変わりゆく時代と子孫達のその後①
サブタイトル「変わりゆく時代と子孫達のその後①」
「よーっす、運命様!管理されてるアレの整備終わったっす!」
「おっ、ご苦労さん旋風。暫く休憩するか」
二千年代に生まれてくる最後の転生者を見送った後、俺が管理を始めた異世界の様子を見てみた。
「おっ、また拡張したのか」
「ッスね~、前までは数百程の国があったのに、今では数千まで行きましたからね~」
元の世界での拡張アプデかなんかの影響だろうか、管理しているこの異世界でゲーム見たく様々な国や大陸などが誕生し、更に今の人口含めて全ての種族が一千京を超えた。
「拡張パッケージが屈強過ぎてパソコン見たく熱暴走したりしないっすかね?」
「そこは~アレだ、シムルグ。魔物の大氾濫を起こして経験の深い冒険者達に任せれば間引きした分、異世界への養分になるだろ?」
昔、手続きを終えて義理の親類に渡した後も、彼らの子孫が多種の種族としっかりと協力して動いている。
「――――で、まさか時代を超えてまた薪ストーブを残す事になるんすね」
「人間ってのは、記憶から欠けてしまう生き物だからね」
食事をし始めたタイミングで――――妻の決断の女神カナンが食事を持って俺の所に来た。
「お仕事お疲れ様」
「おう、そっちもな」
「お疲れ様っす!決断様!」
俺の部下である旋風の神シムルグが居るように
カナンにも部下が居る。
「シムルグさん、ジョーカー様にアレ渡した?」
「あ~、アレ?もう渡したよ。直ぐに整うってさ」
「ん?何の話だ?シムルグ、カルグイユ」
烈火の女神カルグイユ。
元は鍛冶と酒豪の神であるガルデン様の娘であり、シムルグと同期だそうだ。
「アレっすよ、前に必要事項あった時の~ってやつ。アレを実際に碧煌族の若者達にマスターして貰いましょって書類を渡したんすけど」
「あ~、訓練のパンフか!そっか、二人で日程を煮詰めていたのか」
俺がそう聞き返すと、二人は頷く。
「カナン様、週末辺りに私と彼とで碧煌族の長と現在の巫女に会いに行ってきます」
「判ったわ、出来るだけ神力と魔力は抑えてから会いに行ってね」
「判ったっす!」
食事を終えた後、また自分の仕事場に戻った。
「ジョーカー様、」
「あぁ、今月誕生した精霊の魔力の掴み具合が不安定だったのが原因らしい。今はもう大丈夫だ」
こうして、セヴィス領領村の寒くも厳しい冬の季節はやがて終わりを告げた。
次回「変わりゆく時代と子孫達のその後②」です。
お楽しみ( ゜Д゜)?<え?