1250年目の冬①、暖をとりたい時期
サブタイトル「1250年目の冬①、暖をとりたい時期」
「ラフム殿!件のもんを完成させたぞ!」
「おっ、早速か!」
1250年のとある冬、セヴィス家では暖炉はあるが――――家庭ごとに暖炉のない所の方が多い。
故に組み立て式のストーブ、薪ストーブが開発された。
「出来上がったヤツ全て全員で取り付けに行く。ドワーフ諸君らは各家庭にそれぞれの指示書を読みながら行動を頼む」
「よっしゃ!お前等!作業に取り掛かれ!明後日までには間に合わせるぞ!」
ドワーフ達の鼓舞と共に作業に取り掛かった。
「で、用意した分の金額なんだが――――」
「相場は判るさ。結構な鉱石なんかも提供したし。ホレ」
白金貨10万枚をそのドワーフの親方に渡す
「ソレでアイツらにメシでも奢ってやんな」
「ふっ、有難くな」
その場の二人も取り付け作業に取り掛かる。
「有難う御座います。ラフム様」
「おう、乾燥してある薪を室内で保管しておきな。暫く雪が収まるまで必要になるぞ」
セヴィス領の領村を殆ど全て行き、設置を終えた。
「さて、村の人たちに説明も行ったし、後は大丈夫だろ」
「しかしま~、蓋の開け閉めで暖かいのかどうか変わるんだな」
ドワーフの親方はそう言って作った薪ストーブをまじまじと見る。
「扱いさえしっかりすればだれでもお手軽に扱いやすいさ。現に耐久テストも完璧だったし」
「ふむ、俺も使っていいか?説明は一通り聞いたし」
早速、簡易用のテントを用意し、薪ストーブを設置する。
「―――で、後は燃やすもんを先に入れて・・・」
「火が付いたら火力調整として薪を一本か二本入れるんだ」
すると、室内が暖かくなった。
「お~、こいつはすげぇ」
「で、料理する時は上の所にフライパンとか乗せて調理するだけ・・・って事だ」
何か気に入ったのか、ドワーフの親方は使用後にそれらを持って帰って行った。
後日―――――
「早速ですが・・・村の方々からの嬉々とした評価が出ていますね」
「そうか、寒い中の調査、ご苦労さん」
こうして、雪が降り始めたと同時に猛吹雪が近づいて来た。
次回「1250年目の冬②、寒さを乗り越えた先に」です。
お楽しみ('ω')<おっふ・・・