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最弱スライム使いの最強魔導  作者: あいうえワをん
二章 ブロランカの奴隷
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107 化学プラント13

 翌日の朝、まだ陽も出ていない時間帯。


 グレアムは一人森の中にいた。


 昨夜、グレアムが魔術で落とした鳥を森のスライムが確保したと連絡があったからだ。朝露に濡れた落ち葉を踏みしめ目的地に向かう。


 小一時間ほど歩いてたどり着いた場所は一本の大樹の根本だった。


 グレアムはその木に開いたウロから一体のタウンスライムを呼び出す。


 亜空間に収納されていた例の鳥は、グレアムが見た事のない種だった。脚には布切れが巻き付けられている。


 ほどいて広げて見てみる。これまたグレアムが見た事の無い文字らしき言葉が記されていた。


 ◇


「暗号じゃろうな」


「やはり、師匠もそう思いますか?」


「うむ。昨夜のことをどこかに伝えるつもりだったのじゃろう」


「そうですか……。残念です」


「待て待て」


 不穏な事を呟いてどこかへ行こうとする弟子をヒューストームは呼び止めた。


「どこへ行く? いや、何をするつもりじゃ?」


「あいつを始末します」


 こともなげに、そんなことを言う弟子にヒューストームは頭が痛くなる。余計なリスクは極力排除したいという気持ちは分からなくもないが。


「まぁ、落ち着け。この暗号文に何が書かれているかまでは分からんが、王国で使われている文字ではない」


「では聖国ですか? もしくは帝国。あいつはそのどちらかの間諜でしょうか?」


「そうじゃろうな。この村で飲み食いを共にしている以上、あいつもディーグアントに殺されるリスクがある」


 王国側にそんなリスクを負わせてまで間諜を二の村に忍ばせる理由がないというのが、ヒューストームの意見だった。


「それに動き出すタイミングもおかしい。王国の間諜であれば、オーソンが手脚を取り戻した時点で報告するはずじゃ」


「……確かに」


 王国にとって『全身武闘』スキルで無敵状態となれるオーソンはヒューストームと同等かそれ以上に要注意人物のはずだ。それが半年以上も放置しているのはありえない。その間、リハビリでオーソンはほぼ全盛期の体力を取り戻しているのだ。今のオーソンを相手取るには数万の軍隊が必要になる。


「王国側でなければ利用価値もあろう。とりあえず、この件はワシに任せておけ」

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