現れたって場所か」


レオンが歩みを止め、あたりを見回す。


「魔力の反応、わずかに残ってる。でもこれは……自然に発生したものじゃない。誰かが、意図して残した……」


ユナが地面に手を添え、目を閉じる。


「この“熱”…感じたことある。もっと前に……」


「前って?」


アオイが尋ねかけたその時──


「いるぞ。周囲を確認しろ」


低く、鋭い声が空気を裂いた。


一行が一斉に身構える。


瓦礫の向こうに現れたのは、赤い装束の影──


「……まさか」


レオンが剣に手をかけた。


その先に立っていたのは、赤い鎧をまとった男。

冷たい目でこちらを見下ろしながら、静かに名乗った。


「王国直属・紅の騎士団。……ヴァルドだ」


緊張が一気に走る。


その後ろには、双剣を背負った女騎士、重装の巨躯、そしてローブ姿の魔術士──

彼らもまた、静かに姿を現していく。


「何の用だ。ここは俺たちの任務区域のはずだが」


レオンの言葉に、ヴァルドは一歩だけ前に出る。


「……任務の“本質”に、近づきすぎたな。下がってもらおうか」


「脅しかよ……!」


ミレイが叫びかけた瞬間、ガルドが前に出る。


「下がれ。今、無理にぶつかる必要はない」


「でも……!」


「違う。“今”は違う」


その言葉に、ヴァルドはかすかに目を細めた。


「判断は正しい。……だが次はない」


ヴァルドたちは、こちらを警戒しつつも、廃村の奥へと進んでいった。


去っていくその背中を見送りながら、アオイの胸には言いようのない焦燥が残っていた。


(あいつら──“何か”を知ってる)


赤い焔の正体も、自分たちの知らない“何か”も──


そして、その“何か”に触れることは、確実に危険を伴うのだと


紅の騎士団の一行が姿を消してから、場にはしばらく重たい沈黙が流れていた。

瓦礫に混じる、赤黒く焦げた地面。そこに確かに“何か”があった。


「やっぱり、“焔”は……人為的なものだったんだな」


レオンが、短く息を吐く。


「ヴァルドたちがここに来たってことは、何か重要な情報が……。きっと、あいつらだけが掴んでる何かがある」


ミレイが悔しげに唇を噛む。


「……ここ、俺の故郷に少し似てる」


ガルドがふと呟いた。


全員の視線が彼に集まる。

だが彼は、それ以上は語らず、ただ無言で地面に残る痕跡を見つめていた。


(……ガルドさん)


アオイは、彼の横顔にどこか哀しみの影を感じた。


「この焦げ跡……ただの火じゃない。魔力が……染みついてる」


ユナが慎重に跪き、指先で焦げた地面を撫でる。


「赤の魔力……いや、もっと深く、混ざってる。まるで、感情そのものが燃えてるみたい」


「感情が……?」


「怒り、悲しみ……あるいは、執念。そういう“想い”が形を持った魔力。そうじゃなきゃ、こんなに濃くは残らない」


「まさか、誰かの“記憶”が……ここで?」


アオイの呟きに、ユナは静かに頷いた。


「紅の騎士団は、それを探してる。きっと、“記憶”に何か秘密がある」


「……あいつら、自分たちだけで何とかしようとしてるな。けど──」


レオンが静かに言った。


「……それじゃ、“何も守れない”かもしれない」


仲間たちは、無言のままその言葉を噛み締めていた。


「戻ろう。報告の必要があるし、あいつらの動きも伝えないと」


レオンの言葉に全員がうなずき、一行は廃村をあとにした。


静まり返った瓦礫のなか、小さな黒い石が一つ、ぽつんと転がっていた。

アオイはふと、それに目を留めた。


「これは……?」


拾い上げた石には、ほんのわずかに魔力の反応があった。

赤く、そしてなぜか、わずかに青の気配も──


(……まさか)


一瞬、胸がざわつく。


だが、それが何かを確かめるには、今の自分では力が足りない。

アオイはそっとそれを懐にしまい、仲間たちのあとを追った。


「俺たちも……進まなきゃな」


風に吹かれながら、小さくそう呟いた。


その背中には、確かに一歩ずつ“覚悟”の重みが宿っていた。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

今回は、アオイたちの内面や絆に焦点を当てながら、次の転機となる“赤い焔”の謎を描きました。


少しずつ、でも確かに、彼らの世界は広がっています。

仲間と交わす言葉、過去の記憶、そしてこれから向き合う自分自身。


「強くなりたい」という想いは、きっとどこかで誰かの心にも響くものだと信じて──

また次回も、心を込めて書いていきます。


よかったら感想などお寄せいただけたら嬉しいです。

ではまた、次の話でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ