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突然の終わり

こんにちは。中々に思いつかず投稿遅れてました。

俺は1人、王座に座って欠伸をした。

王城にはまだ俺と紫織、そして創造神さんしかいない。なぜなら前にいた議員を全員辞めさせてしまったからだ。

あんな腐ってた政府の議員達がまともなはずがない。そもそも俺は人が信用ならない。しかし人手が足りてないのも事実。ならばせめて自分で選んだ人物を部下にしようと思ったのだ。それともう一つの理由は1つ1つ見極め、やめさせるのもめんどくさいからであった。

もちろん反対はされた。それでも俺は無理矢理押し切る形で辞めさせた。もちろんこれには意図がある。このように無理矢理押し切ると貴族からの反感が生まれる。しかしそれは国王に対してではなく、俺にだ。


「あの国王。調子に乗りおって……」

「それに比べると女王の方は的確な政策によってこの国立て直してるよな。」

「たしかに、口だけの女王ではないな。それに比べて男の方は何もしてないのに口ばかり達者であるな。」


街に正体を隠して出て貴族の世間話を聞くとやはり予想通りに反感を買っているようだった。反比例するように紫織の株は上がっていく。


明日からの司法試験、監督はもちろん俺がやる。人になんか任せてられない。けれど俺だけの意見では偏りが出てしまう。そういうことで、創造神さんにも試験の監督をしてもらうことになっている。

さて、そろそろ来るはずか。


トントン


戸が叩かれる音がする。


「おう、来たか。入れ入れ。」


俺がそう言うとヒヨリが入ってきた。


「来たわ。」


そう言ってヒヨリは王室に入ってくる。


「まさかとは思ったけど本当にここ誰もいないわね。」

「しゃあねぇだろ。俺だって寂しいなぁとは思ってるよ?けどなぁ、あんな胡散臭い貴族なんか雇ったられっかよ。」

「随分と人間不信なのね、貴方。それはそうとここまで案内してくれたあの美人な方誰なの?奥さん?」

「ちげーよ。んー、なんて言えばいいのかなぁ。あー、あれだ!俺と紫織の師匠?的なアドバイザー的な。」

「あとばいざー?よくわからないけど先生みたいなものかしら。とにかくすごい人なのね。」

「あーそうそう!そんな感じそんな感じ!」


俺とヒヨリが話していると紫織が王室に入ってきた。


「誰?その人。……まさか!私の知らないところでお兄ちゃん女作ってたの!?」

「いや!ちがうんだ!妹よ!こいつはな……」

「私が国民の代表の人と会議終わったからいの1番に報告しにきたあげたのに1人だけ女とイチャイチャしてるとかひどいよ!」

「いや、マジで話し聞けって!ちがうんだよ。この子は俺が連れてきた子で……」

「何も間違ってないじゃん!」

「いや違う違う!この子にはここで働いてもらうために呼んだの!」


俺は勘違いしている紫織に説明するとヒヨリに向き直った。


「で?どーすんだ?ここで働くか働かないか。」

「その件ですが、是非とも受けさせていただきたいと思います。」

「だろうと思ってた。早速そこで君にやってもらいたいのは秘書だ。」

「秘書?」

「そうそう。俺と紫織のお手伝い。」

「具体的にはなにを?」

「んーそうだな。まずは俺にお茶注いでくれるだけでいいよ。もちろんちゃんと給料も出すからさ。」

「え?それだけでいいのですか?それにそれだけなら私お金なんて……ここに住まわせてももらえるんですよね、」

「いいのいいの。でもだんだん仕事増えると思うから覚悟しといてね。」

「あ、ありがとうございます。では早速お茶を……」

「いや、まずは着替えてからだ。創造神さん!彼女に似合う服をしつけたあげて!」

『かしこまりました。ではどうぞこちらへ。』


そう言って創造神さんとヒヨリは服を選びに行った。


「悠慈お兄ちゃん、あれだけ給料払うって言って大丈夫なの?」

「帳簿を見る限り、もともとここの議員は国の金を自分たちの懐にしまってたり、飲み会に使ったりしていたみたいだ。ということはその貴族を追い出した今その支出がなくなるだろ?その分で払ってやるさ。」

「飲み会に使ったり懐にしまうなんて書いてないけど……」

「これだからいつも俺に模試や何やらで勝てないんだぞ。いいか?裏を読め。ここの帳簿、数千万円使って道路整備と書いてあるが、この道はさっき俺らが児童養護施設と王城の間の道のことだ。」

「あそこのことですか?あそこ整備されたような感じしませんでしたけど……」

「そ。そういうこと。こうやって数千万円使ったってのがいくつかあるけど、俺がざっと見た中で不正に使われているのは数十件以上だ。」

「そんなに!?」

「こんなことしてるから、この国は貧乏なんだろうよ。」

「もうそんなところまで考えてたなんて……さすがお兄ちゃん‼︎」

「ハッハッハ〜もっと褒めてくれてもいいんだぞ!」

「それにこの国はいつ戦場となるかわかったもんじゃない。隣は獣人族とドワーフ族に挟まれてる。今は両者睨み合いが続いている状態のおかげで何もないが、いつ踏み込んでくるかわかったもんじゃない。防衛の方にも力を入れなければな。」


もともと人間の国はなんかもあった。そして、人間の勢力が昔は最強だった。そして、この国は他の種族も含めてもともと世界最大の国だったらしい。しかし、この前ある人間の国が攻められて滅ぼされ、今や人間の国はこの国1つしかない。その理由は明白。奢ったからだ。人は自分たちが強者だと思い込み、何もしなかった。そのせいで他の国々に攻め込まれた。何にもしてこなかった人間はいざという時になっても今まで何もしてこなかったのだから動けるはずもなく、なす術なく散っていった。

もう後はない。ここがなくなれば、人間の国は滅ぶ。俺は人間が嫌いだが、滅ぼすわけにはいかない。


俺は少し散歩に出るといって街に出た。

最近は表では奴隷売買などを行うものは減ったが、やはり、裏では今だに行われているらしい。この世界は確か、言ったことが本物になるとかなんとか言ってたのに、裏道でもあるのだろうか?まぁとりあえず俺はそんなことを考えながらその場所へと向かっている。


ガラガラ


戸を開けるとタバコの匂いが鼻を通り抜けた。


俺はフードをかぶり、ここのオーナーらしき人と話す。


「なんだ?奴隷購入か?」

「ああ、見せてくれ。」

「お客さん、どのくらい出せるんだい?」

「いくらでも。金ならほらよ。」

「金貨がこんなに⁉︎これだけあればここの奴隷全部買えるぜ?お客さん。」

「なら買おう。」

「まいどあり!奴隷用の呪文埋めるかい?」

「いや、結構だ。」

「おいおいお客さん。呪文刻まねえと反抗してくるかもしれねぇぞ?」

「いいんだ。また来る。」


俺は店主に別れを告げた。なぜ今すぐ取り締まらないかって?今取り締まったところで、ここがなくなるだけだ。またどこかの奴隷商が俺の見えないところでやるかもしれない。それなら見えてるところでやられた方がまだマシだ。創造神さんに言ってこの世界の法則を変える必要があるかもな。

俺はざっと子供達10人程度を引き連れていた。中には人じゃない種族の子もいるようだ。


「あのご主人様。わたし達をどこへ連れていくのでしょうか?」

「聞いても無駄よ、システィア。その人もどうせ他の人と同じでわたし達をこき使うのよ。」


後ろで女の子同士が話し合っている。どうやら、真っ先に質問して来た子がシスティアというらしい。


「俺の名前は悠慈。国王様の命で助けに来た。」

「国王様?ここの国王は暴君と聞いていましたが……」


?どうやら前の国王の話をしているようだ。


「そりゃ前の国王だな。安心しろ、もう国王は変わって女王が統治してるよ。」

「やった……やったよ!ミル!」

「ということは私たちこれで自由なの?」

「ああ、そうだ。しかし、君たちは住むところがないだろ?だから国王様が用意してくれてるからそこに住め。」


俺がそう言うと子供達はざわざわし始めた。


「国王様がそんなことしてくれるはずないよ。」

「でもこのお兄さん、国王様の使いの人でしょ?」

「その確証がないよ?」


ふむ。どうやら俺は疑われているらしい。仕方ない。ここはひとつ芝居を打つとしよう。


「そんなに信じられないのなら、好きにするといい。俺はこのまま王城に向かう。ただし、付いて来ない者は今からでも奴隷商のところに引き渡すからな。」


そう俺が脅しをかけると子供達は静まり返った。


ドスッ


嫌な音がした。


俺は腹を見た。そこには背中から腹にかけて刺さっている包丁があった。


「呪文を刻まなかったあなたの落ち度よ。もう奴隷暮らしは嫌なの。それだったらあなたを殺して、私たちだけで国王様のところへ確認しにいくわ。さようならお兄さん。」


ああ、そうか。忘れていたが、この子達も俺や紫織と同じで人が信じられないのだ。


俺はその場でバタッと倒れた。すごい量の血が出ている。寒い。どんどん寒くなる。これが死ぬってことなのか。

周りの人は俺を助けるそぶりもない。

ははは。俺はこうやって1人で死ぬのか。せっかく妹と2人で異世界に来たのに。数日で終わりとかありえねぇだろ。まぁいずれこうなることはわかっていた。あれだけ無理矢理進めた政策だ。反対派のものに殺されるだろうとは思ってた。

心残りは最後に紫織に別れを言えなかったことか……な。


そこで俺の思考は途絶えた。









また見てください!

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