ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体②
サブタイトル「ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体②」
休憩を終えて再び王族が集まる。
「さて、休憩を終えたが・・・誰か質問はあるか?」
「あの~・・・私から良いですか?」
アトラ商業国の姫君が手を挙げる。
彼女は手を降ろして俺に質問して来た。
「ジョーカー様の故郷を襲った原因って・・・もしかして当代の魔王が?」
「あぁ、魔王が諸島各国に魔物を放ったり・・・上位魔族を使って嗾けたりして来たのは事実だ」
現に今の魔王とその配下達はこの場に呼んだが遠慮をされた。
初代魔王の影響で今もなお様々な物資の交渉を魔王自ら出向いてやる事がある。
「・・・あの、それじゃあ―――初代勇者と出会ったのは・・・故郷の島が滅んで以降になるのですか?」
「あぁ、その通りだ」
申し訳ないように手を挙げて俺に聞いて来た。
俺は肯定し続け様に
「初代勇者・・・俺とは違ってこの世界に転移して来たカズトは愛想の良い好青年でな、アイツが居なけりゃ今の初代勇者パーティーは無かったかもな」
「成程・・・今のお弟子様の代では未だに蔓延る強大な力を持った魔物を討伐している事があるが・・・血筋か」
さて、続きを切り出すか
「それじゃあ・・・続きを話そうか」
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弟と一緒に父さん達を探した。
屋敷には無残な姿で倒れていた執事やメイド達が血を流して横たわっていたんだ。
「兄さん!父さんと母さんがッ!!!」
「見つかったか?!」
弟が見つけた時は父さんだけまだ瀕死の状態だったが・・・喋れる程は息をしていた。
「___、それと___。お前達は・・・っ、差別さえもしない国に逃げるんだ・・・ッ。私の古い知り合いにここに来るよう伝えた。ハァ・・・ハァ・・・、お前達はその国で生き延びろ・・・っ!!!」
「――――父さん・・・?父さんッ!父さんッ!!」
父さんは力尽きて冷たくなっていた。
それからその精霊も探したが・・・結局見つからず亡くなった人達を小さかった手で弟と一生懸命墓を作って一週間程亡くなった大人全員の埋葬が終わった。
「これは・・・」
「おじさん・・・」
その場にやって来たのは―――俺が養子を引き取る時にお世話になった孤児院の初代医院長だった。
その人はその場を見て察したのか
「子供達は皆、人間に攫われたのか・・・」
「・・・うん」
おじさんは俺や弟を強く抱きしめて代わりに泣いてくれた。
俺や弟はもう涙が流れ切ったからな
「――――よし、私の伝手でその精霊さんや攫われた子供等の事をやっておく。お前達二人は私の経営している孤児院に住みなさい。あそこは色んな子達を受け入れているからな!」
「グス・・・ッ。ありがとうおじちゃんっ!」
その日から俺や弟は実力を上げる為に死ぬ気で修行を始めた。
故郷に戻って医院長と一緒に瓦礫の撤去なんかをやって更地にして木々を植えた。
そのお陰か・・・その森は今でも精霊が住み着いているんだ。
「―――兄さん、院長。俺・・・旅に出るよ」
「そうか・・・」
「お前は俺より賢くて強いからな!頑張れよ!」
弟が十四歳になった時、俺の代わりに迫害を受けている多種族を保護する活動をしに一足先に旅に出た。
俺が周囲の魔物を一人で片付けるようになった時からアイツは・・・
「院長、どうしたんですか?」
「んー?・・・私の知り合いのこの国の王がな、勇者を招き入れて魔王の討伐に出すらしいんだ」
その日はいつも通り森で修行をしてたら――――アイツが・・・カズトが来た。
「よっ、おめぇ~強いな」
「ん?いや、これ程じゃあないさ。君か?噂の勇者っての」
頭で言った通りそいつは好青年な印象を持った奴だった。
俺の過去を聞いてそれでもなお、俺を仲間に入れてくれたんだ。
「―――でさぁ~俺、王族の姫様と結婚とか苦手なのよ」
「マジかよ!?やっぱ異界から来た勇者は印象が違うのな?」
「いや、それ関係無しに俺からしても苦手な印象を持つぞ、ありゃ」
俺の過去を受け入れてくれる仲間も出来てそして確実に強くなり・・・魔王を倒して同盟を結んだ。
まぁ魔王は俺が居たからこそ勇者パーティーを受け入れたんだ。
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「それから魔王は・・・自分の先祖がやらかした全てを迫害されながらも必死に努力を積み重ねたんだ」
「そう言えば・・・初代勇者様は結局公爵家に嫁がれたんですよね?」
俺は苦笑いで頷き
「ま~なんだ。その当時の公爵家のお嬢さん結構グイグイ行くタイプの人でな。俺が信用を置ける商家の侯爵令嬢はそのさっき言った公爵家の令嬢の従姉妹に当るんだよ」
「そうなんですか!?」
今世の影の勇者とリティア嬢は遠縁の家系に当る。
お互いに利益のある関係を持っているらしいのは聞いていた。
次回「ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体③」です。
お楽しみに~(;・∀・)アチー




