弟が来た!~セヴィス家の継承する魔法①~
サブタイトル「弟が来た!~セヴィス家の継承する魔法①~」
息子が生まれて五年程は経ち――――
養子である子等にも子供が生まれたとの報告を聞いた。
そしてさらに――――
「やぁ、兄さん。帰って来たよ~」
「おう、お帰り~」
「ベイル叔父さ~ん!」
今現在、息子は六歳児。
自分から手伝いたいと買って出てくれたので、領民とのコミュニケーションを通わせる為に土いじりをしていた。
そんなタイミングで弟が返ってきた。
「よっ、甥っ子。逞しくなったな~」
「自分で魔法も剣技も武術も独自で覚えたからね」
「ウチの息子は凄いぞ、ベイル。俺を超える逸材かもしれん」
小声で息子の事を弟のベイルに教える。
因みにベイルの名前を息子のグリアが知っているのは――――俺が時折に息子へ弟の手紙を見せてるからである。
「兄さん、子育ての話は聞いたよ。俺も俺の嫁も苦労してね」
「だと思った。奥さんと姪ももう中に入ってるだろ?俺らも行くぞ」
「僕も行く~!トパーズに会いたい!」
弟と息子と一緒に屋敷の中に戻り、土いじりに使っていた恰好とはまた別の格好に魔法で変える。
「お帰りなさい。グリアの畑はどうでした?アナタ」
「あぁ、グリアが懸命に水やりとかをやっているお陰で結構いい品質になってるぞ」
息子自ら“家庭菜園をしたい!”と庭師と話をしていたので使われなくなった花壇の一画を息子が自分から野菜を育てる用に魔法でイチから花壇と肥料を作り直した。
素材からコマメに作り直すとか元居た所でもそこまでは流石にしなかったからびっくりした。
「グリア従兄様~♥」
「トパーズ、元気にしてた?」
俺と弟の子等はまさしく天使だな、ウン。
「元気にしてましたわ!従兄様はどうでした?」
「僕もだよ!料理長の作る料理はぜーんぶっ美味しいんだ!」
「(そいやぁ~アイツも結構張り切ってご飯作ってたな~・・・ん?)」
微かだが声のする方に目をやる。
めっちゃウチのシェフ感動泣きしてるんですが?!
「私もシェフの料理を見て学んでるです!」
「おっ、そうなの?サファイア」
「えぇ、義兄様。あの子、自分の将来を見据えているかもしれません」
まだ一歳差だよね!?賢くないか?!
そう、弟の嫁は―――サファイア・フォンスター。
教皇を引退して身を寄せておこうと旅をしたらしく、旅先で弟と出会って俺とラピスの結婚式当日に同日に結婚をしたらしい。
何回目の説明だろうか・・・まぁいいや
「そう言えば・・・私も皆と一緒にやりたくて料理を始めてみたの。サファの方はどう?」
「私もです!娘の怪我を心配したので私もイチ大人として娘の手本になりたいので使用人達と料理したりの時間が増えて毎日が楽しいんです」
サファがそう笑顔言う。
そして色々と話をしていると――――
「旦那様ァー!」
「うおっ?!どうした?!」
玄関先の方で執事の一人が指していたので玄関へ向かう。
すると―――――
「んな・・・っ?!」
「見ない隙にお二人が狩りまで血を浴びずに綺麗に血抜きをしながらこちらへ」
「お父さんみてー!イノシシッ!」
「おとーさんっ!」
「ファッ!?」
俺の後に来たベイルも自分の娘の果敢な姿と一回り大きい魔物を狩っていた事でビビっていた。
「・・・なぁ、ベイル」
「・・・わかっているよ、兄さん」
俺と弟は壁にもたれかかって
「「子育て以前に子供が優秀過ぎる」」
白くなっていた。
そして、その息子達が狩っていた二頭の魔物はしっかりと鍋物にして全員で食べたのであった。
次回「弟が来た!~セヴィス家の継承する魔法②~」です。
お楽しみに~(´-`).。oO(パソコンの状態がやべぇ・・・)




