第8話 ゲーム初日終了
「アンズちゃん、また明日ね」
「はい、サクラさんさようなら。ウタマルもまたね」
「キャン!」
無事クラン結成を終えたサクラとアンズ。ちょうど良い時間になったので今日はそのまま解散することになった。
アンズがログアウトしたのを確認すると、
「さて私も帰るとしますか。ウタマル留守番お願いね。いい子にしているのよ」
「キャン!」
サクラもログアウトする。
「ふう」
VRギアを外し一息つくサクラ。
ゲーム初日を終えた感想はズバリ大満足の一言に尽きる。
ウタマルに初めて触れた感触は例え仮想空間であっても忘れることはないだろう。
ウタマルのことを思い出すだけで思わず頬が緩んでしまう。
ウタマルと過ごすこれからの日々に期待を胸を膨らませるのだった。
またAQOでは新たな出会いもあった。
街で出会ったプレイヤー、アンズ。
彼女を一目で気に入ったサクラは、僅か1日で一緒にクランを組むまでに至った。
ゲーム仲間と遊ぶAQOはきっと楽しいだろう。
「明日に備えて今日は早めに寝ようかしら」
サクラの頭の中は早くも明日のことでいっぱいだった。
「よいしょ、っと。あっ、もうこんな時間だ」
アンズがVRギアを外し時計を確認すると間もなく夕食の時間となっていた。
高校の入学祝いで買ってもらったVRギア。
はじめてプレイするゲームはCMで見たAQOに決めていた。
ゲーム初心者でも気軽に遊べるというのが一番の理由だ。
実際ゲームを始めてみるとゲーム初心者のアンズでも問題なく進めることができた。
しかし普段ゲームをしないアンズはセオリー通りの進め方をわかっておらず、大きな失敗をしてしまう。
困り果てていた所、現れたのがサクラだった。
黒い豆柴を抱えたサクラはアンズの話を聞くと手助けを申し出てくれた。
サクラと共に街の外に出ることになったアンズ。
モンスターと遭遇するのは怖かったが、サクラが全て倒してくれた。
サクラは武術を嗜んでいるそうで、危なげなくモンスターを倒していった。
その姿はとても綺麗で思わず見惚れてしまった程だ。
その後街に戻るとフレンド登録をして、サクラのホームに招待される。
そこで料理する場所と道具を借りて料理をする。
借りた設備と道具は後で調べて見ると現段階で手に入るもので一番良いものだった。
AQOではリアルスキルが反映されると聞いていたので、料理が得意だったアンズは料理人を選んだ。
作った料理はアンズの技術と設備の性能もあり、満足できるものができた。
サクラとウタマルにも好評だったので一安心した。
その後サクラからクランの結成を提案される。
アンズにとっていいことばかりで怖いくらいだったが、短い時間ではあるがサクラは信頼できると感じていたのでクラン結成を承諾した。
「サクラさん、素敵な人だったなぁ」
アバターのエルフの所作が見事にハマっており、きっとリアルでも完璧なお姉さんなんだろうなとアンズは思った。
「明日も一緒に遊ぶ約束したんだよね」
アンズの頭の中は早くも明日遊ぶことでいっぱいになる。
「っといけない。ご飯食べに行かなきゃ」
こうしてサクラとアンズのゲーム初日は終わった。




