国王選定戦
毎日更新無理そうなので不定期に更新することにしました。
俺と紫織、創造神さんの3人は山を降りて麓のブルムンド王国についた。
『この国がブルムンド王国でございます。どうやらこの国は今国王選定中のようですね。』
この国の国王選定は以前いた俺たちの住む日本とはかなり勝手がちがうらしい。国王なんてのは日本にはいないが、日本で行われる選挙という意味でちがうらしい。
この国王選定の候補は男性と女性の数が半々になるまでは選挙で数を減らす。そして選挙で残った男性6人女性6人がそれぞれ6組の男女のペアになり、それぞれの組と討論を行うのだ。最後に残った1組の2人が国王を務めるのだ。
『どうですか?兄弟で立候補してみるのは。』
「悠慈お兄ちゃん!せっかくだからやってみようよ!」
「って言ってもなぁ。俺たち選挙でまず落選すんじゃねぇの?」
「それもそっかぁ」
『いえ、選挙のことでしたら私にお任せください。』
創造神さんはそう言うとメガホンを取りだした。
『ここに国王に立候補する方がいます。』
そう、忘れてはならない。この世界は言葉にすることでほぼなんでもできるが、人の行動を抑制したり強制するのは許されていない。
しかし、実はこの規定には穴がある。
この(ここに候補者がいる)という発言は特に人の行動を抑制したり、強制するものではない。しかし、(ここに候補者がいる)ことを明確にすることができるのだ。そのためこの発言を聞いた者は結果的に俺たちを無視できなくなるというわけだ。
もしかしたらこの発言も無視できないという意味で強制してるのかもしれないが、いちよう引っかかることはなかった。
そんなことをすぐに思いつく創造神さんはやっぱりすごいなと俺は思った。
『これで選挙の方は安心です。お2人はその後のことだけを考えておいてください。』
なんて俺たちに甘い人なのだろう。いや、甘い神様か。そんなことよりも討論とは何をするのだろうか。そもそも国王になる必要あるのだろうか。
「お兄ちゃん!頑張って王様、なろうね!」
悩む必要はない。妹が、紫織が望んだことなのだ。この国王選定、何が何でも妹のために掴み取ってみせる。
「あったりまえだ!やるからには一位取らなきゃな!」
その日の夕方には予選である選挙の結果が発表された。俺も、紫織もどうやら残っているみたいだ。さすが創造神さんと言ったところだろうか。
「では男女一組になってください。」
神官のような人がそう告げる。
俺は紫織の元に行きタッグを組んだ。
「ではタッグの代表者の方お名前をお願いします!」
「カナミよ。」
「アラタだ。」
「イリアナよ」
「セシル。」
「ティナよ。」
「ユウジだ。」
代表者も男子女子バラバラだ。
「それでは早速ルール説明とさせていただきます。この討論というのは国に関することです。お題が出され、そのことについて何か政策を述べてもらいます。相手が述べた政策に何か問題があれば述べてください。討論していって提案した数、問題点を指摘した数によって勝者が決まります。ですがここからが重要です。1番提案したり指摘したペアが必ずしも勝ち抜けるわけではありません。ペアの片方が何も発言しなかったりするようであれば負けとなる可能性もございます。例えば勝ちチームの男性は優秀だったものの女性の方だったら負けチームの方が優秀であれば、負けチームから選ぶ可能性もございます。」
かなり長い説明が終わったようだ。討論をして政策を打ち出していけばいいようだ。これならば貴族たちによる買収など起こることもないだろう。なんてったって判断するのは人ではなく、機械なのだから。
「では早速始めます。カナミペアとユウジペア、前へ。」
カナミ&ヒロトペア vs ユウジ&シオリペア
の討論が今始まる!!
毎回短めかもしれませんがご了承ください。