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第15話 通行証
「儂はヤナギという。このコボルトの里で長をやっておる」
杖をついた渋い柴犬のコボルトはヤナギと名乗る。どうやら彼は他のコボルトと違い話せるようだ。
「そしてそなたが助けたこの子の名はツバキ」
「ワフッ!」
サクラが助けた小さい柴犬のコボルトことツバキはヤナギに紹介され元気に返事をする。
「えと、私の名前はサクラです。あの、どうしてここに連れてこられたのでしょうか?」
サクラは改めて自己紹介をし、ここに連れてこられた理由を聞く。
「それはじゃな、ツバキがどうしてもサクラさんにお礼がしたいと申してな。それでここに招いた訳じゃよ」
「ワフッ」
ツバキがありがとうの気持ちを込めてサクラに抱きつく。
「そうだったのね」
「ワフ〜」
サクラはツバキの頭を撫でる。ウタマルとは違った毛並みの感触が心地良い。
「で、じゃ。サクラさんにはこれを渡そうかと思っておる」
ヤナギが取り出したのは1枚の木札。
「これは?」
「これはこの里に入るための通行証といった所かの」
木札を鑑定すると、コボルトの里の通行証と表示された。




