お互いを愛しているカップル古代種は恋愛見本②
サブタイトル「お互いを愛しているカップル古代種は恋愛見本②」
とあるイベント当日――――
『え~、今回は今年初めてのイベントと言う事で特別ゲストをお招きしました!古代種として有名であるナイトメア・スティア様と、メリアス・ハートフィーム様です!』
「「どうも~☆」」
今回のミニイベント、それは・・・コスプレパーティーである。
俺の元の世界の男女の男装や女装をベースに色々と組み上げたイベントになっている。
元の世界では未だに嫌う人は多くいる。
だが、この異世界ではどんな男女でも自分のジェンダーに悩む人を勇気を出して貰う為のイベントでもある。
「ステキでしょ~☆これね、実は―――」
「私達が盟友に教わって初めて作った自分達のオリジナル服なんだ~♥」
『バアル様が!?す、凄す過ぎる!?』
司会者の絶妙なトークと二人の古代種のトーク力に会場は大いに盛り上がった。
「俺、実は女性の服が気になって仕方なかったんだ・・・!」
「私は・・・男装服が美し過ぎて自分でも手に入れたいって思ってたの!!!」
「(どうやら順調だな)」
そしてお祭り形式でいろんな飲食の出店屋台が用意されていた。
「私が連れて行きましょうか?」
「よろしくお願いします♥」
「あそこはもう成立したな」
この世界も一時、男装や女装を趣味とする者に対して咋に嫌がる人はいたが――――俺の余計な一言の所為でそういった隠れ趣味な人達への価値観も180度変わっていった。
「それで、ワタシ達の盟友がその時、なんて言ったと思うか、会場に居らっしゃる皆さんはわかるかしらぁん?」
『おっとぉ?!難しい問題が出たぞ?!答えられる人は居るかぁ~?!』
「『そもそも否定する要素ないだろ?』って事ですかー?!」
男装貴族の女性がそう言うと、周囲も「それだ!」だとか「そう言ってたのを先祖が聞いてた気がするわ!!」とか結構客席側でも盛り上がった。
「ほ~、分かってるじゃないか!そう!ワタシ達の盟友は『そもそも、そんなので否定する要素ないだろ?』って言ったんだ!それで当時、異常性癖と揶揄された女性も男性も家族からやっと理解を得て貰ったと聞く!」
『そうおっしゃってたんですか?!ご本人が?!』
ウン、口に出してたね。
流石に。
確か、7百年前だったか――――その当時まで女装癖や男装癖が嫌われていた傾向があった。
そんな男女はそういった癖を受け入れていた。
だから俺はそう言った貴族達の前でこう言ったんだった。
「ほ~ん、で?」
「『で?』とおっしゃいましても・・・」
その時の俺は呆れて頭を掻く。
「あのなぁ~・・・そもそも、そんなので否定する要素ないだろ?」
「・・・・っ!」
俺は国王の立食パーティーでその貴族達の前でとある一言を言った。
「魔法が扱えないヤツはそれら以外での個性での才能がある様に・・・女装や男装なんかはソイツの心の性別が切っ掛けで目覚めたに過ぎないんだ。そう言う人達は俺からしたら其々の革命だと思ってんだよ」
俺は王女の隣に行き、聞いてみる。
「男性に自分の着ている服を褒めてくれると嬉しいだろ?」
「えぇ、嬉しく思います。それと同時に女性じゃなくても男性が自分の性別を気にしての女性服を美しいからと買うのも罪ではありませんもの。ジョーカー様がおっしゃっていた通りですわ」
こうして、考えを改めた貴族達へ髪の毛も多少の弄り次第で男女の姿に近づく事をお勧めした事もある。
『さて、皆様の食事も終えてお二人様のお食事も終えた所で――――最後にバアル様からお言葉を貰って終わりに致しましょう!!!』
「ど~もど~も皆さん。食事は済まされたかな?そっちはまだなの?あぁ、急がなくてもいいよ。この後も屋台はまだ残ってるから。あとは各自で買って持って帰るのも良いよ」
イベント終盤に差し掛かったタイミングで呼ばれた俺は会場の前で椅子に座ったまま、会場に来ている人達に向ける。
「人の心ってのはね。そう簡単に変えれるモノじゃないんだ。その心はその人の気持ちに繋がるからね。だからみんなはどんなに言われたって君達の意思を貫いて口に出すといい。そうすれば家族も知人も納得して受け入れてくれるさ。すべては君達の勇気ある発言だからね」
こうして、何も問題が起きる事がなく――――大成功を収めた。
次回「闘いの前の①」です。
お楽しみ(」・ω・)」<ワッショイワッショイ




