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13日目夜~14日目 嵐の予感

ブランシュ「嵐の予感なのです!」

ノエル  「嵐の予感…ですわ…」

ナタリー姉「嵐の予感がするの〜♪」

エクトル 「うん、街が不穏って話だったよね。前回は。」

茎さま  『ここ、あらすじコーナーだったか?』



メルシエ商会に辿り着いたのは、

夜も更けてきた頃だった。

普段なら門も閉まっていて

開けてもらおうにも気づいてもらえない

なんて事が起こる時間帯だ。


が、今日は

門が開かれ、両脇に篝火が焚かれている。

まるでこれから戦場に向かうかのように。


入るの楽でいいんだが、

ちょっと不気味だ。



玄関を潜り、

昨日も使った客間の奥の寝室へと向かう。

パウロさんからは、

泊まるときはこの部屋を自由に使ってOKと

許可をもらっている。


美少女達は執事さんと共に

奥の方に向かっていったので、

ローブを脱ぎ捨て鞄を横に置き、

一人ベッドに横になって考える。


ブランシュちゃんを助けるため、

諸悪の根源たる、獣人研究所を襲い、

仇のエンゾを討ち取った。


ここまではいいが、

仇がこの街を牛耳る盗賊ギルドの

想像以上の重鎮だった故に、

パワーバランスが崩れてしまった。


事前情報が足りなかったか?

重鎮だと知っていたら襲撃しなかった?

面倒を避けるために?


いや、用心したかもしれないが

結果は変わらないだろうな。

あの美少女(ブランシュ)を不幸に追いやった張本人だ。

許せるはずがない。


なんて事を考えていたら、

噂の美少女(ブランシュ)がいつのまにか

寝室に入って来ていた。

さすがは本職だ。


薄手のバスローブの様な

無防備な姿になったブランシュちゃんは

当たり前のように

俺のベッドの中に潜り込んできた。


え?あれ?

何か用事があるとか、呼びに来たとか

そういうんじゃないの??


俺の右側にぴったり密着すると、


「…ご主人さま……」


俺の顔のすぐ右横に、

妖しい銀髪美少女の顔が迫る。


この娘、体は線が細いのに

右腕に当たっている巨大マシュマロは破壊力が凄い!


むにゅっと押し付けられて…


「…お慕いしておりますわ……」


ゴクリ。


「…私の全てはご主人さまのモノ……」


耳から伝わる色香と、

甘い香りに頭がクラクラする…


俺の右胸あたりに彼女は掌を添え、

そのままヘソの方に降りていく。

右耳や頬に小さな熱い唇が何度も触れては離れ…


まずいまずいまずい…

経験など無い童●の若僧に

この刺激は強すぎる!!


せめて邪悪モードなら

切り返す事もできようが…

体は緊張で硬直し1ミリも動かない。


辛うじて顔だけ右を向いたら

灰色がかった翠の大きな瞳が俺を見つめ

ゆっくりと瞼を閉じると

優しくついばむ様に唇を奪われた。


と同時に掌がさらに下の方に…


ダメです。

それ以上はダメですって!

俺の煩悩が煩悩くんとなって

前しっぽと化して絶賛暴れ中ですよ!


と、そこに、


バターン!!

扉が凄い音を立てて開き、

仁王立ちする美少女が一人乱入。


「ブランシュちゃん?!突然どこかに消えたと思ったら、えっくんに何をしてるのかな?してるのかな?」


やべえ。

右眉だけ上げながらの語尾の繰り返しは

『激おこ』の合図だ。


面倒がさらに増えた、

と思う半面、

助かった、という気持ちもあり複雑…


あれは逃げ切れる自信がない…

だってしょうがないじゃない!(逆ギレ)



「残念。続きはまた、ですの…」


そう囁くと、


「ご主人さまを誘惑しているのデース♪ 」


と、身体を起こして、

ノエルちゃんに向かって、

舌をちらっと出しながら宣言する

邪悪なブランシュちゃんだった。


――――


「ご主人さまを夜もお守りするのは従者の務めなのデス♪ 」

「わたくしのえっくんが従者に襲われてしまいますわ〜!」

「ご主人さまの安全を守るため密着警護するのデース♪ 」

「えっくんの婚約者たるわたくしがお守りするので大丈夫ですわ?」

「二人では埒あかないから〜♪ お姉さんが添い寝してあげよっか〜♪ 」


どうしてこうなった…


「あーもう、こうなったらみんなで一緒に寝ましょう。それでいいですね?」

「「「 はーい 」」」


「でも〜、エクトルくんの隣は二つしかないよ〜? 最後の一人はどこで寝るの〜? 」

「足元側で…丸くなって…とか? 」

「私が最後の一人でいいので…ご主人さまの上に覆いかぶさって寝るデース♪ 」

「あ、それダメ〜、それならわたくしがやりますわ〜!」


…………10分後…………


「公平を期すため、俺はソファーに寝る、君らはベッド。いいね?反論は認めない。」

「「「は〜い(不満げ)」」」


もう寝る。

断固として寝る。

明日こそ、長旅の準備をするのだ。


「きゃはは〜、それでね、……」

「えーそれはないわ〜、でも……」

「……なのデスよ?……」


なんか三人仲良いな。

俺いない方がいいのかしらん?泣


――――


チュンチュン…

鳥の鳴き声で目がさめる。


あれからは静かによく寝られ……る訳はなかった。


明かりを消して寝静まった後も、

誰かが隙をみて一人、ソファーに近づいて

残りの二人に取り押さえられたり、

突然三人の笑い声が上がったり…


時間は確保したはずなのに

ちゃんと眠れた気がしない。


「ふああ〜 おはほうほはいまふ〜♪」


君らも寝不足じゃないか。

自業自得だな。


――――


朝食を頂いた後、寛いでいると、

パウロさんがブランシュちゃんとノエルちゃんを

またどこかに連れて行った。


「エクトルく〜ん♪ お姉さん眠くて死んじゃいそう〜♪ 」

「そりゃ、人の安眠を邪魔した報いです。」

「もぅ〜、お姉さんに優しくキスしてくれたら目覚めちゃうのに〜♪ 」


目を覚まさずに、何に目覚める(めざめる)つもりですか!危ない危ない。


そんなアホなやり取りをしていると、

ブランシュちゃんが鎧?を着て現れた。


「いや、徹夜で頑張らせて何とか朝には間に合ったよ」


パウロさん、

なに職人さんをこき使ってるんですか!



で、鎧なんだが…

とある地方の衣装である、『ボディス』を

皮鎧としてアレンジしたものらしいんだが…


肩が見えるくらい襟の広いシャツを鎧下として、

前側で紐で締めるコルセットに肩紐が付いたもの

と言うんだろうか?


肋骨から下、ウエストまでしか

こげ茶の皮部分に覆われていない、

胸が超強調されるデザインなのだ!


ナイス!パウロさん!

でもこれ着て街に出て大丈夫だろうか?

男たちの目線釘付けだろうな。


「どうですか? ご主人さま♪ 」

「うん、凄くいいよ。かわいい」

「胸の部分は無防備お触り放題デース♪ 」


誰にも触らせてはダメデース!


ノエルちゃんとナタリー姉さんの

着替えや準備も終わったので、

買い物に行こうとしたら、

パウロさんに呼び止められた。


「これも準備しておいたよ。リクエストの品だ」


液体の入った茶色の小瓶 × 5本

なんだろ?これ?


「依頼された、麻痺毒、武器に塗布用、60回分だ。人を殺める事なく無力化したい時使ってみてくれ」


おお!

ノエルちゃんホントに調達頼んだんだ。

これは助かる。


――――


近いうちに王都に向かうことになるので

長旅の準備が必要。


と言う訳だ。


『何がだ?』


茎さま最近出番ないから勘が鈍ったかな?

お買い物に行くぞ〜と言う訳だ。


「「「お〜♪ 」」」


ほらね?

女性陣はウキウキだ。


――――


市場に行って。

まずは時間かからなそうな食糧からだ。


日持ちのしそうな

干し肉、パン、砂糖塩香辛料、乾燥果物、芋、豆…

乾き物ばかりだな。


続いて、

長距離移動のグッズを買う。

大テント、炊事用具、薬、水を入れる缶追加…

消耗品も買う。(手投げ)フォーク50本、矢筒…


結局フォークは実戦配備されることになりました。

ダメージは固定で'1'のハズなんだけど、

ブランシュちゃんが投げるとなぜか固定で'3'という

恐ろしく殺傷能力の高い麻痺フォークの誕生です。


これらと前に買ったグッズは

二つ以上あるものは俺とノエルちゃんの指輪に

分散して入れた。


最後に、服、靴、といった身の回りの物。

お洒落着ならノエルちゃん家にいっぱいあるが、

冒険に使えるものは買わないと足りないな。

防寒具も一応買っておくか。


時間がかかるのを覚悟したが、

素っ気なく終わった。


下着メインだし、冒険中は鎧だから、ね。


――――


買い物が終わったら

次は冒険者ギルドへの挨拶だ。


ギルドに着くとアーチャウ隊長をはじめとして

主だったメンバーがいったん街に戻ってきているようだ。


懐かしの事務所で待っていると

少しやつれたアーチャウ隊長が入ってきた。


「お疲れ様です。アーチャウ隊長」

「おおエクトルか、話は聞いているぞ。大活躍だな」


俺は隊長の質問(主に研究所での攻防)に答え、

それからブランシュちゃんを紹介した。


「彼女が…そうなのか。全然わからないな」


話の繋がり上、隊長とギルド長には

ブランシュちゃんが獣人であることを

メルシエ商会経由で伝えてある。


「エンゾ元隊長亡き今、第五小隊は彼女をメンバーに迎え入れようと思います」

「ああ、そういうと思って、ネームプレートは作成済みだぞ?」


隊長仕事が早くて助かります。

隊長からプレートを受け取り、

ブランシュちゃんの首にかけてあげた。

これで正式に彼女も第五小隊の一員である。


「で、だ。話の前に、ちょっと場所を変えようか」


建物を移動する隊長に従い、宿舎のような建物に入る。

3回の一番奥が隊長室のようだ。


我々は部屋に入り、

促されて応接セットに腰を下ろした。



「さて、常闇の聖峰の獣人研究所は、禁を犯し人身売買に手を染めた。これらの証拠もがっちりつかんでいる」


獣人を人間化する点は問題ではないのだろうか?


「盗賊ギルドには内部調査と事件関係者の引き渡しを要求しているが、難癖をつけて動かない盗賊ギルドに対して、我々冒険者ギルド及び商業ギルドは手を結び、彼らと実質的な冷戦状態にあると言っていい。領主や衛兵は前例のない事態に判断が出来ず、街の治安維持が麻痺してしまったため、自警団を組織して治安維持に当たっている状態だ」


「お父様たちの商業ギルドも……」


「ノエル嬢のメルシエ商会は大丈夫だ。あそこに単独で喧嘩を売るバカはいない。安心していい。が……」


俺たちは……


「そうだ、お前たち第五小隊は、盗賊ギルドの目の敵にされつつある。エンゾは我々が思っていたよりもギルド内で大物だったらしく、縁あるものはお前たちを付け狙い、野心あるものも隙を伺っている。そもそもお前たちは何も悪いことはしていないのに、だ」


うん。凹むこともあったけど、

ブランシュちゃんを助けたこの一連の事件について

後悔することも恥じることも俺たちにはない。


「聞けば、お前たちは王都に用があるそうじゃないか…」


パウロさん……なんか余計なことまで

しゃべってないですよね??


「そこで、だ。我がギルドとしても一つ、第五小隊に依頼を出したい。こっそり街を抜け出し、王都にある冒険者ギルドに書状を一つ届けて欲しい。期限はないし、王都から何かを持ち帰る必要もない。この街が落ち着いてお前たちが帰ってこれるようになった時に、今回の功に報いるようにしよう。これはその前金だ」


隊長は、ドサッとぎっしり詰まった革袋を

テーブルの上に置いた。


「はした金で悪いが、路銀の足しにはなるだろう。お前たちにはさんざん世話になったのに、こんな程度のことしか出来ないが受け取ってくれないか?」


元々俺たちは王都に行く予定だったし、

その間ギルドに席を残せると思っていなかった。

ありがたいお話だろう。


「ありがとうございます。そういうことなら遠慮なく受け取ります。」

「すまんな。準備して明日にでも発つといい。こんな状況だからちゃんと見送ることも出来ないのが悔しいが、お前たちは俺たちの希望だ。落ち着いたら必ず帰ってきてくれ。いつか、冒険者というものに皆希望が持てるように世の中を変えたいのだ」

「はい。戻りますよ。それまで隊長もどうかお元気で」


隊長と、いつの間にかやってきたギルド長に見送られながら

俺たちは冒険者ギルドを後にした。




あらすじ 新鋭ダークホースが本命に並んだ!

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