え?俺に?
サブタイトル「え?俺に?」
「あ~ダンジョン行きてぇ」
「大陸全て制覇してるじゃないですか」
う~ん、辛辣だ。
いつものように暇を持て余している俺は毎回「ダンジョンに行きたい」と言うが後程、秘書であるスフィアに却下されている。
まぁ、いつもの事だな
「そう言えば今年の新人君達はどれ位かね?ほぼクランに入ってるでしょ?」
自分が所持している数十のクランの内の大古参である【月光ノ夜行旅団】は主に自分のペースで学ばせている言わば成長・学習型クラン。
5百年も昔は一つのクランが冒険者一人を追放した事が切っ掛けでそのクラン自体が戦力の大幅弱体化を喰らっていた時があり、他のクランはリーダーの言葉は運命を左右するものだと自覚している。
「そう言えば・・・新しく【成神】と言うクランから一名追放をされたらしくて・・・無所属のままですね」
「OKその子をウチの最古参に入れようか。あれから成長がストップしてるっぽいし、新しい支えとなる肥料必要でしょ」
俺がそう決断を下すとスフィアは
「そうおっしゃると思いまして副リーダーのグレーにコンタクト取ってます」
「ナイス~、流石ぁ俺の秘書」
そうそう、何で俺がクランの話をしているかと言うと・・・
1000年も昔、ソロで冒険者をやっていた時期があった。
初めてだから行ったり来たりで覚えるのも苦労したなぁ~
俺がソロで攻略を済ませるもんだからギルドの中心部は各支部の方へ通達した。
それに事故を未然に防ぐ為にギルド推奨のパーティー組織を各大陸の代表国へ提出して許可が下りた。
それがクランだ。
「そう言えば・・・あと数日で四終帝が戻ってきますよ」
「おっ、俺の養子達か」
確か・・・あぁ、アレだ990年前に浮浪の孤児問題が出ててその時に俺は孤児の為に孤児院を国へ献上したなぁ~、お陰で各国にある孤児院のお蔭でなんとか路地裏とか寂れた場所には孤児は独りも居なくなったと所々で聞いた。
「成果は帰って来た時に聞くとするか」
「・・・そう言えば、マスター宛に王国からの直々の依頼が・・・」
「え?俺に?」
依頼が書かれている手紙をスフィアから受け取る。
「『俺が元居た世界での娯楽を一つか二つ程、是非に』・・・か」
「如何致しますか?」
確かに千年経った今でも今の娯楽は俺が元居た世界の記憶を頼りに作った物が多い。
それなら・・・
「引き受ける。お偉いさん達にそう手紙に書いておいてくれ」
「畏まりました。ではそのように記入致します」
スフィアがそう言って自分のデスクに戻る。
「娯楽ねぇ~・・・素材があれば設計図とかも楽々かけれるけど世の中そんな甘っちょろいもんじゃないからねぇ」
娯楽と言えば大人の遊び場でもあり憩いの場。
元居た世界の娯楽の幾つかは賭け事も含めて存在自体が禁止にされていたとある施設とかも存在する。
「バーに行って来る」
「いつもの所ですか?魔導具でバーに連絡を入れますが」
この世界に来て10年目の頃の最初に思い付きで設置したのはバーに色んなゲームを設置する事だ。
酒場と言えばダーツ、ビリヤードその二点があげられている。
「おう、向こうのテンダーに宜しく連絡入れといてくれ」
「ではそのように」
俺はワイシャツにジャケットを羽織っての軽装で行く。
異空間庫内に千年の間に硬貨でたんまりと稼いであるから減らしたいんだよね~
「ちーっす、遊びに来たよん」
「おう旦那、今日も来たか」
ダンディーなスタイルでイケてるこのオジ様は今から50年前に騎士団を若い時に引退した人で名をグラハム。
彼は将来的に『酒場を経営したい』ってんで先行投資として俺がこの世界に来て十年目に出来たバーのテンダーになって貰った。
「ほ~、弟子取ったんだ?」
「勿論でさ、アイツは容量良いし後の数年程したらこの店明け渡して俺ァ田舎に住もうと思ってんだ」
俺は久方ぶりにバーに設置してあるビリヤードをテンダーと一緒に喋りながら楽しんだ。
次回「新人冒険者研修会」です。
お楽しみに~(´∀`*)ウフフ




