修学旅行へ行こう!
「修学旅行?」
「うん」
クッキーは、授業が終わった後こちらを向いて一枚の冊子を渡した。
表紙には大きな文字で修学旅行と書かれている。
「なにそれ?」
「人間の国の学校であるビックイベントだよ。スイーツワールドでは学校自体ないからなあ、学校が出来たらいいのにね」
「学校かぁ。どんなところなんだろう」
「楽しいところなんじゃない?まあ、それは置いておいて、マカロンにも学校行事を体験してもらおうと思って!」
「やったあ」
「お父さんとお母さんの許可もとってあるから!しおり見といて。また来週ね」
「はいっ!」
クッキーは、茶色の髪を書き上げて笑った。
……かっこいいなあ
ふと、そんなことを考えている自分がいた。
頭の中の考えを忘れようと目をつぶっていたら
「じゃーね。マカロン」
「あっ!あ!また来週」
クッキーは、いつものように帰って行ってしまった。
なんだか不思議な気持ちだなぁ。
なんて、恋する乙女みたいかしら?
「私はクッキーが好きなのかなあ……」
考えてみる。
が、答えは出てこない。
白い天井をみて恋愛のことを考えるのにも飽きてきたくらいに、ぱらりと修学旅行のことが書かれたしおりをひらいてみた。
ーーーマカロンとクッキーの修学旅行♪ーーー
なんだか絵本の題名みたいで、くすりとわらった。
目的は人間の修学旅行を知ろう。
場所は…………
京都、沖縄、北海道。
どこ?
いそいでインターネットで調べた。
京都 沖縄 北海道
人間の国の都市名。日本にある。
胸が高鳴る。
人間の国のなんて行ったことがないもの!
なんて、素敵なの!!
立ち上がった!心臓がとくんとくんと高なった。
日付を見る。
一週間後。
待ちきれない。
それからは一気にしおりを読んでベッドで大の字になった。
人間の国ってどんなところかしら?
クッキーと二人旅なんて素敵!
持っていくもの、用意しなくちゃ。
それからの一週間、長くてしようがなかった。
「いってらっしゃい、マカロン」
「行ってきます!」
一週間分の荷物を押し込んだリュックはぱんぱんにふくれている。
クッキーは小さな肩掛けかばんを持っただけでぽかは何ももっていない。
「クッキーさん。マカロンをよろしくお願いします」
「まかせて下さい」
父と母の姿が見えなくなるとドキドキは最高潮になっていた。
「楽しそうだね」
「もちろんよ!人間の国へ行けるなんて!」
「ワープするだけだから、一瞬だよ?」
「それでも楽しみよ♪だってクッキーと一瞬に行けるんだもーん」
「そんなに僕のこと好きなんだ?」
「……え?」
かあああっと顔が赤くなった。
「じょーだん」
今、やっぱり気づいた。
私は……
クッキーのこと好きだなあ……
6泊7日の修学旅行は始まったばかり。
いよいよ始まった修学旅行!
気持ちを、知ったマカロンはどうするのか!?