第53話 犬好きのエルフ
「皆、はぐれないようにね」
サクラはビギンの街に来ていた。
公式イベントが終わったので様子を見に来たのだ。
イベントは無事防衛に成功で終わり、参加したプレイヤーたちには報酬が与えられた。
ちなみにサクラは不参加なので何ももらっていない。
「キャン」「ワフ」「バウ」
ウタマル、ツバキ、弟子チワワが元気な返事をサクラに返す。
実はコボルトたち妖精は街に入ることができる。
かなり先にある街には他の妖精が暮らしているらしい。
「それじゃあ行きましょうか」
サクラはお供のワンコたちを伴って一緒に街を回る。
サクラは街にいる他のプレイヤーからは犬好きのお姉さんとして有名だった。
エルフのプレイヤーは珍しくないのだがサクラの場合、普段の所作がエルフのロールプレイのように見え周囲の目を引く形となり密かに話題になっていた。
パートナーアニマルのウタマルを連れて歩いていたことで覚えやすく、犬好きのエルフとして知られていた。
ちなみに今回ついてきたツバキと弟子チワワは周囲からはテイムモンスターだと思われていた。
サクラは普段から周囲の目を気にすることがないのでそのようなことになっているのには気づいていない。
皆で露店で買い食いしたりして散策を楽しむサクラたち。
そこへ、
「あっ、エルフのお姉ちゃん!」
以前助けた女の子がやってくる。
「あら、こんにちは」
「キャン」「ワフ」「バウ」
「わぁ、ワンちゃんがいっぱい。あの、この子たちと遊んでもいいですか?」
「ええ、いいわよ」
女の子はウタマルたちを一緒に遊ぶ。
その様子をサクラは微笑みながら眺めるのであった。




