ダークエルフとエルフの関係
サブタイトル「ダークエルフとエルフの関係」
「久しぶりだなぁ~この森林も」
「ジョーカー様、ここで木材を補充して戻るんですか?」
クリスとスフィアが付き合い始めて同棲しているタイミングで新しい秘書を雇った。
彼は半竜人と言われる竜人と人間のハーフ。
リーナと同じ竜人で孤児院の時から知り合っている。
孤児院からの推薦で暫く冒険者をやっていたらしいがリーダーと副リーダーの関係に亀裂が走ったらしく、それまで自然とソロ活動をしていたらしい。
因みに養娘の次女リーナは鱗竜人と言われる特殊な種の竜人族である。
彼女を保護した当時、竜人と人間との争いが真っ只中だった為に彼女を孤児院で匿ったのである。
「そーそ、君も聞いた事あるだろ?ダークエルフとエルフの関係」
「聞いた事あります。クリス様のお里は確か異種族の中で神聖視されている為にその真逆のダークエルフは逆らう事も出来ないんですよね?」
そう半竜人のファントが言う。
一度、ダークエルフとエルフの件、聖女の件を終らせたにも拘らず、異種族である竜人族に帝国は実験の素材として拉致誘拐(未遂)や殺人(未遂)などを平然と闇ギルドを介して行っていた。
「あの孤児院は俺が贔屓にしてたからな。リーナの元親も安心して預けてくれたからな」
「俺の親も・・・リーナ嬢の親も・・・頑張らなきゃ!」
話しているうちに目的地に着いた。
ダークエルフの砦である
「・・・?!ジョーカー様!!本日は何用でしょうか!?」
「そービビんなって。君らの所から補充させて貰ってる木材が底を尽きそうだったから、また交渉しに来ただけだよ?宰相と商会長に会わせてくれ」
砦の番兵は頷き急いで二人を呼びに行く。
「ジョーカー様の存在と名前が結構な脅しですね」
「あっ、やっぱり?・・・・やりすぎたかなぁ~?」
彼も俺も苦笑いしてその場で待つ。
「お待たせして申し訳ありません!こちらへどうぞ!」
「おう、んじゃ行こうか」
「分かりました」
砦の中に入り、早速会議室に入る。
座席に座り、早速話を始める。
「―――って事で、こっちも人手を増やすからその分の量を奉納してほしいんだわ。出来るか?」
「えぇ、大丈夫です・・・と言いたい所なんですが、人数をもう少し増やして貰って欲しいんですが・・・駄目でしょうか??」
宰相のノート・ハイツがそう言って来た。
隣に座っている商会長のラスクが手に持っていた資料を俺に差し出す。
「いつもより魔力素が多く増えすぎた所為で植林していた木々が多く増えすぎたんですよ。なので現場で倒木作業を手伝ってくれる方を数十名程連れて来てほしいと言う事でして・・・」
「成程・・・で、因みにどんぐらい増えたの?」
彼はグラフ表を作って来たらしく、今年と去年との差を目視で隅から隅まで確認してから探査で念入りに調べたらしい。
「成程・・・ダークエルフの殆どの男性では手が足りないんですか?」
「えぇ、いつもの人数でやって貰っても中々伐採作業が終わらず・・・」
俺は少し考え
「分かった・・・が、その分は君等は倍にして働いて貰うけど?」
「やらせて頂きますッ!」
宰相の真剣な眼差しに納得し
「分かった。ウチから養息子のドワーフを何人か派遣しよう。精々一週間以内ほど調べてからでいいか?」
「大丈夫です。有り難うございます」
取り敢えず今月分の伐採された木々を後から来た作業員達に任せて風魔法と時空間魔法を使って加工や乾燥、保存を繰り返して先に帰らせた。
「取り敢えず、今月もご苦労さん。何か要望はあるか?」
「はっ、それでしたら――――」
二人の件以来、当時の原因元のダークエルフの長は俺が怒りに任せて放った呪いの所為で死に、後に残された子孫である先代の娘さんにまでその呪いが継がれたらしい。
「ですのでその・・・カテュ様の呪いを解かせて下さい。代わりにそちらの王国で働かせますので」
「ほぉ~・・・とりあえず本人を呼んでもらって良いか?」
現在のダークエルフの長の娘、カテュ・ヴァッハが来た。
「カテュです」
「確か双子の妹が居るんだったな?そっちの方はどうだ?」
俺がそう聞くと、彼女は咳払いし
「妹の方は幸いしてか、呪いは罹っていません。なので呪いを持った私がそちらに嫁ぎも含めて住まいを提供を・・・お願いします」
「そうか・・・分かった。呪いに関しては向こうに戻った後に解くとして、暫くウチで住み込みで働きな」
一通りの事を終えて帰宅した。
メイド達や執事達を集め
「――――って事で、メイドとしてメイド寮に住み込みで働かせる事にした。社会の一環として色々と彼女に教えてあげてくれ」
「「畏まりました」」
メイド達や執事達は皆、承諾し彼女を快く受け入れた。
「――――で、これはコッチに仕舞っておいてください」
「成程・・・メモメモ・・・分かりました!」
一週間後、取り敢えずダークエルフの砦の件を済ませてさらにはカテュの成長も見れてもう良いだろうと思い、執務室に呼び出した。
「呪いを・・・ですか?」
「あぁ、頑張ったご褒美に解いてあげよう。おいで」
カテュが俺の下に来て片膝を着く。
俺は掌を彼女の額に触れて――――
「はい、これで呪いは解いたよ。確認する時は自分のステータス表記を見てね」
「分かりました。有り難うございます」
その日以降、彼女は変わらず人相良し愛想良し性格良しで彼等に愛されて行った。
「ってな訳で、ラピスの専属として本格的に動いてみないか?」
「分かりました。よろしくお願いします!」
数日後にはラピスの身の回りの世話を一人で任せるまでに成長を遂げていた。
次回「竜人の恋」です。
お楽しみに~( ・´ー・`)<・・・・・




