表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱スライム使いの最強魔導  作者: あいうえワをん
四章 オルトメイアの背徳者
350/442

52 三文聖1

肘が痛いため今回は短いです。

MRI検査によれば、炎症を起こして水が溜まっているとか。

症状が治まるまで更新はひかえさせてください。

―― エリュシオン中央管制室 ―-


 縦に細長い巨大な水槽、その前に白衣を着た男がいた。水槽に収められた人の頭ほどもある魔石、それを真剣な目で見つめ、時折、笑みを浮かべながら手元のボードに何かを書きつけていく。


 何かを観察し研究する。この男にとって、それは至福の時間である。


 だが、その幸せを壊す騒音が室外から響いてきた。


「「博士博士~」」


「……どうしました? ネオ、オル」


 バタバタと騒がしく部屋に飛び込んできた二人の少女。その外見は瓜二つ。男のそれよりも袖と丈を短くした白衣を身に着けていた。


「「お客様で~す」」


「おや、これは珍しい。"聖者"様と"聖人"様がそろって何用で?」


(うわぁ~。"三文聖"がそろい踏みだよ)


(眼福、眼福~)


 少し離れた場所で三人の枢機卿を見つめる双子の少女。


 彼女達が「博士」と呼んだ白衣の男が"聖賢"ヴァイセ。

 長髪で僧衣姿の美丈夫が"聖者"ガイスト。

 そして白のシャツに黒のズボンと上着に鍔付き帽子を被る男が"聖人"シャルフである。


 彼らは文官を管理・統括する立場から"三文聖"と呼ばれている。ただし、彼ら自身がまったく戦えないというわけではない。特にガイストはその見目麗しい容姿に反して武闘派である。


「貴様が城の文官に出した指令についてだ。聖国の中枢を一時的にオルトメイアに移すとはどういうことだ」


 ガイストは不満気だった。


「勝手なことをする。何か考えがあるにしろ、()()()()に奏上すべきであろう」


 そう詰問されてもヴァイセに悪びれた様子はない。


「あのお方は今、()()でしょう? まともに話を聞いてもらえるとは思えません」


「そうであっても、せめて我々に一言あっても良かったのではないか?」


 六人の枢機卿に順位はない。とある至上の目的のために共に邁進する同志である。"聖賢"の名に相応しい知性は、かの"大賢者"ヒューストームすら凌駕するとガイストは信じている。ゆえにヴァイセの指示に疑問を感じれど撤回することはない。ただ、その理由を知るべきだと思った。


「ああ。それはすみません。急いだほうがよいかと思ったので」


「"聖賢"殿がそれほど危機感を覚える事態ってのは何だい?」と黒服のシャルフは興味深そうに訊ねた。


「16%です」


「何がだ?」


「グレアム・バーミリンガーによって、聖都がメテオ攻撃される確率ですよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ