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最弱スライム使いの最強魔導  作者: あいうえワをん
二章 ブロランカの奴隷
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73 反乱4

 飛び道具には飛び道具というのは悪い考えではないとリーは思う。


 城壁に傭兵を隙間無く並べ、矢の雨を降らすつもりなのだろう。さらに砦からは新しい突撃隊が出てくる。彼らの手には砦内部の扉を外して急ごしらえしたと思われる盾がある。


 第二突撃隊は今度はいきなり突進してくることはなく、城壁に沿って並んだ。


 どうやら敵のリーダー――確かエイグといったか――に魔銃の射程距離を推測されたようだった。


 リーたちはギリギリ城壁にまで<炎弾>が届かない距離にいる。その距離およそ百メイル。


「グレアム。城壁に沿って突撃隊が並んだ。城壁には弓兵もいる」


『数は?』


「どちらも七十といったところだな。どうする? こちらの<炎弾>は届かないぞ」


『……三十歩前進』


「了解」


 リーは迷うことなく全員に前進を指示する。


 指示された方も恐れもなく、足並みを揃えて一歩一歩進んで敵に近づいていく。


(ったく。どんな訓練すりゃ、こんなキモの座った連中ができるんだよ。中には十歳程度のガキもいるっていうのによ)


 先ほど五十名の突撃隊を殲滅した時も、淡々と処理していった。新参者の自分が指揮をとることもグレアムのツルの一声で従った。どれだけグレアムが彼らから信頼されているかわかるというものだ。


 そう、この場にグレアムはいない。ヒューストームはいるが、オーソンと他数名がこの場にいるように見せる幻覚魔術を維持するのに精一杯で指揮はとれなかった。


 そこで傭兵として経験豊富なリーが現場指揮をとることになった。


 自分が言うのもなんだが、良くもまぁ作戦開始の直前に飛び込んできた人間を信用するものだと呆れた。


 間諜かと疑わないのかと訊けば、二の村の住民が浜辺でリーを見つけた時は半死半生の状態だったとか。


 間諜として送り込むにはいささか手が込んでいる上に危険すぎるとヒューストームは言い、王国を出奔しようとしたことをソーントーンに悟られ殺されかけたという話は真実だと判断された。


 そこで脱出計画があることを聞かされ協力を求められる。リーが生きてこの島を出るにはその計画に乗るしかなかった。

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