碧き煌めきの一族の巫女
サブタイトル「碧き煌めきの一族の巫女」
バアル・セヴィスが帰宅した後の数日後にて――――
「アンジェロ先生!どうでしょうか!」
「ふむ・・・良いお点前だな。腕を上げたようだ」
彼ら碧煌族は顔以外の身体の半身が機械で出来ていて電子の翼を持っている。
更にその翼は電子であるメリットの為、自由に出し入れが可能である。
「そうだ・・・アグネス様とのアレはどうなった?」
「あっ、はい!バアルさんの応急処置のお陰でしっかりと言語の理解と発声の定着までがスムーズに出来たそうで」
更にそれに加えて彼ら碧煌族と共に住むと言う事で電子の姿にもなれるのである。
「碧煌族特有の巫女衣装だとお聞きします。昔からずっとこの場所に巫女は居なかったんですか?」
「あぁ、バアル坊がこの世界に誕生して我らの祖先の仇を取るまで暫く時間が掛かった故にそこまで手が回らなかったからな」
そして彼ら碧煌族の願いである碧き煌めきの巫女の降臨を願っていた事がやっと成就したのである。
「それで選ばれたのが私なんですね」
「そー言う事だよ。巫女様」
買い物から戻って来たもう一人の碧煌族が荷物を下ろして整理を始めた。
「カムラさん、手伝います」
「おっ、助かるよ。他にも持って来た奴があってね。ソッチはデプス達に頼んであるから気にしないでね巫女様」
「豪い長かったな?それ程の長期的依頼だったか?」
アンジェロがそう聞くと、カムラは頷く。
「依頼先の結構ヤバイ面倒事に巻き込まれてね。やっと解決したって事で戻ってこれたんだ」
「バアル坊に任せたらそれでこそ逆に面倒になりそうだからな。今回ばかりは暫く休め」
「そうするよ」とカムラはそう言って荷物を片付けた後に自分の部屋に戻って行った。
「そう言えば・・・アンジェロ先生」
「ん?なんだ?」
彼ら碧煌族の巫女として頑張っている泉皐はとある質問を投げた。
「確かこの世界の冒険者みたく碧煌族の皆さんにも“二つ名”って持っているんですか?」
「うむ、あるぞ」
碧煌族の若き長であるアンジェロは電子の長アムンジェーロンと呼ばれている。
碧煌族の二番手であるデプスは電子の守護者デプシークスと呼ばれていて―――
碧煌族の三番手であるカムラは電子の影役者カミュラウトと呼ばれている。
「成程、皆それぞれ名前が変わるんですね?」
「うむ、人間で言う所の愛称として使っているからな。我々だけの場合は」
彼らは故に蒼天空団として現在もなお、活動している。
「後の二人はまだ長期依頼を終えてないだろうから一緒に掃除をしようか」
「はいっ!デプス様!お手伝いを!」
「うっし、あの二人の分もちゃちゃっとやっちゃいますか!」
一方で――――
「なぁ、相棒。聞いたか?」
「んー?何をー?」
森の変化を管理していた二人の碧煌族が居た。
「あのお嬢ちゃん、バアルの兄貴のお陰でちゃんと言葉が話せるようになったらしいよ」
「へ~、この依頼が終わって戻って来たら早速トークでもしておこうぜ」
片方の記録を記載しているのがビルム、もう片方の監視を担当しているのがバビロ。
彼ら二人も碧煌族の蒼天空団メンバー内で二つ名を所持している。
「で、どうだ?」
「おう、コッチ側も異常無し!後一か所だけだな」
彼らの優秀なスキルが利点となり、多くの依頼者から重宝されている。
「・・・よし、記録完了。移動するぞ」
「了解」
ビルムとバビロはその場を離れる前にとある罠を仕掛けた。
「バアルの兄貴に受信するように仕掛けたぞ」
「その事も含めて依頼人にそう伝えてこの一件はさっさと終えるか」
彼ら二人の請け負った依頼はまだまだ消化し切っていないのである。
次回「碧煌族と巫女の慰労会」です。
お楽しみ( 一一)<へっくし!




