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平SHRINE奮闘記  作者: 田中次郎
さよなら現世はじめまして来世
4/5

いざ戦場へ!

さぁ、2日目の朝だ。

転生先のブース前にはわらわらと多くの転生待ちが待機している。ゾウに、キリン、鳥に魚、あとテレビで見たようなエイリアン的な姿も見える。


そろそろ10時なんだがとソワソワしているとアナウンスが流れる。

「皆様大変お待たせ致しました。本日の転生ブースを解放致します。」


やっと待ちに待った時がきた!今日は転生先の確保は絶対だ。気合いを入れねば!と意気込んでると後ろからトラに体当たりかまされた。


みんな我先にと走るもんだから周りは全てライバル!あちこちで吹っ飛ばされたり踏みつけられたりしている。

既にあの世だから死ぬ事がないのでやりたい放題だ。

少しは規制しろ運営は!と罵りながら最初の転生ブースに着いた。


鳥類転生課のブースで、本日最初は天然記念物級の鳥類への転生だ。

鳥は素晴らしい♪何も邪魔されず大空を羽ばたけるなんて素敵過ぎる。

迷わず応募。面接は人族限定みたいなので応募で済むのはありがたい。

この調子でちょっと良さげな転生には片っ端から応募だ!


この調子で面接不要で優遇されそうな生物に応募どんどんしていこう!



そして今日の転生ブースの営業時間が終わり、あとは結果を待つだけだ。


どうやら18時には応募した結果が合否に関わらず何かしらの形で届くらしい。それも応募者に合わせてくるとのこと。


…そろそろ18時だ。宿舎でゴロゴロしているといきなり目の前に手紙の束が降ってきた。


前世が人間の俺には手紙という形できた。

あれだけ応募したのだから一つくらいは引っかかるはずだ。


ではまずは天然記念物の鳥類転生の応募からだ。


「この度は鳥類転生課の天然記念物級の鳥類への応募誠にありがとうございました。

我々の厳選なる抽選により、田中様の鳥類転生は見送られることになりました。

田中様の転生がうまくいく事をお祈り致します。」

鳥類転生課より



あの世でまさかお祈りメールがくるとは予想してなかった。リーマンショック時の就職活動を思い出すわ!


しかしまだまだある!次だ次!


「…以上の事から田中様の転生は見送られる事となり…」


「既に定員に達してしまった為、申し訳ありませんが…」


悉く撃沈していやがる!競争率高すぎぃーー!

そして最後の手紙を解放する。

最後はパンダだ。自然界で生活する分には危険がありそうだが動物園のパンダになれば一生衣食住には困らない楽園になるはずだ!

とりあえずのバラ色人生かもん!


これが今日の成果だ!


手紙は両開きで左側には天界でよく見たマークがある!

思わずガッツポーズをする!一人でニヤニヤしながら再度全力のガッツポをする!

今までの手紙にはこんなマークはなかった!やった!


これで!これでとりあえずの転生先がゲットできた!明日はどれか本命の転生先に集中できるで!


一通り興奮し、落ち着いた。そういえば右側には転生の仕方とか書いてあるんだろうか?


鼻唄で機嫌よく開いてみたら






「はずれ」


とだけ書いて…あった…


あんだけはしゃいだのにはずれとるし一言かよ!天界マークを入れたのになんだあの仕様は!



いや…見覚えがある。このデジャブ感はなんだ。

思わず体が震える。


そう去年もあの時期は仕事をしながらテレビを見ていたんだ。

ドラフト会議だ。在京球団と在阪球団が競合した時に在京球団の監督がよく確認しないままマークを見て当たりと大はしゃぎした例のアレだ。


あの時は大事な事なんだからちゃんと確認しろやとか言っていたがいざ自分がなってみたらものの見事に大はしゃぎしてしまった。


天界のこの変なサービス精神勘弁してほしい。

今日の成果は全滅。明日の10時まではなんもできんからまるっと時間を浪費しただけだった。

一個くらい転生先が決まると思ってたから中々辛いとこだ。

明日はもっと応募するしかない。残り時間に気をつけなければ!


〜翌日〜



様々な生き物に応募するも結果はお祈りメールだけだった。

さすがに残り時間考えたら震えてしまう。このままでは食物連鎖の底辺になってしまう。

もしなってしまったら生きたまま上位の生き物に食われたり苦行が待っている!

明日だ…明日にはなんとかしなければ。

その場で即決応募とかあったからそっちにも目を向けるしかない。

俺が死んでからもわらわらと転生待ちのやつらがでてくるし、ライバルは減らない。

ここが頑張りどころだ!

明日に希望をもってひとまず休もう。

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