1020年の三代目セヴィス家
サブタイトル「1020年の三代目セヴィス家」
時を戻して1020年。
今現在のセヴィス家にて――――
「ジーク~、ジークフリード~」
「ん?シグレ姉さん?どーしたの?」
いつも通り執務をこなしていた俺は従姉に当たる姉のシグレ姉さんと仕事をしていた。
因みに父さんと母さんは俺に爵位を渡してから二人で暫く初老夫婦冒険者として旅に出た。
時折、手紙を送ってくれるのでどこで何をしているかがわかる。
「で、コレは本当なの?」
「えぇ、自分が実際に休暇中に会いに行ってきました」
最近二人程の転生者が現れたとの話を従妹のラブから聞いている。
ただ、本当かどうかは知らないので部下の一人に使いを任せようか考えていたところでもあった。
「あ、だったらその子が平民だったらラブちゃんの所で保護した方が良いわね」
「貴族だったら俺が挨拶しに伺いに行かないと・・・だなぁ~」
「私の方で既に外出準備は出来ています。いつでも行動出来ます」
新しく雇われたばかりの新人執事の対応が早くて助かる。
「んじゃ、確認をするか~、ラブに連絡を取ってくれ」
「畏まりました」
軽く一時間――――
「転生者の身元が分かった。相手は爵位の受け継ぎに関わらない三男坊ともう一人は平民の女の子との連絡を受けた。留守を頼む!」
「畏まりました」
「それじゃ、平民の女の子に会いに行ってくるわね」
「直ぐに馬車を走らせましょう」
初代であり自分の祖父で神様になったバアル・セヴィスおじい様の話を幼少期に父さんから色々と聞いている。
「ジーク様、既に向こうには連絡が行っています。着いたらそのまま中に通されるかと」
「そうか、判った。着いたら声をかけてくれ」
目的地に着くまでの間、景色を眺める事にした。
「(ここ暫く街道に盗賊の類の連中も現れなくなった・・・これも父さんやおじい様が出した案のお陰で犯罪者件数が減ったんだったな・・・)」
自分が産まれるよりも前に既に進んでいた事業があった。
職を失った人たちの為に新たに再就職するための事業を父さん達が率先して動いたお陰である。
「そう言えば、今日の朝、大雨が降るような素振りがなかったか?」
「そう言えば、ありましたね~、結局霧雨程度の弱雨でしたけど」
そして暫く経ち、目的地に着いた。
「そんじゃ、話を済ませようか」
「ですね、私は馬車を預けておきます」
そして話し合いの末に転生者の貴族の男との話し合いを終えて帰宅するのであった。
因みに―――――平民の女の子の所はラブが居るドラグマに行き、聖女としての修行に承諾を得て動き始めたとの連絡を貰った。
次回「1050年の九代目セヴィス家」です。
お楽しみ('ω')<うひょっ