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冒険日誌【6/26】馬車二日目・マリアちゃん5レベルに

ノエル  「ついにワイバーンスレイヤーよ!」

エクトル 「そんな称号ないぞ?」

ノエル  「(誤魔化すように)そういえば姉さま、盾って言ってなかった?」

ナタリー 「敵を止めるのが盾よ~?やり方は問わないって習ったわ~♪ 」

ブランシュ「ダメなタイプですの…老師とナタリー姉さま」

(ワイバーンの息の根を止めたところから)


「「「おお〜〜〜〜〜〜〜!!」」」


 やった♪ ノーダメージでワイバーン(大)を倒した!


 俺は思わず今回の殊勲である、姉さんに駆け寄り抱きしめようとしたのだが…顔は青ざめ膝は震えている。明らかに様子がおかしい!


「ノエルちゃん!頼む!」

「まっかせなさ〜い!」


 神官の十八番、『傷回復(小)』のほのかな輝きが姉さんを包む。



「姉さん大丈夫?」

「ああ、痛みも大分マシになったわ。ありがとう」

「姉さま、一体何が起こったんですの?」

「このままでは勢いを殺せないと、とっさに棒の石突きを鎧に当てて体で止めたんだけど〜、体の中にダメージが逝っちゃったみたいな?うふふ」


 姉さん…思い出したように可愛く言ってもダメ。


「その技禁止!見てるこっちが耐えられないわ!」

「ナタリー姉さまはギルティなのです!」

「HPは回復したハズですのに、姉さままだ辛そうですわね…」

「ご主人さま!あれですの!あれ!」


 あー。薄々は思ってたんだけど、こんな衆目の面前で?

 なんて言ってられないか。



 姉さんを抱き抱えると、唇を重ね、舌を挿し入れる。ごそっと身体の力が抜けていくところで、姉さんが離れる。


「う〜ん!爽快! それにミズハさまにも言われちゃったしね?加減しないと〜 ふふふ」


 うん、まあ、何というか…

 あれ?俺の煩悩パワーの回復力が上がれば良いのか?

 そうかむふふふ。このままドサクサに…


「ご主人さま~?エロパワーの回復でしたらここに可愛い従者がおりますの?」


 うん。あざと可愛いの極意をブランシュちゃんも身に着けたんだね?恐ろしい子!


「えっくん……私だって……呪文の力を借りずに癒せるんだからねっ!」


 うん。ツンデレ風味のノエルちゃんも久しぶりで良いね!




「おーい!お前らいつまでやってるんだ~?」

「ボルフェンクだって、トドメさした瞬間、マリアちゃんに抱き着かれて鼻の下伸ばしていたのを俺は見逃さなかったぞ?」

「そ、それは……」

「ボルくんかっこよかったから良いの~!」


 すっかりこの二人もいい雰囲気だな。出会った頃とは別人のようだ。


「俺にはナタリーさんのような真似は出来ないぜ。やっぱ凄いな……ところで、このワイバーンどうするんだ?」

「どうするも何も、仕舞って街まで運んで売りさばく、だろう?」

「簡単に言うなぁ……やっぱお前たちの自在鞄(ホールディングバッグ)は反則だわ」


 そりゃーねぇ。普通の自在鞄は自分が持てる分くらいしか入らないからね。その点うちらのは……あれ?そういえばこんな大きいの入れたことないな。入るかな?


「ノエルちゃん、このトカゲ、入る?」

「まっかせなさ~い!イメージよ?イメージ」


 どうも俺は、元生き物だと感じるものは仕舞うのが苦手だ。ちゃんとイメージ出来ないっぽい。その点ノエルちゃんはあまり気にしないようで、スルスルと仕舞ってしまった。家みたいに巨大なトカゲが指輪に吸い込まれるのは中々にシュールな光景だ。


「まだ余裕がありそうね?」


 どんだけ入るんだろう……



 ワイバーンを仕舞うと、その下から大きめの宝箱が出てきた。どうやらアイテムをドロップする名のある魔獣だったらしい。ブランシュちゃんが音もなく宝箱に近づきゴソゴソやっている。


「(罠は……ない。鍵は……こうかな?『カチャ』)開きましたの~!」


 中には金貨の詰まった袋が2,100枚。ワイバーンの経験値が900点。合計で3,000点。一人あたり500点といったところか。ワイバーンを素材や肉として売ったお金は経験値にはならないらしい。残念。高く売れそうなのに。



 経験点が各自のキャラシートに記載されたのを確認したら、マリアちゃんが一人レベルアップしたことが判明。


「おお~マリアもついに5レベルか~」

「やった!やった!ボルくん~私も一人前の魔術師だよ~♪」


 魔術師は5レベルになるとLV3呪文を使えるようになる(ややこしい)。このLV3呪文には『火球』と『雷』という、魔術師を代表する範囲攻撃呪文があり、これを使えるようになると魔術師としては一人前と言われている。神官は2レベルで『傷回復(小)』が使えるようになり、戦士や盗賊も金属プレートになる頃には死ににくくなり一人前と目される。魔術師はただでさえ必要経験値が多いのに、ここまで来ないと一人前と言われない。当然ながら5レベルまで生き残れる魔術師は数少ないわけで……マリアちゃんの喜びは俺にはよ~く分かる。



 さて、レベルアップの儀は後で馬車でやるとして、次はお金の分配だ。


 本来は倒したのが俺たちだけなので、勝手に分配すればいいのだが、護衛くんたちには商人さんを守ってもらっていたので、金貨100枚をおすそ分けに。俺たちのパーティとボルフェンクたちで1,000枚ずつ分け合った。


「いや、俺たちは最後に美味しい所持ってっただけだから、こんな要らないって。」

「またボルフェンクの要らない攻撃が始まったよ」

「ボルくん、ありがたく貰っておこうよ。お店の資金も必要なんだし。恩は美味しいパンで返せばいいんだよ~パンロード爆走だよ? ねぇ?エクトルくん?」

「そうそうw」

「あたしたちは~エクトル運送屋さんで~す♪ 運送中の拾いモノは折半で~♪」


 それ言い出したのはノエルちゃんだったような?

 あ、今指輪に入れて運んでるの姉さんだったか。



 マリアちゃんの言う通り、店をやるなら、初期資金は少しでも多い方が安定する。マリアちゃん、これだけちゃっかりしてて嫌な感じ一つしないのは彼女の人徳のなせる業だろうな。お店は彼女に任せておけば安心だろう。なんて言っても、パンラブ魔女イルムヒルデの最後の愛弟子だ。それでいてしっかり者なら問題ない。



「私の分は良いですから、そのお金はそこの若者たちに差し上げてください。そもそも護衛の依頼金が安くて申し訳なかったので」

「うお!いいのか?こんな大金!」


 商人さんはお金を受け取ってくれなかった。本来なら、護衛の臨時料金を俺たちに支払わなければならないんだとか。当然そんなもの要らないので断ったら、↑のような話になった。その代わりに、街に着いたらワイバーンの爪を一つ譲ることになった。高く売れるんだが、商人の間では『魔よけの爪』として重宝がられるんだとか。それじゃ俺たちも一つ持っておこうかな?ボルフェンクたちの分も含めて、片足分は売らないで取っておくかな。



 ――――


 レベルアップの儀は馬車の中でひっそりと行われた。


 マリア LV4 → 5 HP:16 → 20

 LV3呪文:1回・ LV2呪文:3回・ LV1呪文:5回


 パーティに魔術師が二人もいると魔法も使い放題な感じだな。

 一度くらい、二人で魔法の矢10発(20本)とかやってみたい。


 ――――


 それはそうと、いつもなら宝物が出てきた時に必殺鑑定人となる『茎さま』が今回出てきてないのに気が付いた。そもそも最近用がないと出てきてくれないので、ちょっと寂しいのである。


 …………

 ……

 あれ?茎さまの声がしない?


 慌てて腰のホルダーから茎さまを取り出して話しかける。


「茎さま?どうしちゃったの?茎さま?」

「えっくん?棒さんがどうかしたの?」

「あーノエルちゃんはその呼び方だったね。てか、茎さまが話しかけても無言なんだ!」

『あー聞こえてるぞ?』


 あ、良かった。茎さまが反応してくれた。でも心なしか声が小さいような?念話で声が小さいってのもなんだけど……


『ちょっと電池切れでな。大地の魔力(マナ)を吸収して稼働するんだが、最近貯めるよりも使うペースが激しくて残りの充電が心もとない』


 え?充電ってのはわからないけど、魔力が足りないの?どうすればいいの??


『まぁ、マスターが気に病むことはない。ちょっと充電に専念するだけだ。メッセージが使えるくらい回復したら知らせるから、しばし休むよ。不便をかけてすまんな。じゃ』


「あれ?茎さま?」


『ただいま緊急低燃費モードに移行中……ただいま緊急低燃費モードに移行中……』


「棒さん、お疲れみたいね……」

「ミズハさまみたいに直接吸収出来れば早いのにねぇ~♪ 」

「ミズハさまはもうおなか一杯なのです!今度こそご主人さまの命の素を頂くのです!」


 なんか奥さんたちが慰めるように賑やかにしてくれている。



 そうだね……茎さまちょっと働き過ぎたね……何百年も眠っていたんだもんね。

 俺なんかに起こされてこき使われて……疲れちゃったよね……


 茎さまは平凡な俺に世界を見せてくれた。彼?がいなければ、俺は冒険者になろうなんて思わなかったし、こんな美少女な妻達に囲まれることもなかった。感謝してもしきれない恩がある。


 どうしたら元気になる?茎さま…

 …………

 ……

 疲れてそのまま寝てしまった。




 今日はちょっと短いので、

 久々にキャラシート公開。


 ―――― おまけ。この時点でのキャラシート ――――

(キャラクターネーム)エクトル = ?

(キャラクタークラス)魔術師

(アラインメント)ニュートラル

(レベル) 5

(ヒットポイント)30 ( 20+10 )

(AC)4(装備-3、DEX-2)

(ステータス)

 - STR 13 +1 → 筋力

 - INT 18 +3 → 知力

 - WIS 16 +2 → 知恵

 - DEX 16 +2 → 器用さ

 - CON 16 +2 → 丈夫さ

 - CHA 14 +1 → カリスマ

(呪文)

 ●魔術 LV.1×5:言語理解、魔法の矢、眠りの霧、明かり、腹話術、(リードマジック)

 ●魔術 LV.2×3:水、永続の明かり、透明化、蜘蛛の巣

 ●魔術 LV.3×1:雷、加速、3m四方透明化

(装備)

 ローブ・ナイフ・ミスリルナイフ(紋)

(特殊装備)

 ●インテリジェンスロッド「コマンドウズ」(通称茎さま、棒さん)

 ●プロテクションリング +1(ACに-1)

 ●生命の絆(種類:魔法の指輪)

(称号)水の女神の契約者


 ----------------


(キャラクターネーム)ノエル = メルシエ

(キャラクタークラス)神官(ダイス神)

(アラインメント)ニュートラル

(レベル) 6

(ヒットポイント)48( 36+12 )

(AC)-1(装備-2、DEX-2)

(ステータス)

 - STR 15 +1 → 筋力

 - INT 13 +1 → 知力

 - WIS 18 +3 → 知恵

 - DEX 17 +2 → 器用さ

 - CON 16 +2 → 丈夫さ

 - CHA 15 +1 → カリスマ

(呪文)

 ●神官魔法 LV.1×5:LV.2×3:LV.3×1

(装備)

 メイス、ミスリルメイス(紋)

 バックラー、バンデッドメイル(特注)、聖印イヤリング、帽子

(特殊装備)

 ●生命の絆(種類:魔法の指輪ペア)

 ●天使の羽(種類:帽子につけるアクセサリー・神官用)

(特殊能力)

 ●特殊神聖魔法:ダイス変換 Lv.MAX(5回/日)

  → イメージ出来るダイスの目全てを任意のタイミングで任意の数で上書きする。

(称号)水の女神の弟子


 ----------------


(キャラクターネーム)ナタリー = ジラード = メルシエ

(キャラクタークラス)戦士(槍術)

(アラインメント)ローフル

(レベル) 6

(ヒットポイント)54( 48+6 )

(AC)-1(装備-2、DEX-2)

(ステータス)

 - STR 18 +3 → 筋力

 - INT 10 ±0 → 知力

 - WIS 11 ±0 → 知恵

 - DEX 17 +2 → 器用さ

 - CON 14 +1 → 丈夫さ

 - CHA 15 +1 → カリスマ

(呪文)なし

(装備)

 片手槍、ミスリル片手槍(紋)、自在薙刀+1(神器+穂先+1)

 バックラー、バンデッドメイル(特注)、帽子

(特殊)

 ●生命の絆(種類:魔法の指輪)

 ●ヴァルキリーの羽(種類:帽子につけるアクセサリー・戦士用)

(特殊能力)

 ●武器習熟【槍LV2】→【盾業師】(「盾、薙ぎ払い」)

(称号)水の女神の弟子

 祖父は『ジークフリード・フォン・ジラード』隣国の騎士爵にて、『神速の矛ジーク』

 師匠は『ラベロ老師』


 ----------------


(キャラクターネーム)ブランシュ(ルナール族)

(キャラクタークラス)狐獣人ハンター

(アラインメント)ニュートラル

(レベル) 6

(ヒットポイント)30( 24+6 )

(AC)-1(装備-3、DEX-5)

(ステータス)

 - STR 16 +2 → 筋力

 - INT 9 ±0 → 知力

 - WIS 14 +1 → 知恵

 - DEX 22 +5 → 器用さ

 - CON 13 +1 → 丈夫さ

 - CHA 14 +1 → カリスマ

(呪文)なし

(装備)

 短剣、ミスリル短剣(紋)

 レザーボディス(コルセット)(特注)、帽子

 麻痺フォーク×10、短弓+矢筒、クロスボウ+矢筒、発火矢

(特殊)

 ●守りのチョーカー(母の形見) +1

 ●生命の絆(種類:魔法の指輪)

 ●ヘルメスの羽(種類:帽子につけるアクセサリー・盗賊用)

(特殊能力)

 変幻(人化)

 弓術 LV.1 飛び道具 +2

(称号)元NPC、エクトルの従者、水の女神の弟子

あらすじ 茎さまピンチ!

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