教導国家皇国ドラグマ①
サブタイトル「教導国家皇国ドラグマ①」
「ここに来るのも900年ぶりだな」
「ここ最近商業とギルドと王宮とで忙しかったんですもの。そうなるわ」
ラピスと料理人兼ガードマンのガートスと養息子達と共に転移魔法でラピスの故郷である教導国家皇国ドラグマに来た。
昔とは違って宗教特有の硬い空気のような雰囲気は無い。
「お待ちしておりました。ジョーカー様」
「おう、元気そうだな?手紙の連絡とかで聞いたよ。よろしくなベランズ」
聖騎士は教皇から順にお偉いさんに着任する専属騎士だ。
勿論、他の国と同様に平民でもなれる聖騎士が多く、俺の存在が大きい所為でか今現在でも真面目に取り組んでいるらしい。
「そんじゃ、父さん達はガートスとベランズと本殿に行くから自由行動な。俺と同じようにあまり休んでないだろ?帰る時はあそこの女神像の所で集合な」
「「「「分かりました!」」」」
養息子達はその場で散りに散って色んな箇所に行った。
ベランズが俺の所に来て
「やはり、流石お二人のお子ですね。遠目からもはっきりとわかるように魔力が桁違いです」
「俺はあいつらにちょこっとアドバイスしただけだからな。アイツ等はアイツ等で勝手に成長し続けるさ」
本殿の女神像の目の前に着き、皆が膝を着く。
俺も膝を着いて――――
「お久しぶりです。お体は大丈夫ですか?創造神様」
「えぇ、お陰様でまだまだ健やかですよ」
俺だけが特別な空間の所に来れた。
「そりゃ~良かった。ラピスが俺に会いに来てから俺も随分と会って無いと思ってたんで来ましたよ」
「そうですか。ここ千年の間はあなたのお陰で少しずつ国同士の衝突も無くなって大変うれしいです」
「ありがとう」とお礼を言われた俺は早速その場で立ち
「どうです?久しぶりに下界なさっては」
「そうですね。お酒とお抓みの用意を期待していますね」
そして元の場所に意識が戻る。
「さてと・・・あー、そこの枢機卿の・・・アドン君」
「御呼びでしょうか?ジョーカー様」
久し振りに顔を魅せてくれた枢機卿が俺の元に現れた。
お爺ちゃんなのにまだまだ現役なんだよねぇ
「あの御方が下界する。最高の美酒を用意してくれ。ガートス、抓みの用意宜しく」
「畏まりました。私の配下に使いを寄越します」
「了解した。ここ等で供物に使われる食材あるか?ベランズ。あぁ~後、孤児院にも立ち寄らせてくれ」
「分かった。孤児院に関しては後で案内する」
わやわやしてきたのでラピスの義妹の―――サファイアに会いに行った。
「義兄様!お久しぶりです!」
「おう、ラピスから教皇の任を任されたんだってな?サファ」
サファイア・フォンスター、今は取り上げられた元フォンスター家のご令嬢であり
ご両親が悪事に手を染めてしまった影響で他人の信用を一切拒んできた過去を持つ。
ラピスが拾って来なかったら今頃半グレにはなってただろうな
「お前もどうだ?仕事に手を休めて創造主と宴会するけど・・・」
「あっ、なら行きます。システィ?私の机の上の書類、全部終えたから後の処理は任せるわ」
「畏まりました!」
そう言えば女性の聖騎士も居るんだったな
「ふふふふっ皆さん楽しそうでうれしいです」
「おっ、早速だな?おーい!教皇連れて来たぞ~」
物見の終わった養息子達が本殿に来て宴会に参加していた。
「あら、ジョーカーさん。こちらへいらして」
「あちゃ~、完全にありゃ酔ってんな・・・今行きますよ~」
お酒を飲んだりお抓みを食べたりして幸せそうな神様であるアグネス様を見てラピス達は養息子達の所へ座った。
「でへへへ~」
「チョイチョイ、一回水飲みなさいよもぉ~・・・」
「すげぇな~、あんなにも容易くアグネス様を手なずけるとは・・・」
「昔は威厳があっただとか言われてたけどジョーカー様の前では甘えたい少女のようだな~」
こらこら、君等聖騎士でしょうが
「はいはい。俺にはラピスが居るから」
「そうですねぇ~・・・む~・・・私の息子達も来ればよかったのに~」
創造神にはいくつかの息子や娘の神々が居る。
「そういやぁ~鍛冶神のガルデン様はまだ仕事で?」
「えぇ、お酒を飲ませようとしても『仕事中だから』と鍛冶をしに自室にこもっててね~」
俺は良い事を思い付いた。
「鍛冶の神様なら・・・ちょっくら顔を見させて貰おっかね?」
「あら、私の代わりにあの子呼ぶの?お願いね~」
アグネス様は一人の聖騎士におんぶして貰いながら彼女の専用の部屋に連れて行ったのであった。
次回「教導国家皇国ドラグマ②」です。
お楽しみに~(つ・ω・)つイクゾー!




