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プロローグ

*暴力表現注意*

*虐待表現注意*


最初の方は胸糞です。

 社交界では当たり前の仮面夫婦だの、不倫だのが多いなか、美しい妻と可愛らしい三人の息子に恵まれた私はきっと果報者だ。

 妻とは政略結婚で結ばれ、昔からよく

「貴方という人は、本当に顔もパッとしなければ、中身をパッとしない人ね」

「あの女さえいなければ、今頃王妃だったのに。なんで、こんな男と」

という愚痴は言われてきて、確かに陛下や上司の宰相や幼馴染の騎士団長と比べて、少し、いや、かなーり地味で平凡な顔をしているが、それでも、私と妻には家族としての愛情があると信じていた。

 信じていたのだ。


「さようなら。俺はもう二度とこの家に戻りません」

全寮制の学校に入学して本当に、帰ってきていない長男の言葉を聞くまでは。

「ごめんなさい!お母様、お許しくださいぃぃ!」

まだ、10歳にもならないその小さい身体に鞭を浴びせられながら謝る次男の姿を見るまでは。

「ぉなか、すぅた。ごぁん」

言葉さえ拙いほどの歳なのに飢えを満たすために、孤児のように残飯を漁る三男に出会うまでは。

そして。今、目の前で。

「愛してるわ。さぁ、こっちにいらして」

 かつての、夫婦の寝室で見知らぬ若い男と睦み合っている所に遭遇するまでは。


本当に、本当に、私は心の底から、そこに愛があると信じていた。


だから!ここで!


「死に晒せぇぇぇぇ!!!!!!」

「キャーーー!!!」

 私の人生で最大限に力込めた渾身の一撃は、見事にその間男と妻の顔に綺麗にはいる。

 ヨシ!!

 騎士団長の幼馴染から、ひ弱ひ弱と呼ばれた私でも全力をだせば、ちゃんとダメージになる。

「出でいけ!!!!よくもっ!よくもっ!!!いいか!!お前とは離縁する!!」

「イタイイタイイタイイタィィィィ!!!」

「うるさい!!!」

 素っ裸なまま、恐らく突然の暴力に泣き叫ぶ妻に構わずに、その長い髪を引っ張って部屋の外へ連れ出す。

 何が果報者だ。なにが愛だ。馬鹿じゃないのか。いや、本当に私は馬鹿者だ。

「おい!!誰かこい!」

 廊下で人を呼べば、妻の侍女達が青ざめて駆け寄ってくる。妻が嫁いできたときからずっと一緒にいるこの侍女達が把握していないわけない。侍女達に妻を投げ出すように押しつける。

「こいつをこのまま、実家に連れて行け!いいかこのままだぞ!!もし慈悲でもかけてみろ!お前達の命はないからな!」

「か、かしこまりました」

「ジル!おい、ジル!いないのか!」

「旦那様、私ならここに」

「あの男を捕らえろ!不法侵入と姦通罪で警邏隊につき出せ!」

 小さいころからの乳兄弟であり部下のジルを呼びだす。間男は部屋の隅でコソコソと隠れようとしているが、誰が逃がすか。妻、いいや、あのクズ女と共に必ず報いを受けさせてやる!!


そして、そして……!!

「お、とうさ、ま……?おかあ、さま?」

 騒ぎを聞きつけたのだろう、弟のミッシェルの手を握った次男のルーカスが遠くでこちらの様子を伺っているのがみえる。その目はただただ恐怖に満ちていて。


「私が、お前達のママになるから!!!!」


 あのクズ女の代わりに。

 ちゃんと家庭を省みれなかった今までの分まで。

 絶対に絶対に愛すと誓おう。


 そう、心に誓いながら、愛おしい息子達を強く抱きしめる。

自分の趣味と性癖を入れた、自己満の産物。

可愛い息子と父(アホの子)のほのぼのを書けたら良し。

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