第32話 物足りない
ワイルドボアは再び一直線にサクラに向かって突進してくる。
しかしサクラは目を閉じたまま微動だにせず。
ワイルドボアはサクラの目の前まで迫る。
直撃するその時、
サクラはワイルドボアから半身で避けると、ワイルドボアに手を添え腕を1回転させる。
ワイルドボアはサクラの腕の動きと連動するようにその場で1回転し、頭から地面に激突する。
大きな音を立て地面に激突したワイルドボアは消滅する。
「ふぅ、こっちの方がラクかしらね」
サクラの習得している古武術には合気道のような受け流しの技がある。
ワイルドボアのような直情的なモンスターには効果抜群だった。
軽く戦ってみた感じ、ワイルドボアはビギンの街より強めのモンスターだと思った。
しかしサクラからすれば倒せない相手ではない。
このまま付近の見回りを続けることにしよう。
この1匹を皮切りにその後も現れるワイルドボアたち。
イノシシだけあって出現する数が多い。
次々と現れるワイルドボアを倒していくサクラ。
順調そうに見えるが何故か浮かない顔をしている。
(う〜ん、やっぱり身体のキレがイマイチね)
やはりリアルの時と比べ、このAQO内での身体は少し反応が遅く感じる。
以前のサクラなら気にしなかったことだが、このゲームを楽しむようになり色々と妥協できなくなってきていた。
「ジュリに相談してみようかしら」
サクラは友人に相談することにした。




