過去編①:仲間
サブタイトル「過去編①:仲間」
魔人達を倒し終えた俺は次に魔王の用意された四天王と対峙する事になった。
「ふん、魔王様に仇を成す愚か者め」
「グラン、あの脳筋と勝負出来るか?」
「任せろ!闘神と呼ばれた俺様に敵う奴は居ねぇ!」
武闘派の魔族、四天王のオーガはグランが相手になった。
「あら、可愛いお嬢さんじゃない。アナタみたいな子、嫌いじゃないわ♡」
「私はアンタみたいな魔族は嫌いよ」
「カナン、リムとやれるか?」
「分かったわ!」
初代大聖女であるカナン―――のちのラピスの転生前の姿である。
そんな別の世界から来て戸惑いはなかった彼女は心強い。
彼女と同じリムも別世界から来た転移者。
二人に四天王の一人であるサキュバスのラデッサに対して任せて問題無かった。
「ふむ・・・では私はそこのアナタと勝負をしますかね」
「(魔王の宰相か・・・)良いぜ、掛かってきな」
「ジョーカー、そっちは任せた!」
そして俺は魔族の宰相ディム・グリデモアと勝負をする事になり
「剣を扱う貴様を・・・見極めさせてもらうぞ、勇者」
「あぁ、やってやるよ」
剣を扱う魔族四天王の一人ザラドーとカズトが勝負をする事になった。
因みにグランと俺以外は全員転移者である。
「オラオラオラオラオラァ!どうしたどうした?!闘神サマよォ!!!圧し潰されるぞォ~?」
「・・・へっ、ここだァッ!!」
グランは相手から受けるダメージを蓄積し、その蓄積した分より倍のダメージをぶつける【闘神の拳】と言うスキルを持っている為、幾らダメージを受けてもそのダメージ事態は逆に相手が受ける事になる。
事前に俺も体験したが、魔法や剣戟でもその分以上のダメージの返しが来たことで証明された。
「がはっ!?」
「俺のダメージは拳に集約して一撃がアンタに叩き込める程の深手になったからな。あまり俺自体ににダメージは効かんのよ。じゃあな」
四天王の一人であるオーガは敗北して消滅した。
「ふむ、もしや私の魔法でも無意味ですかね?」
「あぁ、戦う相手が俺で良かったな?この俺でもアイツの一撃で瀕死になりかけたぜ」
最恐の大賢者とも恐れられていた俺でさえ回復魔法で完治するまで一ヵ月は掛かった。
「完全・・・」
「勝利ですッ!」
「そんな・・・ワタシガ・・・マケ・・・ル、ナンテ―――」
バフとデバフは多重に掛け過ぎると体に負担が掛かり過ぎて死にかける事がある。
彼女達はそのうちのデバフの重ね掛けを相手のラデッサに対して掛け続けた結果、勝利した。
「よっ、回復頼むわ」
「分かりました」
「しかしまぁ~デバフの反転はズルこかったわ~、お陰でこっちが耐え忍ぶのに結構時間費やしちゃったわ」
勝利を予想した状況が反転して魔族側が焦り始めた。
「なかなかの腕だな貴様らは(あの反転のラデッサまでやられるとは・・・っ)」
「どうした?剣が上振れているぞ」
残るは俺とカズトの二人。
他の3人は今まで培ってきたスキルの応用を利用して俺とカズトにバフを掛けてきた。
「ジョーカーに教えてもらったやつのオリジナルをやってやったぜ!決めて来い!!!」
「「やっちゃえ~!!!」」
俺とカズトは笑い
「「任せろ!!!」」
状況が更に変わり、相手を圧し進めれた。
「くっ・・・?!宰相殿!奴ら強すぎる!!撤退指示を!」
「それが出来ていたらやっている!!!ぐぉっ?!」
「逃がす訳ないだろ?お前等に対して・・・ジョーカーは【先手先の神眼】でお前らが行動するよりも先に次のスキル【監獄】を発動してんだよ」
「流石、勇者♪俺の事を分かってる~♪」
そして俺はカズトに重火力と俊敏を上げ続ける魔法を重ね掛けして
「ブチかませ!」
「任せろ・・・・オラァァァァァァッ!【魁の一撃】」
「ギャアァァァァァッ?!」
カズトの一撃必殺を受けたザラドーは所持していた魔剣と共に消滅した。
「くっ・・・そんな馬鹿な――――」
「あんまり・・・俺らをナメんな♪」
俺は至近距離で魔法を放ち――――
「申し訳・・・ありません。魔王様―――――」
「・・・」
俺はその場で少し休憩を取り
「はぁ~、疲れた!休憩だ!休憩!」
「そうだな、そうしよう」
こうして、魔族四天王との戦いは勝利を収めた。
次回「過去編②:裏計画」です。
お楽しみに(;'∀')<わ~お




