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1日目-4:生き残り戦略とパーティバランス

いつになくヒロインが積極的ですが、まぁ超絶事件があったし、夜だしね〜しょうがないよね〜

ひゅ〜ひゅ〜(下手な口笛のつもりらしい)


絶賛書き直し後の第六話です。

旧7~8話のまとめと最後に二人の会話を追記しています。

1日目-4:生き残り戦略とパーティバランス


『本来ならここから武器防具、呪文、戦闘方法と話題を進めるんだが、敢えて、これからどう生き延びていくか?という話題を先にしようと思う。』


 おや?茎さまがいつになく慎重だな。

 世界の法典(ルールブック)を押さえたラブラブな……二人には何の心配も!


『@間が空いたなマスター(ニヤリ)』


 こんな時だけ@攻撃やめて〜

 泣いちゃうから〜



「それは大事なお話し、ということなのですわね?」


 ノエルちゃん神々しい!

 巫女服着てもらいたい!



『まぁ、そうだな。二人には先程、クラスの話をしたよな?』

「戦士、盗賊、神官、魔術師だったかしら?」

「一般人とモラトリアムも、だね」

『モラトリアムは特殊として、その一般人ってどの位占めてると思う?九割だ。』



 改めて考えてみると、冒険者って驚くほど少ない。

 素質がある人でも、その素質を活かした高給職は色々あるし、なくてもコネさえあればどうにかなったりする。



 ノエルちゃんの実家はかなり大きな魔道具屋だし、コネで就職する線も考えなかったわけじゃない。何しろ一緒に居ればそのうち二人で所帯持って暖簾分けして貧乏ながらも将来を夢見て汗水流して毎日毎日ノエルちゃんに恋して夜もふヘヘへ…


『おーいマスター、帰ってコーイ!』



 やばい。心なしかノエルちゃんの目が冷却光線を発してる。自粛自粛。



『全ての能力値が平均以上で長所がマックス、という変人二人に贈る言葉はこれだ。戦闘は可能な限り避けよ、だ。』


 いや〜戦いなんて怖いから良いんだけどさ。



「それでは経験を積めないのではなくて?」


『そこがみんな一番間違いやすいところだな。苦労してモンスターを倒しても、貰える経験値は実は雀の涙ほどだ。』



 あれ?そうなの?


 冒険者の屈強なお兄さんたち(多分戦士)が、倒した獲物自慢してたけど、実はリスクばかり高い事してるの?



「ドラゴン倒せたりしたらすごい経験値もらえるんじゃないの?」


『ドラゴンは種族的に金銀財宝を溜め込む奴らだから、経験値はすごいがほとんど財宝分だ。』


「じゃあ茎さま、モンスターの生息地調べて危険な奴らがいるところは近寄らず、財宝埋まってそうでモンスターなるべくいないところに行って、コソコソ隠れ漁ってお宝だけかっさらって帰って来れば良いんだね?」


『わかってきたじゃねーかマスター』


「なんかそれ、ヒーローっぽくないわね?…でも、以前のえっくんなら『悪は許さない!』とかいって突撃した挙句、即やられそうだから…」


 以前の私カッコ悪い…

 ウツダシノウの術式を思わず構築するところだった。


「でも、今日のえっくんは…」

「は?」

「ちょっと…」

「(ゴクリ)」

「た、頼もしい…かな?」(キラキラ)(エクトル主観)


 キター!!

 ブヒー(鼻息荒くということらしい)

 俺の時代来た〜!!!


 ノエルちゃん全力で守っちゃうよ?

 指一本触れさせないよ?

 娘産まれたら娘も守っちゃうよ?

 む、娘…ノエルちゃんそっくりのチビっ娘がノエルちゃんの隣に!!


 可愛い!可愛すぎて辛い!



『マスター、幸せなところワリーんだが、それ、立場逆だなw』


「そうですわよね。神官であるわたくしが魔術師のえっくんを守らないといけませんわね」



 どこまでノエルちゃんに読心されてるのか甚だ不安なんだが…


 漢たるエクトルが美少女で笑顔が素敵で先っぽでムニモニなノエルちゃんを守らないでどうするよ?

(答え 先っぽになる)



『…マスター帰って来いよー』


「そうですわよ?魔術師が一番死にやすいんですからね?わたくし一人残されて…どう…幸せになれって言うのよ…」


 ああ、俺、一人前になったら彼女にプロポーズするんだ!


(違ウソレフラグ)



 ――――



『さて、気を取り直してパーティー戦略の話だが、その前に各クラスの特徴は?』

「はい棒さん、わたくしがお答えしますわ」


 ノエルちゃんが元気に応えた後、

 人差し指を下唇の下にのせ、うーんと上を向いて考え込んでいる。

 うん、オッケー。あざとかわいい最高!


 どこからか羊皮紙を持って来てカリカリとペンで書き始めた。


 あれ?俺の部屋の物のありかもすっかりお見通しってわけデスね?

 ヤバイもんの隠し場所変えときゃなきゃ。


 ●戦士

 <筋力が強いとより早く成長>

 ・頑丈(HP最大8/LV)

 ・物理戦闘特化(武器・鎧の制限なし)

 ・成長速度普通(必要経験値標準)

 ・特殊技能:なし


 ●盗賊

 <器用さが高いとより早く成長>

 ・ひ弱(HP最大4/LV)

 ・軽業物理戦闘特化(武器・鎧とも軽いもののみ)

 ・成長とても早め(必要経験値少)

 ・特殊技能:背後からざっくり、お宝発見、鍵罠解除 etc


 ●神官

 <知恵が高いとより早く成長>

 ・割と頑丈(HP最大6/LV)

 ・物理戦闘も魔法もOK(刃物でなければ武器・鎧制限なし)

 ・成長やや早め(必要経験値微少)

 ・特殊技能:神聖魔法、アンデッド退散


 ●魔術師

 <知識が高いとより早く成長>

 ・超ひ弱(HP最大4/LV)

 ・魔法戦闘特化(武器はナイフ、鎧は不可)

 ・成長超遅め(必要経験値多)

 ・特殊技能:魔法


 なんか、魔術師ディスられてないっすか?

 何もいい所ない子みたい...



『じゃあマスター、戦士がいないパーティーで困るのは?』

「うーんと、壁不足、火力不足、戦闘継続能力、いろいろと困りますね」



『じゃあ、盗賊がいない場合は?』

「戦闘はあまり困りませんが、肝心のお宝ゲットが大変だから戦士以上に困りますね」



『じゃあ、お嬢。魔術師がいない場合は?』

「えっくんがいないとわたくしが困りますわ」

「ぽわわーん(夢心地らしい)」



『……どうして君たち、交互にボケないと気が済まないの?』


 そんなもん、ノエルちゃんにそんなこと聞くからだ!(いつになく強気)

 俺だって聞かれたらああ答えたさ!(ちょっと自信ない)



「ところで棒さん、盗賊さんたちが集団で宝探しに走ったら最強なのではなくて?」


 坊さんはノエルちゃんでしょう、という突っ込みは置いておいて。


 どうも茎さま曰く、どの局面でも他のクラスがいるからこそ盗賊が輝くので盗賊ばかりでは旨味が少ないとのことでした。


 それは他の職でも結局同じだと。


 うーむ、ノエルちゃんの集団とか最強だと思うんだけどなぁ。俺的に。



 というわけで、いつの間にか簡易冒険者講座となった夜会もお開き。

 明日以降の短期的な目標を掲げた。


 ・信頼できる盗賊と戦士を確保すること(秘密守れる人)

 ・武器防具や冒険道具を揃えて、魔の森で戦闘訓練を開始すること





『久しぶりに起きて興奮しちまったせいか、ちーとばかり疲れたぜ…』


 そう言って茎さまは寝てしまったみたい。

 居眠りできる魔道具ってどれほど高機能なんだか。



 家に置いていくのもなんだし、茎さまをポッケに突っ込むと、ノエルちゃんを家まで送るために二人で家を出る。


 夜も更けて、人影もまばらだ。


 すっかり帰りが遅くなっちゃったな。

 怒られないといいんだけど…



「ノエルちゃん…なんかその…ごめんね?」

「なにか、謝る事があって?」

「うん…なんか…巻き込んじゃったみたいだし…」


 今日は茎さまと出会って人生が一変した日だ。


 世界の法典とやらはまだよく分からないけど、茎さまのトンデモ能力と合わせれば、常識を超えた力を得ることが出来るのは理解できた。


 この世に生を受けたからには、平凡な人生もいいけど、血が踊る冒険や世界を巡る旅にも出てみたい。力を得た今なら尚更だ。


「わたくし、世界を旅して見聞を広めたいんですのよ?」


 ノエルちゃんが悪戯っぽく微笑んでる。


「僕もだよ…」

「心配?」

「ノエルちゃんが…」


 ノエルちゃんが秘密を共有してくれるって言ってくれた。これから先、どこに行くにもノエルちゃんと一緒なら望外の喜びだ。

 いつもの街並みですら、昨日とは違って見える。


 でも、冒険というんだから危険なこともあるんだろう。


 ノエルちゃんを危ない目には合わせたくないな。



「もう〜!そんな昔みたいに大暴れしたりしないわよ?」


 そういう意味じゃないです…

 あ、でもブチ切れると怖いかも…


「ふふふ。わかってるわよ。心配してくれてありがと♪ …大丈夫よ?わたくしにも野望があるのだから!」

「野望?」

「ふふふふ。ナイショ♪ 」


 くふぅ、あざと可愛いぜ…



 もうノエルちゃんの家の裏門にとっくにたどり着いてる。すぐそばに住んでるからね。


 暫し無言で見つめ合う。

 言いたいことはいっぱいあるんだけど、何も言葉が浮かばない。ノエルちゃんも何か言いたそうにモジモジしてる。もどかしい。


「じゃあ、帰るね?」

「う…うん、おやすみ」

「おやすみなさい、えっくん♪ 」


 彼女は照れ臭そうに小走りで門に向かい、ノッカーを叩く。すぐに横の勝手口の扉が開き、ちらっと一瞬彼の方に振り向くと、そのまま中に入っていった。


「ありがと、えっくん」


 独り言のように呟きながら。


あらすじ 茎さまのせいでいきなりラブラブに。。。。

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