第12話 子犬との再会
連休が終わり数日後。
「ウタマル、ただいま!」
「キャン!」
いつものようにログインしたサクラはウタマルに挨拶する。
ゲーム2日目以降は特に変わったこともなく、サクラもアンズも各々やりたいことをして自由に過ごした。
サクラは主にウタマルと過ごし、時々街の外に出てモンスターを狩ったり、森に行って果物を取ってきたりしていた。
あれから森には何度か入ったが、助けた子犬の姿を見かけることはなかった。
アンズはというと露店での商売が好調なようで、露店の売り上げで食材や調味料を購入し新メニューを増やしていった。
当然その新メニューはサクラとウタマルにも振る舞われた。
アンズからは露店の売り上げをクランにもっと渡したいと言われているが、サクラは断っている。
サクラはウタマルと楽しく過ごせればそれで十分なので最低限のお金があれば問題ない。
それにクランといっても形だけだ。料理場を貸してはいるがサクラはほとんど何もしていない。
露店の評判がいいのはアンズの努力の結果だ。
サクラはアンズとこれからも仲良くできればそれでいいのだ。
それでもアンズは納得しないだろうから、サクラが不在の時のウタマルのお世話やサクラたちの料理番を頼んでいる。
「今日のアンズちゃんの料理は何かな、っと。見てウタマル、新作だよ」
アンズが作り置きした料理を保管庫から取り出しウタマルと一緒に楽しむサクラ。
「ちょっと出かけてくるからウタマル留守番よろしくね」
「キャン!」
食事を終えウタマルと一通り遊んだサクラは街の外へ出かける。
街の外へ出たサクラはいつものように森へと向かう。
ゲーム内とはいえ身体を動かさないと落ち着かないので、こうして定期的にサクラは街の外へ出て軽い運動をしに出かけている。
慣れたように森の入口の木に登るサクラ。そして軽やかに木々の間を移動していくのだった。
「よし、こんなものかな」
運動ついでにリンゴを収穫するサクラ。リンゴは街でも売っているが、自分で取ったやつの方が鮮度がいいのか味がいい。なのでこうして森に来た時はなるべくリンゴを収穫するようにしている。
「そろそろ戻ろうかしら…、ん?」
サクラが街に戻ろうとすると何者かの視線を感じた。
視線を感じた方に目を向けるとそこにいたのは、
「ワフッ」
サクラが以前フォレストウルフから助けた子犬だった。




