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自分探し異世界放浪記

思いつきで投稿しました。

楽しんでいただけると幸いです!




 ユーリは激怒した。


自分が何者であるかを、今ハッキリと確信したからだ。



子供の頃、誰もが一度くらい疑問を抱いた事はあるのではないか。


自分はどこから生まれたのか。

何のために生き、存在しているのか。

自分とは何なのか。


思春期特有の感情なのか、哲学的な思想の影響を受けやすかったのかはわからないが、

同年代の子供に比べて、いつも自分は何かうまく世界にはめ込めてていない様に感じていた。


サイズの合わない服を着せられて、違和感を感じているのに、誰もそんな事気にしていない様な些細な違和感。


それが、ついさっき、家の屋根から滑り落ちて転落した際にハッキリわかったのだ。



「これ小説の世界やないかい!!」







     ************



ユーリは、ただのユーリだ。

姓はない。この国で姓があるのは王族と貴族だけなのだ。


優しくて穏やかな母、マリエルと

強くて誠実な父、ジークと、国の中心地から外れたのどかな村で暮らしている。


村民の数は少なく、50名程で質素に生活している。

文明としては、服装や街並みの雰囲気から、中世ヨーロッパの様な所と思っていたが、生活はかなり近代的で文化的な物だった。


まず、何か魔法がある。

あとモンスターが地味にいる。

と、言っても、害獣がちょっと手強いなってレベルらしい。何か勝手に増えて、死ぬか倒すかすると、魔石とかいう石だけ残って消えるらしい。


その魔石を、魔術師という人が作った魔道具という物に電池みたいにはめ込むと、生活便利品が使える。

紛う事なき家電です。


しかし平民の識学率などは低く、農民が殆どというゆるい世界観。


そこで我が村で活躍したのがうちのママン。

線が細く、質素な服装でも隠しきれない優雅さと上品さ、知性と教養を持つ、村一番の博識家。

ついでに言うと輝くような金髪に、ロイヤルな碧眼。


どう考えても皇族。

しかし誰も気づかない。あたしも今まで違和感に気付いた事なかった…これが強制力ってやつなのか。


そんなロイヤルなママン、当然家事は苦手。

しかし合理的な彼女は、努力はするけど、出来ない事は出来る人に手伝って貰えばいいじゃない!と、考えた。

そして、自分が出来る事として提供したのは、子供への教育。


と言っても、親が日中労働している間に預かって読み書きや計算を教え、一緒に料理や掃除を手伝って貰ったりという、学校とお手伝いの入り混じったような物だった。


そして、そんな特殊な環境で育った私は、村娘でありながら高い学力を持つ事に目をつけられ、十五歳になると王都にある学校に特待生として招かれるのだ。


そしてこの国の王子や側近など、ゆくゆくは国の中枢を担うであろうイケメン達と交流を持つようになる。



この世界は、Web小説「悪役令嬢なので国を立て直して断罪ルート回避します」の世界なのだ。


つまり。


私の存在意義は、悪役令嬢ことヒロインの咬ませ犬として、断罪され追放されるためにあるのだ。



改ページ








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