セヴィス夫妻が神界へ発った後の話③
サブタイトル「セヴィス夫妻が神界へ発った後の話③」
忙しい日々は漸く落ち着きを取り戻した。
暇を持て余した俺は―――――
「村長の所に行ってくる!」
「行ってらっしゃいませ」
そんな暇を持て余した自分は急ぎ足で領村の村長宅に足を運んでいた。
「おう、ボウズ!」
「コウマおじさん」
荷物を運んでいる所に偶然出くわした。
「村長!お久しぶりです!」
「やっ、カズキ。時期が早いと思ったけど・・・目途は建ったのか」
親子揃って荷馬車に次々と荷物を載せていくのをただ見ていた。
「丁度、向こうで事情が変わったんだ。父さんが従弟の手伝いをしに同居をね。それで早まってね」
「へ~、それでカズキが代わりに来たのか」
そうだ
「父さんとの古い友人だし、会いに行くかな~俺も」
「森を跨いだ隣の伯爵領だしな、父さんも良い?」
コウマおじさんが頷き
「代わりにカズキがセヴィス夫人に話を済ませておいてくれ」
「わかった!二人共気を付けて行ってね~!」
父さんが所有しているこの世界の殆どの森の――――大公爵領の周囲の森は魔の森と言われていて、とても危険な場所である。
ただ、セヴィス家以外での話な訳で。
暫く経って、やっと伯爵領に着いた。
「なんだ、思ったより静か」
「いやいや、ボウズが来るってもんで個々の人らは大人しいんだよ」
本来であれば喧嘩の絶えない領村らしい。んでもって領街内でも同じだそうだ。
「まっ、お触れを目立つ場所に張ればそらみんなビビって冷静になるな」
「至って普通の大公なんだけどなぁ~」
俺は苦笑いでそう誤魔化し、目的地の伯爵領に着いた。
「お待たせいたしました。お荷物はこちらが別荘へ運びます」
「うむ、遅く来た故―――こちらのお方も別荘に泊まらせるのでな。綺麗にしてあるか?」
二人が話をしていると――――奥から一人の老人が軽快に走って来た。
「来てくれたか!ボウズ!」
「おっ、お久しぶりです。どうしたんです?結構騒がしい事が起きたとカズキが言ってましたけど」
長生きで髪の毛がふっさふさなこの老人こそが――――エイジ元村長である。
「義兄さんに任されてから色々と頑張ったんだがな~、ウチの子が自棄に暴走気味でな」
「あ~、アイツが・・・判りました、絞めてきます」
その後、俺にコテンパンに締め上げられた次期伯爵領主は大人しくなったそうな。
次回「セヴィス夫妻が神界へ発った後の話④」です。
お楽しみ( ゜Д゜)<・・・?!




