7:女リーダーはブチ切れる
ブチ切れたので投稿します! 他者視点です!
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――アンリを魔法陣の上に蹴り込んでから数時間後、ギルド『ブラックハンターズ』のパーティもまた王都に帰還していた。
「ふぅー、ただいまただいまっと。あ、そこの犬、さっさと酒を持ってきなさい」
豪奢なギルドハウスに戻るや、女リーダーはちょうどそこにいたFランクの少女に命令を下す。
彼女は別に召使などではないのだが、人類の中でも10%ほどしかいない『Bランク』の魔法使いには逆らえない。
犬呼ばわりされたことに屈辱を覚えながら、「はい……」と頷いて厨房に向かっていった。
「新規ダンジョンの調査任務終了っと。はーぁ、特に強いモンスターもいなかったわねぇ。それに荷物もダンジョン内に置いてくることになっちゃったし、まったく損したわぁ」
「きゃははっ、別にいいじゃない! アンリのゴミをいじめるために、あえていらない武器とか持ち込んだんでしょ? あたしも同じ~!」
「うむ、結局ゴミはゴミのように消えていったな。あんな雑魚に生まれないで本当によかった」
アンリを嘲る女踊り子と武闘家。
なにやら光の粒子となって消えていったが、彼女たちの心に罪悪感などというのは皆無だった。
そうして彼女たちが席に座った時だ。
ギルドハウスのドアがバンッと開けられ、元気そうな水色髪の美少女が飛び込んできた。
「おーーーーーっほっほー! アンリの雑魚はいるかしらー!? 宮廷魔法使いのミトラ様が煽りに来てあげたわ~!」
そう言って高笑いをする女に、ギルドの者たちは「またこいつかぁ」という顔をする。
Fランクのアンリと同郷だったらしい少女で、よくギルドハウスに突撃してくるのだ。
正直言って迷惑この上なかったが、彼女は人類に1%しかいない『Aランク』の実力者だ。
その上、宮廷勤めの殿上人とあっては面と向かって抗議も出来ない。
「で、アンリは一体どこかしら~? ミトラ様ってば天才だからこの前超速で出世しちゃってぇ、従者を自由に選べる権利を獲得しちゃったのよねー! あの長男馬鹿を手下にしてやりに来たんだけどー!」
アンナのことを馬鹿にしながらも、そんなことを言うミトラ。
その様子に女リーダーたちは思わず笑ってしまう。
よりにもよってこの宮廷魔法使い、明らかにあのゴミに対して好意を抱いているからだ。
あぁ、前々からこのこの女のことは気に入らないと思っていたんだ。
ここはひとつ、意趣返しをしてやろうと女リーダーは思い立つ。
「ふふふ……残念だったわねぇ。アンリのゴミなら死んだわよ」
「――は?」
前置きもなく言い放ってやった瞬間、ミトラはぽかんと口を開けた。
そのアホヅラがとても愉快で、女リーダーはペラペラと舌を回し始める。
「いやぁ~不幸な事故だったわぁ! あのゴミって雑魚のくせに無駄な努力してウザいでしょ? 今日もFランクのくせに勝手にダンジョンを突き進んでいって、見事に罠の魔法陣を踏んじゃったのよねぇ! とっても危険な魔法陣で、肉片に分解されながら跡形もなく消えちゃったわぁ! ギャハハハハッ!」
腹を抱えて笑う女リーダー。彼女の手下である踊り子と武闘家もクスクスと嘲笑う。
「というわけでよかったわねぇミトラ様。あのゴミとバイバイできて。アンタなら見た目もいいし引く手数多でしょ?」
「は、え……よかったって……アナタは何を言っているの?」
「アイツとの別れを幸運に思えってことよ。
なにも難しく考える必要はないわ。底辺と結婚したって周囲から笑われるだけでしょう?
いつまでもFランクのゴミになんて拘ってないで、良縁を掴んで幸せに暮らしなさいな」
――女リーダーがそう言い放った瞬間、パァンッという音がギルドに響いた。
ミトラが涙を零しながら、彼女の頬を叩いだのだ。
「なッ、っ……テ、テメェエエエエッ! 社会のゴミに発情するような異常者がァッ! なにビンタしてくれてんだゴラァッ!?」
「うるさいうるさいうるさいッ! アンリはゴミなんかじゃないもんッ! たしかにアイツには才能がないかもしれないけど、でもいつだってアイツは前を向いていたッ! 子供の時から病気のお母さんのために働いて、妹さんたちを育ててきたすごいヤツなんだもんっ! そんなアンリを笑うなーーー!」
子供のように泣きじゃくるミトラ。そのまま彼女は女リーダーの脛を蹴ると、うわぁーんっと泣きながらギルドハウスから飛び出していくのだった。
「イッテェッ~……! クソッ、あの馬鹿女が! Aランクだからって調子に乗りやがってッ! ランクで人を差別するとか最低だぞ!」
去っていくミトラの背中を女リーダーは睨み続ける。
……するとそこに、先ほど酒を持ってくるよう命令したFランクの少女が駆け寄ってきた。
「あ、あのお酒を持ってきたのですが、大丈夫ですか……? 湿布でも持ってきたほうが……!?」
「アァッ!? Fランクのゴミがアタシを心配してんじゃねぇぞゴラーッ!」
理不尽にキレる女リーダー。
顔を真っ赤にしながら少女を蹴り飛ばし、腹いせに何度も背中を踏み続けるのだった。
――彼女はまだ知らない。
自分に対して、破滅の時が迫ってきているのを。
Fラン女子「マゾじゃなかったら耐えられなかった……!」
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