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オスカー、竜王に挑む

サブタイトル「オスカー、竜王(ドラグーン)に挑む」

「小僧!まぁた貴様かッ!」

「オッスオッス!元気にしてるか顔を見に来たよん」


ジョーカーとオスカーが来たのは龍堂山脈の頂上。

数多くの竜人や多種の龍の血統者などが住まう場所である。

時折にそう言った最強と称される種族に弟子入りしに来る人間が後を絶たない。


「大体小僧の修行科目が厳し過ぎて追い付かん儂の弟子も死にかけたんだぞ!!」

「(一体どんな修行をしてたんだ・・・)」

『(考えるだけで無駄だろ)』

「俺はもう十分強くなりすぎたし、今回は俺じゃ無くてコイツにじっちゃん達と勝負(ガチンコ)して欲しいのよ」


何故、その話になっているのかと言うと―――――数日前の事。


「竜王って・・・神に唯一好奇心で挑んだって言う長寿種族のウチのあの?」

「そーそー。そんな伝説を他国でも噂になっててね~、大昔のまだ若い時に修行名目で弟子入りに入ったのよ。その時はまだ養子とか引き取る前のドロドロな戦争時代だったからな~」


そして、その竜王が抱える弟子達に全力勝負してみないか?と言う事である。

場面は戻り――――


「・・・ほう?珍しいモンを連れて来たのだな?」

「おうよ!コイツの力にじっちゃんの今の門下生も興味持つぜ?」


竜王ドラグーンは彼をじっと細目で見て――――頷き


「うむ、小僧とは違って理解を持って鍛えそうだな・・・良かろう。お前達!!!」

「先生!御呼びですか?」

「師匠、早速修行ですか?」

「ドラグーン様、如何なさいました?」


突如、二人の前に様々な格好をした竜人や竜そのものの姿をした者達が現れた。


「この小僧の弟子をお前達が儂から学んだようにコヤツに付けさせてやってやれ」

「畏まりました。では(わたくし)めから」


竜人の執事である骸骨格龍ダイタロスが前に出る。


「・・・空を使った修行ですか?」

「それも良いですが・・・それだとあなたが飛行系の魔法を覚えないといけませんしそもそもかなりの魔力量を消費するので陸地で執事である私らしいやり方の修行で身に着けて貰います」


二人は早速修行となる土地へ向かって行った。


傍らで――――


「で、あの若造の影は・・・」

「あー、アレな。勇者のもうひとりの人格だと思う」


二人の修行中を余所に食事を代わりに俺が用意していた。


「ジョーカー殿の作る料理はどれも美味ですな」

「だろだろ?いやぁ~、転生前から自炊を頑張った甲斐があったよ」


鎧を着た竜人である竜人騎士の緑命龍バルバロからそう褒められた。

作った甲斐があったな~マジで


「ふむ・・・お主は仲間がいたからこそ、あの当代の魔王を倒せたのだよな?」

「そうそう、そん時もじっちゃん達は知ってるだろ?あの時の勇者も彼と同じ裏の人格の“影”が居た事を」


俺がそう言うと、その場の三人は頷く。


「あの時、神々からこっそりと聞いた話をふと思い出すな~・・・」

「アレだろ?『裏の人格を備えてこそ、自身の人生を自分でしっかりと見極めて定める』っての」


そう、俺が唯一で“仲間”だと思える当時の勇者でさえも俺のその時のスキルを使って先を見通したからこそ勇者を陰ながら支えた。

その勇者も彼みたく、周りに頼り、頼られそして成長していった。


「儂も挑んだ事があるが・・・流石の勇者よ。負けた儂でさえ手を差し伸べて来たのだからな」

「だな~」

「先生、その話詳しく」

「私にも」


久し振りに竜王ドラグーンのじっちゃんとの昔話を話し始めた。


一時間後――――


「それじゃあ今までの勇者が我々に味方になってくれたのは・・・」

「その時の短命である人間達の暴動に気付いたって事ですね・・・」


確かに今まで召喚されてきた勇者達は今まで人間達の為に動いて来た訳では無く世界を知る為に動いて来たのが殆どである。

だからか、俺があの時滅ぼしかけた一時の出来事の後から今までは勇者召喚なんてのはしてこなかった。


「彼の場合、アグネス様から連絡を受けた時に『勇者が一人あなたの元へ訪れます』ってのを言ってたからな~・・・アイツの血筋がまだ残ってて良かったよ」

「ふむ、確かにあの小僧の雰囲気はあったな・・・なんと言うんだったか?先祖返りだったかな?」


そう、俺が今まで言って来なかったのはその現在の勇者と称されるその彼が―――大昔、初めてこの世界に転生して勇者のメンバーに入った時に居た勇者の面影そのものだ。


「確かヴェスピア家は初代はアルス家で五十代目からフォトム家、百五十代目からはアズビー家と初代の勇者から受け継がれてきた当家から生まれた子供が別家で嫁いでその嫁ぎ先で別勇者と結婚―――その繰り返しで千代目である彼、ヴェスピア家でしたっけ?先生」

「うむ、時系列を事細かく言えば多くの貴族が関わっている。新たな貴族家が数千と増えればそれもまた今のわっぱの血を継いだ返りの子が生まれるじゃろ」


「確かに!」とその場に居る皆で笑う。

暫く経ったのか―――二人が戻って来た。


「実力としては及第点でしたよ」

「おっ、マジか」


その日は一日泊まる事になり、翌朝――――


「次は私の出番ですね・・・武器は?」

「一応、鋼の剣を・・・」


俺がその鋼の剣について取り敢えず話をした。


「成程、鍛冶師にも向いていると言う訳か」

「ああいった武器が世の中に出回ったら戦争しようにも双方が強すぎて誰も死なない結果にはなりますな、ジョーカー様」

「でしょでしょ?」


因みに先日の修行について、ダイタロスは遠方にまだ生息していた魔物を一度にまとめて魔法で討伐をすると言ったものだった。


「で、バルバロの修行はどんなものだ?」

「麓に騎士団の本部があるのは知ってますよね?」


竜人などを含む竜の血統者達が居る騎士団は空での活動もそうだが地上での活動も一環らしく、地上に近い麓にある街の一角に騎士団の本部がある。


「騎士団との実力勝負か?」

「えぇ、バルはそれ位しか修行方法が無いので」


竜族の四足土竜ビルジャがそう言う。


「んで・・・ビルジャはどんな修行を付けてくれるんだ?」

「そうですね・・・私はその時になったら言いますよ」


彼はそう言って微笑む。


「おっ、騎士団が一斉に飛び出したな」

「みたいですね・・・・おや、念話で念話が来ました」


どうやら騎士団が出動する程の事態が起きたようだ。


「オスカーに頑張って貰うか」

次回「オスカーVS封印されていた蛇竜アナコンダ」です。

お楽しみに~(;^ω^)ヘッ、ヘェ~

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