6:長男は現実に帰還する!
現実に帰還したので投稿します!
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――このダンジョンに辿り着いてから、『10万年』近くの時が経った。
いつだったか“常識を忘れる”と誓ってから、常識というのがよくわからなくなった気がする。
俺が覚えているのは『長男』という概念のみだ。
長男は何事があっても折れず、諦めず、家族を守れる存在でなくてはならない。
その信念だけが俺を10万年間支えてきた。
――そしてついに、脱出の時がやって来る。
「さらばだ、モンスターたちよ」
『ぐるるるるる~……!』
ガクガクと震えながら俺を見送る怪物たち。
なんか大昔に見たメッセージにはすごい強いモンスターとか書かれてた気がするが、Fランク? というやつの俺がいつの間にか倒せるようになってたから、まぁそこそこ程度のやつらなんだろう。
最後に頭を下げているドラゴンやお腹を見せているフェンリルを撫でていく。
「うし、じゃあ行くか。――ファイヤーボール・五千連発動」
俺は魔力を滾らせると、自分の周囲に五千の火球を展開させた。
ダンジョン内を明るく照らす赤い輝き。もはやこれくらいは呼吸するように出来るようになった。
さらに、
「――氷式ファイヤーボール・五千連発動!」
続けて俺は、マイナス200度の蒼い火球を五千個展開する!
温度を極限まで下げたファイヤーボールだ。
これを習得するまで苦労したな。炎=熱いというイメージは人間のDNAにまで刻まれているらしく、冷たい炎を出せるようになるまで何万年もかかってしまった。
「あぁ、思えばいろんなことがあったな……。流石に脱出したときにスッポンポンじゃダメだろうから、フェンリルの毛皮や黒龍の鱗を剥いで服を作ったり。アラクネーの糸で巾着袋を作ったら、なんか見た目よりもたくさん収められるようになったり」
元の服は数年もしない内にボロ雑巾になってしまったからな。
もはや常識なんてほとんど覚えてない俺だが、人前では服を着ることくらいは当たり前だとわかっているさ。
まぁそこそこのモンスターたちの素材で作った安物の衣服だから、すぐに買い替える予定だけどな。
「じゃあな、俺を鍛えてくれた地獄のダンジョン。今日こそおまえから、卒業してみせる!」
そう宣言すると、俺は赤いファイヤーボールと蒼いファイヤーボールを一斉に壁へとぶつけた。
その瞬間、千度を超える炎とマイナス200度の炎がぶつかり合い、混ざり合い、死を思わせるような紫と化し――、
「滅式・ファイヤーボール融合爆発!」
そして、大爆発が巻き起こった――!
温度差の違い過ぎるモノ同士が接触すると衝撃が起こるという現象を利用した術式だ。
それによってダンジョンの壁は見事に砕け散り、10万年ぶりに見る太陽の光が射しこんできた!
……というか砕けるのを通り越して全崩壊し、なんかモンスターたちが世界中に吹き飛ばされていった気がするが、アイツら中の上くらいのモンスターだしまぁいっか! BランクとかAランクのやつらなら瞬殺してくれるだろ!
「よーし、10万年ぶりになんか食べようかなぁっと」
ダンジョンから飛び出した俺は、王都が近くに見える草原に降り立ったのだった。
・長男、ついに現実に帰還――!(※ちょっと頭おかしくなってたり伝説級のモンスターたちをバラまきながら)
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