第44話 稽古を始めよう
「それでは稽古を始めます」
「バウッ!」
チワワコボルトを弟子に迎えたサクラ。
翌日、早速稽古をつけることに。
道着を着て気合い十分のチワワコボルト。
その愛らしい姿に思わずサクラはニヤけそうになるが本人は至って真剣な眼差しをサクラに向けている。
いかんいかん、師匠としてしっかりしなければ。
サクラの使う武術についてだが、実は決まった流派というのは存在しない。
これはサクラの師匠である祖父が片っ端から色々な武術や格闘技の技を覚え、それを上手い具合に融合させた結果、編み出したものだからだ。
なのできちんとした名称はない。
そんな出自の武術のため、指導するにあたり何から手を付けて良いのか正解がわからない。
だがサクラは祖父に1番素質があると認められた人物だ。
サクラがこれだと思ったことを伝えれば問題ないはず。
チワワコボルトにはひとまず一般的な基礎から教えることにした。
いわゆる型稽古を始める。
チワワコボルトはサクラの見せた型を真似して繰り返す。
サクラにはチワワコボルトに何が向いているのかわからない。なので一通りの型稽古をさせてみて、彼に合ったものを伸ばそうと考えた。
「バウッ、バウッ」
真面目に稽古をするチワワコボルト。
「…動きは悪くないわね」
その様子を真剣に見つめるサクラ。
次の進め方を考えていると、
「ん?」
ふと視線を感じた。振り返ってみると、
「「「バウ」」」
サクラが稽古しているチワワコボルトとは別のチワワコボルトたちがそこにいた。




