大賢者、弟子を取る
サブタイトル「大賢者、弟子を取る」
「ん?俺に弟子入りしたい?」
「ハイッ!クランリーダーから先生の指導で有名になった英雄達が居ると聞いて!」
俺の目の前に居る彼はオスカー・ヴェスピア。
ヴェスピア家の中でも誇り高き支援者である。
「ふむ、支援魔法以外にも憶えたいと?」
「父上も先生の著書を見て若い頃から厳しい訓練も耐え抜いて来た猛者と言っていまして」
で、その成果に支援魔法と多岐に渉る魔法や剣技など様々な組み合わせを行って来たと言う。
「ほぉ~・・・わかった。まずは俺から教えを受ける前に俺の子等に連続で一本勝ちしたら弟子にしてやるよ」
「本当ですか?!分かりました!」
そして、オスカーから話を聞いたスフィアはジジイに連絡を入れたらしく――――
元精霊王の作った闘技場が出来た。
そんな闘技場に貴族や平民などの一般客や今居る国の王太子御兄妹、さらには月光ノ夜行旅団クランメンバーやギルド総合支配者などが集まっている。
「ボウズ!今日は本気でかかって来いよ!」
「ウッス!宜しくお願いします!」
グッスはそう言って片手で軽々と千トンもある大きくてクソ重たいハンマーを持ってウズウズしていた。
「君の実力を・・・我々兄弟で確かめておくよ」
「宜しくお願いします!」
先ずは―――グッス対オスカーである。
「一戦目、開始ッ!」
審判の合図で始まる。
「ズゥイィヤァァアアアアッ!!!」
「ウォラッ!」
一瞬だけ視えたが、僅かに部分的な強化魔法が入った。
グッスのハンマーを片腕でガードをしてそのまま叩き返す。
「うをっ!?デバフの支援魔法かッ!」
「ウッス!【重力腕】を纏って打ち返しました!」
一瞬のデバフ付与の魔法で反撃か・・・中々の腕だ。
「・・・ぬっ?!抜けんっ?!」
「あっ、すいません。今解除します」
彼はそう言って指をパチンッと鳴らした。
「おぉっ?!元の重量に戻った?!遠隔と発動と解除の切り替えも自由なのか?!」
「気付きましたか?!ナイトメアに入った時に色んな先輩方からのアドバイスでやってみたんすよ」
彼は次々と相手の反撃の間合いを取らせずに組手をやって――――
「テイヤッ!」
「ウォアッ?!」
彼より年上のグッスは身一つで投げ飛ばされて場外失格となった。
「勝者!オスカー・ヴェスピアッ!」
「スゴッ!?」
「支援魔法にも色んな使い方があるんだな~」
彼等の戦い方に興味を湧く人達がチラホラと居た。
「父上、騎士団とやって貰った場合、どうなりますか?」
「うむ、今の騎士団ではまだまだ甘いかもしれんな」
流石国王だ。
王太子も中々良い目を持っている。
「では・・・私はこれだッ!【魔封の箱庭】」
「・・・!」
魔法の一切を封じ込めて行動力の幅を制限する魔法、それが魔封の箱庭。
さて、魔法が使えない今・・・どう動く?
「・・・これですよ、これを待ってました!!!」
「ほう、今までのは序章だったか」
クリスは遠や近の距離によって戦闘スタイルを変えている。
「これなら・・・どうだッ?!」
「うぉっ?!」
クリスの一撃の重さは元の世界で言えば135㎏のダンベル程の重さとなっている。
オスカーは多少よろけていたが・・・すぐに体制を整える。
「スゥ~・・・行きますッ!」
「・・・ふっ、かかって来なさい!」
四姉弟それぞれに俺が昔に教えたやり方が身に染みて居る所為か、過去で一度も四終帝の失敗の情報は無い。
「ハァ~~~~~~~~!!!」
「・・・!(この動きと構え・・・ふっ、昔の私を思い出してしまうな)」
二人の拳同士のぶつかり合いは白熱し、会場の所々にヒビが生え始める。
「ラピス」
「えぇ」
俺とラピスは直ぐに修繕と風圧を守る強化型の魔法を発動してする。
「ジョーカー様、耳にお入れして貰い事が・・・」
「騎士団の・・・内容は?」
俺の元に騎士団のイケメンエリートの青年が来た。
「――――――です」
「・・・そうか、報告ご苦労さん。お前から見たら彼はどうだ?」
彼の戦いを見た青年は情熱的な眼をする。
「あれ以上の強さを引き上げる様に鍛えねばなりませんね・・・時間があった時に何人か適性のある方を拾って貰って良いですか?」
「おう、任せろ」
話している内に・・・試合は終わったようだ。
「よっしゃあ!」
「さ、流石に私でも勝てないとは・・・流石だよ。名前を聞いてもいいかい?」
二戦目のクリス対オスカーもオスカーの勝利となった。
次回「オスカー・ヴェスピアと言う男」です。
お楽しみに~(*´▽`*)ムフフフフフ・・・・




