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今の時代に馴染む魔王と娯楽都市に来たバアルの転生前の姉

サブタイトル「今の時代に馴染む魔王と娯楽都市に来たバアルの転生前の姉」

「これがタバコですか~!人間である男の憧れ!!」

「んでもって子供に悪影響にもなる代物だから中々吸えないんだよねぇ~」

「だから喫煙所をバアル様が作ってくれたんだ」


バアルがその場を任せて去った後の彼らはより一層仕事を励んでいた。


「ふむ、彼奴(あやつ)に任せて正解だったかもしれんな・・・」

「そいやぁ気難しい国から来たんだって?」


従業員は彼の素性を知らずに普通に接していた。

そんな彼らに対して罪悪感を持っていた魔王はちゃんと話しておく事が出来るまで暫く日を置いている。


「・・・ですね。実は俺、未来を予知してまして・・・それでヤンチャして無茶をしまして」

「そうかそうか!今は真面目に働くんだから過去の事は置いておくんだな!」


魔王は彼らと一緒のその場の会話の空気がいつも和んでいて心地良く感じていた。


すると、国王が彼らの元へ来た。


「ヴィア君を借りても良いかね?」

「陛下?!どーぞどーぞ!」

「んじゃ、先輩方、行って来ますね」

「おう!行って来な!社長には俺達が後で言っとくから!」


そして国王ディゼルバルの私室に着いて茶菓子をメイドが用意してから捌けて行き――――


「・・・それで我に何か用なのか?ディゼルバル娯楽国王」

「あぁ、バアル様から連絡があってな。バアル様の元居た世界でのご家族がこの世界に転移してきたらしくてな。暫く面倒を見ていたらしいんだ」


そしてディゼルバル国王は本題を切り出す。


「ふむ、それと我に何の関係が・・・」

「バアル様の血縁でもあるその御方にこの国で働かせてほしいとの連絡を受けてな。元々は遊技場で職を全うした経験の持ち主だと聞く。頼めるか?」


魔王は「成程」と言い


「我もまだ日が浅い程度。経験者と一緒に教えて教わりを得ると言う事か。分かった。引き受けよう」

「それでは私の方から連絡を入れる。その間に迎える準備をしておいてくれ」


暫く経って――――


「今日からよろしくお願いします」

「おーう!よろしくなー!」

「先輩、今から別の仕事場に連れて行くんで何かあれば念話でお願いします」

「分かった。行ってこい」


バアル・セヴィス改め御神天魔の実の姉である御神天芽は魔王に尋ねる。


「私の弟があの姿になってる原因、実は私や私の家族が原因なんです」

「む?そうなのか?」


彼女は頷く。


元は彼氏が居て同棲しながら会社で働いていたが、何者かが会社の不正を告発したらしく、彼女は巻き込まれて会社をクビになった事がある。

実の弟が生きていた時は病気になるまでコキ使い、そして実の親から愛情の差を実感していた。


「ただ・・・自分の行いが全ての間違いだったと言うのを気付くのが遅かったんです」

「そうか・・・仲直りは?」


彼女は仲直りは出来たものの、ぎこちない空間を苦痛に思うほどに沈黙が続くらしい。


「まだまだ関係修復は山のように聳え立つ。ゆっくりと進んで行けば彼奴も自ずと心を開くだろ」

「そう・・・ですよね」


彼女は実の弟が居なくなり、勤めていた職場も失った事がトリガーとなり、実の親から酷い仕打ちを受けながらカジノに似た大人の遊び場で大人っぽさが際立つ格好をしながら客の相手をしたらしい。


「でも結局、今の私はここに来るまでただただ苦労をしてばかりです」

「ふむ、この世界に来てからいつもとは違って本当の己自身に生まれ変わって人との大切な交流も増えた。十分に進歩していると思うぞ?」


魔王に歩み寄られた彼女は感動し


「私、この世界での新たな生活に馴染むように頑張りますね!ヴィアさん!」

「うむ」


こうして、二人の関係がより一層に深まった。


「ん~?今なんて~?」

「アマメさん、魔王さんとお付き合いする事になったそうよ?」


一か月が過ぎた今日この頃―――


「・・・なっ、ナンダッテ?!あの姉さんが?!男に対してだらしないとか聞いた事があったあの姉さんが?!」

「元の世界で一体何があったのよ・・・」


実の姉の変化に驚く俺に困惑するラピスであった。


一方で―――――


「ここはいったい・・・どこだ?」


一人の男が異世界に似つかわしく無い格好のままとある森に突然現れた。


「おや、もしかして迷い人かね?」

「あっ、どうも」


偶然通りかかった行商に拾われていった。

次回「裏切った者と裏切られた者の再会」です。

お楽しみに(´・ω・`)え?マジ?

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