バアルからの試練①~古代霊種の精霊神殿~
サブタイトル「バアルからの試練①~古代霊種の精霊神殿~」
バアル・セヴィスからの試練の日、当日――――
「世界の命運を掛けた試練か・・・期待が結構重たそうだが・・・大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、師匠。元は俺一人の大人として認めて貰える為の試験みたいなモノですから」
本来、師弟で挑むべき塔のダンジョンだが――――彼らの考えは変わっていた。
そう、オスカー・ヴェスピアの一人弟子であり、かの偉大なる神に最も近いとされる支配者のバアル・セヴィスただ一人に対して個人の意思で一人で挑む事になったのだ。
「そんじゃ、行ってきます。妻達に宜しく伝えて置いて下さい」
「あぁ、行って来い」
試練の塔であるダンジョンの最初の試練の間――――【精霊神殿】
「やぁ☆次期セヴィスの公爵クン!待ってたゼェ~☆」
「よろしくお願いします――――ムシュスファル殿!」
精霊神殿から疑似精霊の姿を模した魔物が数億程召喚された。
「グルルルオォンッ!」
「どれもSクラス以上か!面白れぇッ!!!」
流石と云うべきか否か――――彼の巧みに扱う多種の属性魔法により、次々と疑似精霊の魔物が圧倒的に倒されていく。
「うそぉんッ?!」
「ムシュスファル殿!サシの勝負、いざ――――ッ!」
そして彼はムシュスファルとの互角の戦いをする。
「くっそ~!魔力が桁違いすぎるぜぇ☆」
「もう音を上げるんですか?俺はまだまだ行けますよッ!」
彼はそう言って超が付く程の猛スピードで戦いが続く。
「俺は大切なものが多くありますッ!ムシュスファル殿はどういった大切なモノをお持ちですか?!」
「随分と・・・余裕のある質問じゃないの☆」
ムシュスファルは少し微笑み
「昔はあったさ、でも・・・今とは別だけどね☆」
「今の精霊たちの事です・・・ねッ!」
ムシュスファルは古代霊種の存在として精霊達の神様として崇められていた。
崇める事をあまり良しとせず、逆に精霊達は皆、家族だと教えを説き続けた。
「今とは違って・・・盟友と一緒にいた時の時代は―――精霊達にとって悲しみの方がおおきかったねぇ~」
「そんな事が・・・」
感傷もあったりする話ではあるが――――グリアは決して己の放つ魔法を止めない。
「それじゃ・・・・行きますッ!!!」
「ワ~オ・・・これは―――――」
グリア・セヴィスの放った魔法に驚き、そして―――――己の負けを認めた。
「君の・・・・勝ちだ☆」
最初の試練が終わり、ムシュスファルは己の魔法で次への扉を開ける。
「この先は俺よりも強い古代種がいるサ☆頑張りなッ」
「はいッ!有難うございました!」
グリア・セヴィスはそう言ってその場を離れて次の試練の間に足を踏み入れた。
「全く~、強く育ったじゃないの。かぁ~ッ、若いってい~ね~☆」
彼は満足そうにその塔を離れて行った。
次回「バアルからの試練②~古代人種の古代式大国~」です。
お楽しみ(」 ゜Д゜)」<ヨッシャ!キター!




