3:長男は地獄に落ちる
地獄に落ちたので初投稿です!
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「うっ……ここは……?」
気が付いた時には、俺は洞窟の中で寝転がっていた。
なんとなくだが、最初にいたダンジョンとは違うと分かる。
岩の材質は黒曜石のように黒く鋭く、触っているだけでも皮膚が剥けそうなほどに鋭い。
まるで洞窟自体が人間に牙を剥いているようだ。
「どこなんだ、ここ……?」
そうして俺が立ち上がった時だ。目の前に光の文章が現れた……!
そこにはこう記されている。
『ようこそニンゲン。ここは女神である私ソフィアが、特別に作り上げたダンジョンだ』
なっ、女神ソフィアだって……!?
この世界を創造した者で、今も『祝福の儀』を行ってみんなに魔法を与えている神様の名だ。
そんな存在が作った特別なダンジョンだと……!?
俺は驚きながら文章を読み進めていった。
『解説しよう。このダンジョンに入った者は年を取らなくなり、死んでもすぐに生き返る能力を与えられる。
――しかしそれは、心が折れない限りの話だ。心が折れた瞬間にダンジョンの加護はなくなり、そこらじゅうをうろついている強力なモンスターたちの餌食となるだろう』
そこまで読んだ瞬間、洞窟の奥地から竜の鳴くような声が聞こえた。
おいおい嘘だろ……強力なモンスターってドラゴンまでいるのかよ?
Sランクでも苦戦するような伝説の化物だ。Fランクの人間なんて睨まれただけでショック死してしまうだろう。
俺は長男だから頑張って耐えるが。
そんなことを思いながら文章の最後に目を通す。
『ここから出る方法はただ一つ。Sランク数百人分の火力を発揮し、壁をブチ破ることのみだ。
……不可能だと思うだろう? だが諦めるな。ここは、心から“強くなりたい理由”を持つ者のみが転移を許される場所だ。その想いが続く限り、きっと貴様は強くなれる』
――ここは外界とは時間の流れが断絶した場所だ。さぁ、思う存分頑張り続けるがいい。byソフィア。
……最後にそんな文字が浮かび上がり、文章は虚空に消えていった。
「は、はは……Sランク数百人分の火力がなきゃ出れないだと? しかもモンスターがうろつきまくってるって? なんだその地獄は……」
本当に滅茶苦茶なダンジョンだ。そこらへんの一般人なら、あの文章を読んだ時点で心が折れてしまっただろう。
――だけど俺はギリギリ耐えた。なぜなら俺は、長男だからッ!
「よし、頑張るしかないかッ!」
両頬を叩いて気合を入れる。
どれだけの時が経っても家族を忘れないよう、地面に『マーシャ、ミーシャ、ムーシャ、メーシャ』と母や妹たちの名前を刻み、俺はダンジョンの奥地を睨んだ。
「どんなモンスターが出てこようが、全部倒してやる……!」
俺に使えるのは火属性魔法の基礎である『ファイヤーボール』のみだ。
Cランクの炎魔法使いなら最初から出来るようなザコ技だが、Fランクの俺はこれを身に付けるのに3年の月日を費やした。
宿った魔力が告げている。どんなに頑張ったところで、俺に使えるのはコレ一つだけだと。
「ならば、そのたった一つを鍛え上げるのみだ……ッ!」
魔法も剣などの技術と同じく、使い方を工夫していけば威力を上げることが出来る。
発動の高速化や魔力消費量の効率化など、やれることはいっぱいだ。
どうせ死なないというのなら、出来ることは全部試して鍛えまくってやる――!
「どれだけの月日が経っても俺は諦めない。だって俺は、長男だから!」
そう叫びながら、俺はダンジョンの奥地へと突き進んでいった。
・次回より、火属性魔法・壱の型『ファイヤーボール』を鍛えていきます――!
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