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サーガとクロムの異世界譚  作者: 小笠原慎二
本編
41/81

満華楼へ遊びに行こう!

前回のあらすじ~

白焔パーティーと合流

ジャッカス:リーダー。しっかり者に見えるが多分どこか抜けてる。

フィリップ:パーティーの盾役。でかい。リラに気がある?

エミリー:ヒーラー。頭が固い所もあるが、優しいお姉さん。

リラ:魔法馬鹿。それなりに実力はあるが、本当は魔法の研究で引き籠もっていたい派。

カリン:なんだかんだパーティーのまとめ役。でも一番年下で純粋な所がある。

私闘を終えた面々が街に戻ってくる。


「サーガ君はこれからどうするんだい? 良かったら買い物なんか一緒にどうだい?」


ジャッカスが引き留めてくる。仲間にしたい気持ちは消えていないらしい。


「俺はこれから、とても重要な用事があるから」


とサーガはこれも断わる。


「重要な用事? 何かギルドで他の依頼でも?」


待つ間に他の依頼を受けることもままある。


「いや。1度、裏からではなく表から客として行きたかった所がある。王都に行ったらしばらく行けないだろうし、今のうちに行っておかねば!」


拳を握り締めて力強く言い放つ。その目は真剣そのものだ。


「ほう、君が行きたかった所って、どこだい?」


修練場か何かなんだろうかとワクワク気味のジャッカスが聞いて来るが…。


「満華楼、だ!」


良い笑顔で胸を張って答えるサーガ。その答えを聞いて、女性陣の視線が冷たくなった。


「ま、満華楼って、花街の…」


ジャッカス達も女性陣の視線をかい潜って時々お世話になっている。いや、満華楼は高いのでそれ系のもっとお安い店でお世話になっている。


「そうなんだ…。見るだけで触れもしないあの日々…。絶対いつか客として行ってやると思っていたが、今を逃したらいつ行けるかも分からない! だから! 今こそ! というわけで、また3日後に~」


スタコラサッサとサーガは花街へ向かって駆け出していった。


「自分に正直な変態」

「あそこまでおおっぴらだと反対に笑いしかないわ」

「男性にそういう事が必要なのは理解出来ますけど、あそこまで正直とは…」


残った男性陣にも少し冷たい視線を向け。


「あんたらも行って来る?」


カリンが花街の方を指さす。

2人共高速で首を横に振る。さすがにこんな真っ昼間から堂々と女性達を目の前にして行ける度胸はない。

5人は仲良く、必要物資を買いに大通りの方へ向かったのだった。












「あら? サーガさん、お久しぶりです」

「やほ~アカネちゃん。で、どうして俺は裏口から来ちゃったんだろう…」

「? 何か女将さんにでも御用でもあったんじゃないんですか?」

「ううん。客として来たはずなんだけど…」


今までの習慣からか、何故か裏口から入ってしまったサーガ。入ってから気付く辺り、習慣て怖い。


「お客様? もしかして、遊びにいらしたんですか?」

「そーなの。今空いてる娘っている?」

「ええと、少しお待ち下さい」


何か困惑気味の顔をしながら、アカネが何処かへと去って行く。本来なら表から入って待合所で空いている娘達と歓談するところなのだが、裏口から入ったので待合所も遠い。行っても良いけれど、お店のスタッフが顔を出したように思われかねない。なにせサーガは一時ここで働いていたわけだし。


(可愛い子が揃ってたもんな~)


満華楼の面々を思い出す。コムラサキ姉さんは胸もでかく大人な雰囲気を楽しめそうだった。アオイさんと年が近いミドリも可愛い顔をしていた。胸は少し控え気味だったが、腰の締まりが良い。他にもコガネ、コハク、マシロと美人揃い。

誰が来ても楽しみだな~と思いを馳せていたサーガの耳に、ドタドタと廊下を走ってくる音が。


「サーガ!!」

「げふん!」


後ろから飛びつかれ、おまけに首も絞められサーガがおかしな声を出す。


「もう! ずっと待ってたのに! なかなか来てくれないんだもの!」


聞き慣れたその声。その前に首を絞める腕を緩めて欲しい。サーガが苦しいと首に掛けられた腕を叩く。


「あ、ごめんごめん」

「げほっ。え? アオイさん?」


咳き込みながら振り向けば、そこにはアオイが立っていた。


「そうよ。びっくりしたでしょ?」


今までの官能的な服装とは打って変わって、アカネが着ているような下働きの服を着たアオイ。


「いや、びっくりっていうか…。あれ? 店は?」

「もちろん、そのうちに絶対に持つわよ! でも経営の素人のあたしがいきなりお店初めて上手く行くとお思い?」


それはそうだ。


「だからね、今はここで下働きしながら女将さんに経営のこと教えてもらってるの」


にっこりと笑うアオイ。今までの厚化粧をした姿も美しかったが、ほぼ素の顔も綺麗な顔をしている。


「へ~。そうなんだ。そいつはびっくりした」

「ふふ。でしょ? でしょ?」


なんだか嬉しそうにサーガの腕に縋り付いてくる。


「え~と、で、俺、その、ここに遊びに来たんだけど…」

「うん。大丈夫。あたしが相手してあげるから♪」

「・・・・・・」


そんなにっこり笑顔で言われたら、他の娘と遊んでみたいとも言い辛い。


「いや、でも、もうアオイさん引退したんじゃ…」

「特別なお客さんの時だけ表に立つ事もしてるのよ♪」

「・・・・・・」


逃げ場がない。


「おや、本当にサーガだね。仕事しに来たのかい?」

「遊びに来たんだ!」


アカネが女将を伴ってやって来た。


「丁度良い。アオイ、相手してやんな。サーガならいいだろう?」

「もちろんよ!」

「いやでも、他の娘とかは…」

「アオイは今表には正式に立っていないから、余程特別な客でないと相手出来ないレアものだよ? それでも嫌だと?」


そんなこと言われたら嫌とも言えない。


「しかも、正式なものじゃないから、定価の半額でいいよ」


そんなこと言われたら余計に嫌と言えないじゃないか。


「わ、分かった…。アオイさんでいいです…」

「アオイで? いいのかい?」

「アオイさんが! いいです!」

「アオイ、部屋の用意はしてあるんだろう?」

「いつ来てもいいと思ってたからバッチリ!」

「よし。あとはやっておくから。あんたは客の相手してやんな」

「は~い女将さん! さ、サーガ行こう!」

「あい…」


半分引き摺られるように、サーガがアオイに腕を引かれていった。














「あたしじゃ嫌だった?」


今までとは違う質素な部屋に入ってベッドに腰掛け、なんだか浮かない顔をしているサーガにアオイが問いかける。


「いや、そういうんじゃないんだけど…」


他の娘と遊んでみたいと思ってたのだけど、とも言えない。

アオイが服を脱ぎ始める。


「あたしと楽しんだら、面白い情報も流してあげるけど?」

「え? そっちも継続中?」

「いいえ。今回のことであたしは首も同然。娼妓として表に立たないならもう情報も入ってこないだろうって見切りをつけられたわ。お母様も体調を崩してしまって働けないみたいだから、お母様も首同然てとこ。どうせ用済みならお母様と暮らしたいって言ったの。そしたらお母様をこの街に送ってくれるって話しがついたわ。一応お父様の罪も今までの働きとお金で償えたみたいな感じになったらしいわ」


とにかく処刑は免れられたらしい。


「でもね、情報は入ってこないわけじゃないじゃない?」


閨の中でなくとも、酒の勢いでぽろりと零す客はいる。それに他の娼妓から愚痴を聞きつつ、情報をもらうこともある。


「そこまで重要な事は難しいかもしれないけど、サーガが欲しがってる情報を集めるくらいは出来ると思うけど?」


アオイが全てを脱ぎ捨て、サーガにのしかかる。


「本当かな? まずはお手並み拝見からいこうかな?」

「前はやられっぱなしだったからね。あたしの本気を見せたげる」


サーガの服を剥ぎ取りながら、アオイが目をギラつかせた。
















サーガが今いるこの国はアルトリア王国。亜人と呼ばれる者達も平和に暮らせる混合国家である。東にバリモア聖教国。そして北にドルトン帝国。この2国はこの大陸でも人類至上主義の考えに染まっている。

聖教国の東には連合諸国。いくつもの小さな国が帝国に対抗するために集まっている国々だ。この国でも亜人は普通に迎え入れられているが、数は少ない。

そして王国の西には獣王国。亜人率が一番高いこの国は北を帝国と隣接しているため、未だに戦火が絶えないらしい。獣人の中でも最強と称される竜人族が王を務めている。

アルトリア王国では聖教国の崇める神も信仰し、そして亜人の人権も認めているといういろいろ混ざった国家になっている珍しい国だ。まるで日本の文化のよう。

なので街の中心には聖教国の崇める神の神殿が建ち、街の四方には亜人、その中でも特にエルフが信仰する精霊を祀った神殿や祠が建っている。多様な文化や信仰が入り混じっている国だ。


そんな基本情報から教えてもらい、サーガは花街の騒動のその後もアオイから聞かされる。

サーガが発見した地下牢にいた者はやはり行方不明となっていた清流閣の楼主だったらしい。その他にも麻薬に侵された者があちらこちらで発見され、今清流閣はそんな麻薬中毒者の療養所となっていた。ちなみに資金源は女将さんがテッドリーからぼったくったお金が使われている。


「こういう時のために使うものだろう!」


と惜しげもなく金をつぎ込んでいるらしい。ちょっと格好いい。

麻薬の原材料やどこから流れて来たのかは未だに調査中。テッドリーがその窓口となっていたことは明らかである。

ということでテッドリーに尋問、という名のほぼ拷問に近いものがされたわけであるが、どうも使いぱしりのような立場であったらしく、ほとんど有益な情報は取り出せなかった。

そしてその数日後、テッドリーは獄中死した。何故死んだかは明らかにされていない。

それと女将さんは財力にものを言わせてスラムにも手を伸ばし始めているそうな。一応領主である伯爵家には了承をもらい、少しずつスラムを改革し始めているらしい。

スラムにもツナグのような使える人材が転がっているかもしれないとなれば、女将さんが手を伸ばすのも納得だ。


「金金言ってたけど、ただの強欲ババアじゃなかったんだな」

「なんだかんだお人好しなのよ、女将さん。でなかったらこの楼閣の娼妓達が笑顔で働いてるわけないでしょう」

「それもそうか」


満華楼の娼妓達が美しいと思えるのは、彼女達が偽りの笑顔ではなく本物の笑顔で客を迎えているからだ。それこそ女将さんが娼妓達を大切にしている証拠であろう。


「あと、聖教国で勇者の選抜が行われてるらしいわよ」

「勇者? 勇者って何?」

「はいはい。説明してあげる」


お読みいただきありがとうございます。


今まで乗っていたバイクは事故で新品のように生まれ変わったので、この際だからと売りました。

そろそろ1万㎞到達だったので頃合いかと思って。

そして25日に新車がやって来ました! まだちょっと乗り慣れないので運転にまごつきますが、今までよりもエンジン音が小さい! そして座席の下の収納スペースも小さくなってる!

フルフェイスが入らないバイクが増えております…。

しかし新車なのでちょっとウキウキしますね! いろいろ走り回りたくなってます!

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