冬の星座と流れ星
「あ〜、忙しい! 毎度のこととは言えたいへん!」
「ほんとほんと。でもさ、楽しみにしてくれてる人が大勢いるんだし、がんばろう!」
お空で働く天使たちは、今日もせっせと星を並べ変えています。
季節は巡り、冬の夜空への模様替えです。
「オリオン座はここで良かったっけ?」
「う〜ん、もうちょい右かなぁ」
「じゃあ、このへん?」
「いいんじゃない? でも、ベルトの部分、ちょっと歪んでる」
「へいへい。これでどう?」
「うん、オッケー!」
「おおいぬ座は?」
「こっちだよ」
「ってことは……、こいぬ座はここだ」
「いっかくじゅう座はここでいいよね?」
「え〜っ、このへんじゃなかった?」
「どうだろう。ちょっとあっちでやまねこ座を作ってる先ぱいに聞いてくる!」
「予備に持ってきた星、あまっちゃったねえ。どうする? 持って帰る?」
「そうだね〜、この辺にパーッと景気よく撒いちゃう?」
「おおっ、いいねえ!」
「くふふっ。これ、あんまりやると神様に叱られちゃうけど、たまにはいいよね」
「うん、たまにはね」
「……じゃあ、いくよ? みんな準備はい〜い?」
「いいよ〜!」
「せーーのっ!」
「それ〜っ!」
天使たちは、それぞれ手にしていたカゴからキラキラ光る星を掴むと、次から次へとばらまきました。
ふざけて飛距離を競う天使たちや、どれだけ素早くたくさん投げられるか競う天使たち、中にはカゴを傾けてざざ〜っと一気に星を流す横着者もいます。
キラキラキラキラ…………
ばらまかれた星々はまばゆく輝いて、あちこち散らばります。
天使たち、みんなにこにこ楽しそうです。
お空を見上げる、宇宙中の星々に住む人たちもにこにこ。
地球に住む、私たちもにこにこです。
みんなみんな、幸せで楽しい夜なのでした。