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最弱スライム使いの最強魔導  作者: あいうえワをん
四章 オルトメイアの背徳者
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88 三番目の師 2

 午前の二コマ目、"上級剣術"の授業。第一武闘場の石造りの円形舞台。茶色のズボンとチュニックにいつもの革鎧と鉄剣を腰に下げてグレアムはそこに立っていた。


 鉄剣はオルトメイアにある下級貴族用の商店で新しく購入したもので、クラス分け試験や月末実技試験でも使用したロングソードだ。


(……装備に特に問題なし。――?)


 バサバサ


 鳥の羽音を聞いた気がしたグレアムは空を見上げた。


(珍しいな)


 周辺の森で生き物は何度も見かけたが、動物除けの結界でも張っているようで学院内で見かけたことはほぼない。


 鳥の姿を探して周囲を見回していると、舞台の外で手を振っているティーセを見つけた。「がんばれ~」と応援してくれているようだ。ティーセの姿は紺のズボンに白のチュニック、その上に動きを阻害しない最小限度のミスリル製防具を身につけている。髪を後ろで一まとめにしているが、後ろに立つ男女生徒の目つきがヤバい。


 ティーセの隣に立つのは王太子のアルベール。紺のズボンに白のチュニックはティーセと同じだが、こちらはミスリルとオリハルコンの全身鎧でしっかり身を固めている。だが、動きにくそうには全く見えない。おそらく軽量化と可動部はゴムのような弾性を持つ加工がなされているのだろう。もちろんオリハルコンが使われているということは何らかの魔術的付与がされている。加えて鎧には豪華な装飾も施されており、ミスリルとオリハルコンの材料代と鎧の製造費、そして魔術付与の工費で下手したら小国の国家予算並みかもしれない。そんな高価な防具を身につけた男は思案気にこちらを見つめていた。


(……)


 グレアムは眼鏡のつるが耳にしっかりかかっていることを確認する。眼鏡はフレームも天才魔道具師ウルリーカ謹製の魔道具だ。どんなに激しく動いても外れることはない。


 正面に視線を戻すと、両手に剣を持ち八重歯を光らせた活発そうな少年と、その傍らには貫頭衣に身を包んだ少女が佇んでいた。


「では、そろそろ始めようか」


 その少女の喉から発する声は老人のよう。


『おはようございます。今日はそのお姿なんですね。剣聖様』


 貫頭衣の少女を見たティーセの言葉だ。この少女こそ生きた伝説――剣聖ヨアヒムである。


 そして、八重歯の少年は剣聖の一番弟子にして孫、学生自治会(ブルーガーデン)の役員であるジオリム・クアップだ。


(目をキラキラさせて)


 グレアムはこのジオリムと模擬戦を行うことになった。

人生初コロナにかかってしまいました。

軽快はしているのですが、さすがに執筆する元気はないので今回は短めです。

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