1200年目の秋①、レジャー日和
サブタイトル「1200年目の秋①、レジャー日和」
1200年目――――とある小高い丘にて。
「良い景色だな、ここで飯にするぞ~!」
「ほほう・・見事な紅葉のカーペットですな」
セヴィス家の面々は少数の執事達やメイド達を連れて秋を堪能しにレジャーを堪能しに来ていた。
セヴィス家以外にも様々な貴族や平民の家族連れもきて楽しんでいた。
「おや、アグニ様、そちらも余暇を?」
「おっ、ミューグリッド殿!其方もかい?」
アグニ・セヴィス、彼は大の季節好きである。
彼同様にミューグリッド・エヴィルハンもまた、四季が好きである。
「我々は今度の絵画展にて新しい絵を出す予定でしてな」
「あ~、絵好きのひいじい様が昔に建てたアレか!」
彼の亡き曾祖父は大の絵好きで自分の絵画では飽き足らず異世界の国々の腕の言いプロの絵師を集めて絵画展を数ヶ月に一度か二度開催をした事もある。
「アグニ様は絵画はしないので?」
「あ~、実は絵描きは苦手でね。妻と一緒にルーテト地方にある教室に通うか検討してるんだ」
セヴィス家は代々なんでもやり遂げる事で有名である。
一部の苦手な行いを除いて。
「でしたらセヴィス領の近くで絵画教室を設けたらどうです?ルーテトは結構遠いですぞ?」
「確かに・・・余計に魔力を消費したくないしな・・・ルーテトの絵師の人に頼んでウチに来ないか手紙を寄越すか」
数日後――――
「【絵画教室をご用意して頂けるのであれば何名か其方へ異動しに寄越します】ですって、アナタ」
「おっ、マジか!」
彼の妻、ミュージアから聞いたアグニは直ぐに商業ギルドと話し合いを行った。
「成程・・・因みに土地はどれぐらい残っているんです?」
「確か・・・こっからここまで―――――」
数日後――――
「と言う訳で、先ずは輪郭からなる形を書いていきましょう。用意するのは―――」
「成程、こうやって書くのか」
教師に教えて貰いながら描き進めていく。
「奥様、凄い上手いですよ!」
「あら、そう?良かったわ」
「アグニ様、絵下手ではない程の美しさではないですか」
「そうか?ん~、そうは言ってもなぁ・・・」
こうして、あっと言う間に夫婦二人揃って絵が上達していった。
「―――って事で、ここで住む事も出来るように建築させておいた。何か物足りなかったら商業ギルドに連絡を取ると良い」
「判りました。お部屋までご用意して頂き、有難う御座います。お休みなさい、アグニ様」
こうして、彼ら夫婦もイチから絵画展に出展するのであった。
次回「1200年目の秋②、様々な秋模様」です。
お楽しみ('ω')<ふぁっwww