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君らなりのやり方を

サブタイトル「君らなりのやり方を」

「研修会の結果発表が掲示板に掲載されています。ご確認を」

「おっ、もうか。アイツ等は厳しく判断したんだよな?」


俺の返事にスフィアは頷く。


あの研修会から次の日の今日、研修会の会場である【五光星(ペンタグラム)】に再び足を運んだ。


今日が新人冒険者の免許取得による研修会の結果発表だからだ。


「よっ、今回はどうだった?三人共」

「ジョーカー様、私の所は曖昧でしたね。仲間に頼ってるのは及第点として・・・数人程無理に進んでしまうタチがあるようで」


そう言うのは【月光ノ夜行旅団ナイトメア・パーティー】の主軸を担う人間族の女剣聖アリアドネ。


平民だが実力を貴族に買って貰い、一時期に傭兵団に入った事のある女剣聖だ。


「俺の所はまぁまぁかねぇ~、まぁ直す箇所は自身で気付いてくれてるだろうから取得は可能だな」

「成程な、ヴェンの所はそれなりに頑張ってたみたいだったけどいい判断だ」


俺の言葉に頷く青年は魔導明冥王ヴェン・ヴァッハ。


ヴァッハ家から俺に直接預けられた魔導師の申し子で、秘書であるスフィアの次に強いとされている。


彼のご両親は彼に俺の最古参であるクランを勧めた話まである。


「イクス、お前の所は確か・・・例の期待の冒険者を交えてのだったな?」

「えぇ、彼の言葉の一つ一つは説得力がありましてね。彼の居たC班は殆ど彼等のちゃんとしたチームワークで無傷生還です」


最後に俺が聞いた長髪執事はイクス・フロー。


辺境伯の出自があるが辺境伯は勉強家で自分の息子である彼に色々と教え込む為に様々な職を経験させているらしい。


お陰で通ったあだ名が【神の手イクス】と呼ばれている。


「さてと、ご苦労さん。後は俺が発表するだけだからここで解散な」


俺の指示に従い、彼等はその場で解散した。


支部長の下へ行き


「ペッシュ君、君はどう見えた?」

「ん?あぁ、彼等と同じだよ。だがまぁ・・・こうも差が結構開く程の成長が垣間見られるとはな」


支部長であるペッシュはそう言って溜息を吐く。


彼の話を聞いた後、俺は壇上に上がり


「そんじゃあ各班での成績を発表する。この発表で不満を持っている奴も居るだろうけど・・・んなもん人に八つ当たりしたって意味ねぇさ。また次回、起死回生を狙って行動を共にすれば問題無い。んじゃ発表するぞ~」


俺がそう言うと同時にギルドの職員らが一斉に各班の成績が記されている紙を掲示板に大々的に貼る。


「先ず、B班!君らは多人数でありながら間違いも起していたがその間違いを気づいてしっかり修正する事が出来ていた。そこも及第点に入るし、君らの絆は確認出来た。よって証となる正規冒険者用のチップを配布する。ネックレスにしてあるから各個人で受付から受け取る様に!」

「よくやったぞ~!ボウズ共~!」


別席で彼等の先輩にあたる中年の冒険者達も酔いつつ祝ってくれている。


そして次の発表に入る。


「んで、次。こりゃー俺も驚いたよ。期待以上でな?・・・・C班!君らはお互いの弱点をお互いにカバーしあい、手助けし、さらには連携も手助けも全てカンペキだった!よって・・・銀級の専用カードを配布する!君等は君等なりのやり方をお互いの意識した行動でする事を忘れない様に!」


一位となったC班はお互いに握手をしたり、腕を組んで喜んでいたりした。


まぁ、このような結果に納得する仮の冒険者は居る筈も無く


「・・・・ざっけんな!何で俺様がよりによって庶民集団なんかに劣るんだ!!」

「おっ、おま、バカッ!」


貴族の出らしき男の冒険者が知り合いであろう別の貴族の男の冒険者に止められる。


「馬鹿野郎!お前は相手を見てから言えよ!お前が喧嘩売ってんのは史上最恐と言われている元冒険者なんだぞっ?!」


どうやら牙をむいている先程の貴族の彼以外のみまともだな


「んじゃ、後は任せるよ――――」

「・・・!あぁ、分かった」


俺は支部長であるペッシュに耳打ちをしてから会場を出る。


―――ジョーカーがギルド支部【五光星(ペンタグラム)】を出てからの事。


A班以外の班の冒険者は個人で言われたものを受け取った後にそれぞれクランハウスに戻る。


残ったA班は貴族同士の言い争いがある中―――一人の男が青年に声を掛ける。


「君は我が国の第三王子だな?」

「・・・!」


支部長ペッシュ・ローレンは人差し指を口にして彼を制す。


「王子、貴方に頼みたい事がある。貴族である彼は腹いせに先程の合格した冒険者達に復讐するつもりだ。だから――――」

「分かっています。己の結果を踏まえて信頼の置ける宰相に話を通しておきます」


その場で二人は分かれ、ギルドの職員は貴族達の親御さんに連絡を入れる始末となった。


後日、騒ぎを起こす程の事件を起こした貴族の青年を含む彼が雇った暗殺者らしき人物はジョーカーの最古参とされるクランに入った新人冒険者一人によって撲滅され、騎士団によって捕まり連行されるのであった。

次回「よくあるテンプレの令嬢」です。

お楽しみに~('ω')ナニシヨウカナ?

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