ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体①
サブタイトル「ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体①」
「父上、他の国々の王太子やら王女達がいらっしゃるんですが・・・何が始まるんですか?」
「うむ、これは・・・我等が御使いでもあるジョーカー様による話だ。この事については・・・冒険者達や勇者に対しては秘匿とされているのだよ」
とある場所の大広間にて、各国の代表の王族がズラリと居た。
そんな場所に、一人の男が現れた。
そう――――
「よっ、皆集まったようだな」
「お仕事お疲れ様です。ジョーカー様」
各国の国王達は俺に一礼する。
王子王女達も彼等の親に添って一礼する。
彼等の顔を上げさせ、俺はとある話を切り出す。
「・・・これから皆に―――いや、次期王となる若い君達に重要な事を話す。これは・・・王族だけではなく貴族や平民達に・・・それと冒険者達にとって運命を左右する事になる。その為に君等をこの屋敷に招待した」
俺は転生者である事を告げ、重要な事を話す。
将来の為に。
「そうだな・・・もうだいぶ昔の話だ。俺が初めてこの世界に転生による生を享けて誕生した時、その時代は既に天使や悪魔達による楽園が出来上がっていた」
「天使や悪魔・・・?」
俺が出したキーワードに疑問を持つ王子が居た。その王子の親である国王が答える。
「我等の先祖が戦争を起し、滅ぼして地図にも抹消された孤島があるんだ。それが―――楽園島と呼ばれていてな。その当時は天使や悪魔と言った使徒や魔族の生みの親が存在していたのだ」
俺は頷き
「そう。誰にも邪魔をされず、境界を絶ち・・・そしてその二大種族の長夫婦の間で俺は生れたんだ」
話を続ける。
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「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」
「旦那様!奥様!生まれましたよ!お二人の子です!」
一人の男の子が生まれた。
天使と悪魔の魔力と力と命を継ぎ、その子供の親は大喜びした。
「よく頑張った!後は私に任せてくれ、_____」
「えぇ、アナタ」
二人は子供が無事に生まれた事に安堵し、その日はお祭り騒ぎとなった。
その日から約一年が経ち、第二子の予兆が現れ始めた。
「男の子?!女の子?!」
「落ち着けって___。そんなんで話しかけたらお前さんの親に負担が掛かるぞ」
「まぁまぁ、___。息子をお願いね」
当時、俺の相棒として俺の中に無限にある魔力で誕生した精霊と共に行動をしていた。
「しかしまぁ~・・・お前、まだ一歳の赤ん坊なのに流暢だな」
「いや~、だって前世の自分の生活が悲惨だったからさ、この世界に生まれて幸運だよ」
そんなウキウキな俺にその精霊は呆れていた。
まぁ、普通に考えて一歳で言葉を理解して大人の様に喋って子供のように振る舞う様なのは俺以外有り得ないよな
「んで、お前のそのスキルで何か分かったのか?」
「ん?先見じゃないからあれだけどすでに先を見てるよ。どうやら弟が生まれるっぽい」
幼少時代に俺の能力はそう言った秘密の為にスキルを活用していた。
そしてさらに一年――――俺が一歳の時に生まれた弟は俺が二歳で弟が一歳の時だ。
そこから後三年程家族団らんと過ごしていた。
だが、それ以上は長続きしなかったのだ。
「ねぇねぇ!兄さん!これ作ってみたよ!」
「凄い!!」
「ほぉ~、___は魔力の質が良いから何でも作れるな」
後三年が経ち、俺が五歳で弟が四歳の時だった。
その日はいつも通り秘密基地で遊んでいた。
「ん~・・・」
「どうしたの?」
何か違和感を感じていた精霊に対して俺は話しかけた。
「どうしたの?」
「ん?いや、外が妙に騒がしくてさ」
その時は既に冒険者が楽園島を襲撃していたなんて思っても居なかった。
余計に心配していた精霊は遊んでいる俺と弟の代わりに地上へ様子を見に行った。
彼の帰りの遅さに俺と弟は退屈していた。
「兄さん、遅いね___君」
「だね~」
弟がそう言っていた事で不安を頭に過ぎっていたが・・・その不安が的中してしまった。
あまりにも帰りが遅いから弟と二人で地上に出たんだ。
だが、悲惨な光景を目にしてしまったんだ。
「そんな・・・!村が!!兄さん!!」
「___!お父さんとお母さんの元に行こう!」
二人の安否が心配だったのと、精霊を探しに辺りを見回った―――――――
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「「「・・・・・・」」」
その場の二組の国王が黙って俯いていた。
そう、その時の襲撃した国がその二大国だからである。
その二つの国は後に戦争で多大な被害を齎している。
「あー、しんみりしちまったな・・・少し休憩を入れるか!」
「あっ、私の侍女にお菓子と飲み物を用意させました!皆様、良ければどうぞお召しになって」
その場で淀んだ空気を変えるかの如く他の国の王女達はメイド達に指示を出してその場でお菓子やお茶などを人数分用意していた。
次回「ジョーカー、家族を作る切っ掛けとジョーカーの正体②」です。
お楽しみに~('ω')雨かぁ~




