勇者詐欺
ここは とあるゲームの世界
その物語の 裏話である…
「あ〜今月まじでやばいなぁ
なんかいいバイト無いかなぁ」
バシュッ!!!
「うわっぷ!なんだよこの紙は!!?
ん?『勇者のお手伝い募集中』だと!?
条件が『実質稼働10分で 日当10万』えっ!10万!?
まじで!?行くしかないでしょ!」
そうして俺はこの紙に書かれている住所へ向かった
「やぁ!君が応募してくれた人だよね?」
(うわっ、見るからに怪しいけど…)
「はい!あなたが勇者様ですか?」
「あ〜勇者は今忙しくてねぇ
代わりにパーティーメンバーの僕が来たんだよ」
「あ、そうなんですね〜」
「早速仕事の内容だけどさ、
勇者と同じ格好になってもらって
僕が指定した家に入って『探索』してもらうだけ!」
「え?それって…」
「んで!そこで手に入れたものを
指定したロッカーに入れてもらったら
お仕事 終了〜 これだけ!簡単でしょ!」
「でもそれって!」
「大丈夫!大丈夫!だって…
勇者と同じ格好してるから、君だってバレないよ!
ノーリスク・ハイリターン!!
こんな美味しい話他には無いと思うんだけどなぁ」
「だっ、だけど…」
「生活 困ってるんでしょ?
僕はね、君の力になりたいと思ってるんだ
…でも他にもやりたいって言う人も居てねぇ
こんなチャンス滅多にないけど…どうする?」
「や…やります!」
「おっけー!あっ、念の為身分証のコピーだけ貰うね!」
「はい!これです!」
「はいありがと〜これで君も『勇者の仲間』だね!
詳しくは追って連絡するよ!」
「はい!ありがとうございました!失礼します!」
キィ バタンッ
「いやぁ、バカって…減らないよね…」
1ヶ月後
「いやぁ、さすがに疲れたな〜 そう思うだろ?勇者様」
「我らが戦士様でも疲れるのか〜
でも確かにこのクエスト疲れたな〜
まさか、ドラゴン倒して隣町まで素材を納品しろ!
って言われると思わねーよな〜」
「でも勇者様!次の町はご飯が美味しく
人々は優しく助け合っている、素晴らしい町みたいですよ!」
「さすが、我らが賢者様だ!
美味い飯食って、しばらく休みにするか〜」
「勇者様!町が見えましたよ!
もうお腹がすきました!!早く早く!!」
「わかったわかった!行くから引っ張らないでくれ〜」
ジトッ
「…なぁ賢者さんや、この町は助け合っているんだよな?
心優しい人々…なんだよな?
なんでみんな こんなに冷たい目を向けてくるんだ?」
「勇者様、この町は確かに助け合っている心優しい人々…のはずです……とりあえず、ギルドに行きましょう」
バタンッ
「あっ、受付の方ですか?私たち今到着してクエスト品を納品したいのですが…」
ザワザワ ザワザワ
「あ?なにいってんだ?良く顔を出せたな?」
「えっ、あの、ちょっと、か 勘違いしてませんか?」
「そいつが勇者だろ?」
「は、はい」
「なぁお前、俺たちからさんざん奪って行ったくせに
今更このギルドの何が欲しいんだ!」
「いやだからさ!俺たち今、この町に着いたばかりなの!
だれと間違えてんだよ!」
「お前だよ、お ま え
その服、そのズボン、その靴、その剣、その装飾
間違えるわけないだろ!俺たち全員が見てるんだから」
「ちょっと待ってくれ、これを見てくれ!
俺たちが今着いた証明だ!
ほら、前の町で受けたクエストの日付」
「た、確かに…これはあの町のギルドが正式に出しているもので間違いない…」
「だろ!それよりその話、詳しく聞かせてくれ」
「ひと月ほど前からだ、お前と同じ格好のやつが
勇者を名乗って家の物や金を持って行ってたのさ
ここ1週間程は見なくなったから、次の町にでも行ったと思っていた所に、お前たちが来た」
「なるほど、俺の偽物がこの町に迷惑をかけたって事だな
そいつはすまねえ事をした、
このドラゴン…クエストで必要な分以外、この町のために使ってくれ」
「ちょっと!勇者様!?」
「この事件は俺への挑戦状だろ?
大丈夫、探し出して犯人にこの代金払わせるから
…絶対にお前を捕まえてやる……」
こうして勇者の、偽勇者を捕まえる冒険が始まったのだった
https://youtube.com/shorts/LqnR-PXZW-k?feature=share
じゅんいちろうの1人演劇部屋 さんのshortsを小説化しました!
公認になりたい非公認なのでなんか言われたら消す!