第47話 泉
チワワコボルトの里の中心にある泉。
これは柴犬コボルトの里にはなかったものだ。
何か特別なものなのだろうか。
弟子チワワに連れられ泉に近づくサクラ。
「バウッ!」
弟子チワワがサクラを押し、泉に落とそうとする。
しかし、
「こらっ!危ないでしょ」
サクラの身体は地面に張り付いたかのように動かない。
全く動じることなくサクラは弟子チワワに注意する。
「バ、バウ…」
謝罪する弟子チワワ。
「それで何で泉に落とそうとしたのかしら?」
サクラは弟子チワワに説明を求める。
「バウバウ」
弟子チワワの話によると、この泉には選ばれた者しか入ることができないらしい。
そしてサクラにその資格があると思い、弟子チワワはサクラを泉に落とそうとしたのだ。
「もう、きちんと話してくれれば自分で入るわよ。泉の中に入ればいいのね?」
「バウ」
サクラは泉の中へ飛び込む。
泉の中に入ったサクラ。
(そっか、ゲームの中だから呼吸しなくていいんだっけ)
現実とは違う感覚に少し戸惑う。
(とりあえず泉の底に行けばいいのかしら)
ひとまず泉の底を目指すことにしたサクラ。
(上から見たよりもかなり深いわね)
泉の深さは外から見たよりも深そうだった。この辺りもリアルとは違うのだろう。
(ようやく地面が見えてきた)
しばらくすると泉の底が見えてくる。
(ふう、それでどうすればいいのかしら?)
ひとまず泉の底に着いたサクラ。
弟子チワワに言われた通り泉に入ったはいいものの、その目的を聞いていなかった。
(これで終わりじゃないわよね)
周囲を見渡すと、
(ん?あれは…)
離れた場所に光るものを見つける。
その場所に近づいてみると、
(光る石?)
小さな光る石がそこにあった。




